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「ベルガモの約束」悲しくも切ない 174年間の 愛の物語

絵画は生きている証を次の世代に残す作業であり
絵画はその時代を映す鏡だと思います
今強く感じることを描き残し 描き続けて行きます


キリストの為に命をしまず
遠く異国の地で戦い
妻とのちぎりを信じ
無事帰還きかんする事を望む
 
恋人への猜疑心さいぎしん
微塵みじんも持たぬのに
距離と時間は
人の思いを変える
堅い約束は
はかなくも裏切られてしまう

悲しくも切ない
174年間の 愛の物語


ベルガモの約束  S30号(91.0×91.0)㎝  アクリル画


メタバース内


174年間も続いた十字軍の遠征えんせいで 栄えた町が有る。
イタリア北部のベルガモ地方です。
そこでは アルプスの水と鉱物を利用して
たくさんの武具を作りました。

十字軍は遠征の途中必ずこの地に立ち寄り
休息をしたり宿泊をしたりしました。
更に剣や兜類も調達しました。

町はにぎわい いろんな物語が生まれました。
遠征に加わる騎士との恋物語も そのひとつです。
涙ながらに見送り ひたすらその人の帰りを待つ妻や恋人達。
しかし兵士は一度戦いに赴くと
10年は帰還しないのです。
それどころか 命を落としてしまい再会をはたす事が
出来ない人々も数えきれない程居ました。
又 帰りを待つはずの人の中には新しい恋人を作って
不義を繰り返すなど 長い時間を遠く離れて
別々に生きる事は 互いの思いを変えてしまいます。

変わる事の無い約束も 色あせてしまい
悲しい結末が訪れる予感を ひしひしと感じながら
この絵を描きました。


描き方

木製パネルに寒冷紗をジェッソで貼り 
ライトモデリングペーストを 厚紙で塗り広げています。
その際発生する段差や塗りムラをマチエール(絵肌)にして
アクリル絵の具で描画彩色しています
画面に登場する牛骨は殉職者を意味しています。
革のベルトと鍵と錠は 人の心身を束縛するものとして表現しています。




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