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万華鏡の中で繰り広げられる無限連鎖 

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。                若林 薫


千変万華鏡  S60号(130.3×130.3)㎝ ミクストメディア  KOさん


千変万華鏡 一部(右下)


万華鏡の中で繰り広げられる無限連鎖むげんれんさ
作者は実生活の中で起きる現象と
照らし合わせて
作品に仕上げたのかも知れません

めまぐるしく変化する世情や
ツールとしてのパソコンやスマホの進化は
日々刻々と変わり
その変化に対応出来ない人達も
大勢現われています
作者もその中のひとりなのかもしれません

機械や電気の力を借りずただひたすらに
手と筆と絵の具で自分の感じた事を
描き出しています

今回の作品のタイトルは「千変万華鏡」せんぺんまんげきょうと題して
画面サイズはS60号(130.3×130.3㎝)の大画面です

木製パネルに白のジェッソを地塗りし
グラフィックペンの黒を用いて
5㎜方眼を画面全体に自作し
その桝目を半分塗ったり4分の1にしたりして
5㎜方眼の中に可能な限り
パターンを考えています
この新しい制作スタイルを
2019年から始めています
まず5㎜方眼のA4の紙に
パターンの展開を何十枚も書き溜め
その中から今回の作品に合うパターンを引き出して 
画面構成をしているのです

画材はグラフィックペン0.1㎜と
アクリルとアキーラを使用した
ミクストメディア(混合技法)です
万華鏡の中に投入された物や思いは
対称の形に見えるのが普通ですが
あえてそれらを非対称に表現し
その鏡に映る裏側の真実を
探ろうとしている気がします

ただ発信される情報をそのままオーム返しの様に
真似るのではなく
自分はこの世界から何を知ろうとしているのか
自分が欲する物はいったい何なのか
虚とは何か、実とは何か、と
自問自答している作品だと思います

2022年4月7日から5月2日まで開催された
第89回となる県展で平塚市長賞を受賞しました
おめでとうございます

                絵画講師 若林薫 評



「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
スキ・コメント・フォローなど頂けますと創作活動の励みになります。
よろしくお願い致します!」


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