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『百年の孤独』 解説

文庫化したら世界が滅びると言われていた『百年の孤独』、ついに文庫になりましたね!
これを機に筆者も読んでみたのですが、まぁ分かりづらい!
ということで、この難解な作品に悩まされている同志に向けて、個人的に整理した物語の内容を投稿してみようと思います。

この作品は、登場人物の名前がほとんど同じであったり、非現実的な描写が当たり前のように描かれていたりする作品なので、おそらく、混乱して読めなくなる人も多いと思います笑
数日前に読了した筆者が、筆者なりに物語を整理してみました。筆者のうろ覚えや直感に頼る部分も多いので、参考程度に読んでいただけたらと思います!

けっこうモロにネタバレしてる部分が多いので、どうしてもネタバレ無理な人は自力で読んでみてください笑
ただ、ある程度整理して読んだ方が読みやすい作品なので、よければ参考にしてもらえればと思います!

↓文庫版の『百年の孤独』です!
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超簡単なあらすじ


一言で言えば、近親相姦によって呪われた一族が、百年の時を経て、再び近親相姦を犯してしまったことで滅びるまでの物語。

物語の主軸となるのはブエンディア家の一族。
この一族は七代にわたってマコンドという土地に屋敷を構えており、結婚相手や婚約者、使用人など、百年間で様々な人物が家を出たり入ったりする。
彼らを巡って、現実と非現実の混じった数多くの事件が巻き起こる。


わかりにくいところ


登場人物の名前
ホセ・アルカディオとアウレリャノっていう名前がしょっちゅう出てくる。見分け方としては、
◯「ホセ・アルカディオ・ブエンディア」とフルネームで呼ばれてる人は一番最初に出てきた人。ウルスラの夫。
◯「ホセ・アルカディオ」と呼ばれてる人は第二世代。この人の子どもが物語を担っていく。後半に全く同じ名前の人が出て来るけど、時代が違うからさすがに見分けがつく。
◯「アルカディオ」って「ホセ」抜きで呼ばれる人は第二世代の「ホセ・アルカディオ」の息子。戦争中にマコンドを独裁したりする。
◯「アウレリャノ・ブエンディア」も第二世代の人。物語が進むと名前の後に「大佐」ってつくからわかりやすいかも。
◯物語の中盤、第四世代になると「ホセ・アルカディオ」と「アウレリャノ」の名前の後ろに「セグンド」ってつくから見分けやすい。セグンドはたぶん2世って意味。
◯アウレリャノ大佐の妻で「レメディオス」っていう名前の人が出てきて、その人が家の中でけっこう愛されキャラだったらしく、後々の子どもたちにも名づけられる。でも「小町娘のレメディオス」とか、「メメ」とか、後の世代の人たちには愛称があるから、たぶん見分けつく。

名前さえクリアして、見分けがつけば、物語の半分くらいは楽しめる。

展開がわかりづらい
◯マジックリアリズムという手法が使われていて、非現実的な出来事が、起きて当然みたいに描写されている。
◯ただでさえマジックリアリズムのせいで読みづらいのに、『進撃の巨人』みたいに謎の伏線があったりするから余計にわかりづらい。
◯ノーベル文学賞を受賞してるだけあって、作者の文章もかなり上手いので、わかりづらい物語なんだ、と意識して読むと逆に読みやすいかも!

めっちゃわかりづらいけど、文学界ではかなり重要な作品。一読の価値あり。
読めば価値観変わるかも!

暗黙のルール(?)
◯本文には明記されていないけど、この物語にはルールがある。
◯ブエンディア家は結婚すると大体、三人の子どもが生まれる。三人のうちの誰かが家系を受け継いでいく。
◯心から愛し合ってる夫婦の間にはなぜか子どもが生まれない。成り行きで結婚した人とかの間に生まれる(ウルスラたちは例外かも)。
◯定期的に近親相姦が起きそうになる。
◯全員が胸の内に孤独を抱えている。
◯男性より女性の方が長生きする傾向がある。
◯ブエンディア家の女性に恋をした男性は不幸な最後を迎える。
◯実は作者の名前である「ガブリエル」「ガルシア」「マルケス」という名の登場人物がちらほら出てくる。etc.

こういった本文に明記されていないルールがいたるところに見られ、いろいろ考察したくなります。ちょっと『ワンピース』っぽいかも。


主要人物 ※ネタバレあり


第一世代
◯ホセ・アルカディオ・ブエンディア
マコンド村の創設者・初代村長であり、ブエンディア家の第一世代。好奇心が強く、興味を持ったものにはとことん熱中する。妻のウルスラも手がつけられないほど。ときどき、夢遊病者みたいにぶつぶつと独り言を呟く時期がある。
もともとはインディオ(南アメリカの先住民らしい)の集落に暮らしていたが、とある喧嘩で友人のプルデンシオ・アギラルを殺してしまい、夫婦の家にアギラルの亡霊が出るようになったので、集落を出て山を越え、新天地を目指した。(たぶん)本当は海のある場所を探していたのだけれど見つからず、きれいな川の流れる地帯に辿り着き、そこにテントを張って生活していたけれど、気づいたらそこに定住していた。その場所はマコンド村と名づけられた。
マコンドにやって来るジプシー(移動型民族)のメルキアデスが持ち込む錬金術や占星術の知識に熱中して、だんだん人とまともに会話できなくなっていき、最終的に手がつけられなくなったので、屋敷の栗の木にくくりつけられ、そこで亡くなる。亡くなった日になぜか、マコンドの町中に黄色い花が降り注いだ。

◯ウルスラ・イグアラン
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの妻。彼のいとこでもある。血縁が近く、一族の間では、近親婚によって豚のしっぽの生えた子どもが生まれた例もあったので、親族に結婚を反対されるが、なんだかんだで結局、結婚する。ホセ・アルカディオ、アウレリャノという名の二人の息子、アマランタという名の娘を授かる。
人情に厚く、責任感があり、計画的で、家族に対する愛が強い。それゆえに、特に一族の女性には厳しい側面がある。
一時期、飴細工でめっちゃ儲けていた。
百歳を越えて、目が見えなくなってからもテキパキ働き、ブエンディア家の第七世代まで見届けて、胎児みたいに小さくなって亡くなる。たぶん、作中で一番まともかつ長生きした人。

◯メルキアデス
マコンドに最初の数ページから登場した人物。世界中を旅するジプシーで、町中の鉄を集められる磁石棒とか、ヨーロッパの天文学者が使っているレンズとかをマコンドに売りに来る。ホセ・アルカディオ・ブエンディアとめっちゃ仲良くなる。
ある時、シンガポールで熱病にかかって亡くなる。
死んだはずなのに、ブエンディア家がピンチの時に老人の姿で助けに来る。死の世界から免れて復活したらしい。それがきっかけでブエンディア家に住むようになり、ホセ・アルカディオ・ブエンディアが錬金術をやっている部屋の近くで変な書物をずっと書いて、老衰でもう一回死ぬ。以降も亡霊になって登場する。
この物語の最重要人物。

第二世代
◯ホセ・アルカディオ
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの息子。この人の下の世代がブエンディア家の家系を受け継いでいく。
めっちゃ女好き。レベーカと略奪婚する。
他殺か自殺かわからない変な死に方をする。

◯アウレリャノ(大佐って呼ばれてる人)
冒頭に登場した人。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの息子。
後々、自由党と保守党との政治紛争で活躍するので、大佐って書かれている。
戦争で活躍して、それ以降は暗い余生を送って亡くなった。

◯アマランタ
ホセ・アルカディオ・ブエンディアの娘。
真っ黒な恨みっぽい心と真っ白な優しい心を同時に持ち合わせている。
結婚に対する不安がすごいある。

◯レベーカ
急にブエンディア家に来た孤児(?)。
ウルスラによって実の娘のように育てられる。
ホセ・アルカディオと出会ってからめちゃくちゃ性欲が強くなった。

◯ピエトロ・クレスピ
自動ピアノを組み立てにブエンディア家に来た職人。イタリア人。ダンスが上手い。
レベーカとアマランタに取り合いされるけど、結局どっちにもフラれて自殺する。

◯ピラル・テルネラ
マコンドでトランプ占いをやってる人。
誰とでも寝るって町中で蔑まれてる。
ホセ・アルカディオとアウレリャノの二人と寝て、それぞれの子どもを産む。

◯レメディオス
ホセ・アルカディオ・ブエンディアが敵とみなしているモコステの娘。アウレリャノと結婚するけど当時はまだ十歳くらいで、結婚式の直前に初潮が来たほど。
十四歳くらいで不遇の死を遂げた。

第三世代
◯アルカディオ
ホセ・アルカディオとピラル・テルネラの息子。本人は出自を知らずに母親のピラル・テルネラに手を出しかけた。彼女の計らいでサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダとの間に三人の子どもが産まれる。彼らが第四世代。
戦争中にマコンドを独裁して処刑された。

◯アウレリャノ・ホセ
アウレリャノとピラル・テルネラの間に生まれた息子。アマランタに手を出しかけた。
(たぶん、作者はアウレリャノ・ホセと法王見習いのホセ・アルカディオを間違えてる)

◯十七人のアウレリャノ
アウレリャノ大佐が戦争中に寝た国中の女性との間の息子。全員暗殺された。

第四世代
◯ホセ・アルカディオ・セクンド
アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの双子の息子。
マコンドに汽車が開通した頃にバナナ会社に入った。同社のストに参加して、政府による大量虐殺に巻き込まれたが、なんとか生還した。
双子で同時に死んだ。

◯アウレリャノ・セクンド
アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの双子の息子。
ペトラ・コテスと付き合っていて、彼女の不思議な力で大金持ちになる。毎日パーティ開いたりして散財している。
その美貌だけで結婚したフェルナンダ・デル=カルピオを正妻として迎え、三人の子どもが産まれた。彼らが第五世代。
結婚してからもペトラ・コテスと死ぬまで関係を続けた。
双子で同時に死んだ。

◯小町娘のレメディオス
アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの娘。めっちゃ美人で町中の男を不幸にした。
裸族。世間の常識が通用しない。
ベッドのシーツに乗って空へ飛んでいった。

◯ペトラ・コテス
くじ引きで生計を立ててた人。アウレリャノ・セクンドと家畜を育ててたらめちゃくちゃ繁殖した。基本的にアウレリャノ・セクンドは彼女のもとで暮らした。

◯フェルナンダ・デル=カルピオ
カトリックの偉い人がお父さん。その習慣を受け継いでブエンディア家の規律を守った。厳しくてめんどくさそうだけどちゃんと子どものことを考えてるっぽい。結婚したのに旦那に放蕩されてるかわいそうな人。
この世で一番美しいおばあさんになって亡くなった。

第五世代
◯ホセ・アルカディオ
アウレリャノ・セクンドとフェルナンダの息子。
神学生。誰もいなくなったブエンディア家の屋敷で第六世代のアウレリャノと仲良くなった。屋敷の浴槽に沈められて溺死した。

◯レナータ・レメディオス(メメ)
アウレリャノ・セクンドとフェルナンダの娘。
グラビコードの奏者。マウリシオ・バビロニアと密会していて、第六世代のアウレリャノを授かった。マウリシオが自分のせいで銃に打たれて以来、一言も言葉を発さないまま亡くなった。

◯マウリシオ・バビロニア
たぶん自動車整備工。彼の周りにはいつも黄色い蛾が飛び交っている。
メメに会おうとしたら銃に打たれて、一生ベッドから起き上がれなかった。

◯アマランタ・ウルスラ
アウレリャノ・セクンドとフェルナンダの娘。フランスのブリュッセルに留学し、ガストンという名の夫を連れて帰ってきた。
第六世代のアウレリャノと、それとは知らずに近親婚し、豚のしっぽの生えた子どもを産んですぐに亡くなった。

◯ガストン
アマランタ・ウルスラの夫。
ベルギー出身。マコンドに飛行機輸送の技術を持ち込もうとして失敗し、マコンドを去る。

第六世代
◯アウレリャノ・バビロニア
メメとマウリシオ・バビロニアの息子。
家族の威厳を守ろうとするフェルナンダによって、ブエンディア家の血筋ではないと家族に伝えられていた。
メルキアデスの書いた書物を解読する。
叔母にあたるアマランタ・ウルスラと半ば強引に結婚したが、後々、お互いに心の底から愛し合い、ブエンディア家の百年の歴史の中で初めて、愛のもとに産まれた子どもを授かったが、近親婚の呪いによってブエンディア一族は滅んだ。

第七世代
◯アウレリャノ(豚のしっぽ)
アマランタ・ウルスラとアウレリャノの間に生まれた子ども。
豚のしっぽを持った奇形児で、蟻に連れて行かれて亡くなった。



話の流れ ※ネタバレあり

めっちゃくちゃざっくり言うとこんな感じ。
細かく言うとむしろわかりづらいのでかいつまんで書きました。うろ覚えなので間違ってる部分も多いかも。

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラが結婚する。

ホセ・アルカディオとアウレリャノが生まれる。

メルキアデスっていう人がホセ・アルカディオ・ブエンディアに学問を教えてくれる。

ホセ・アルカディオ・ブエンディアが錬金術を学ぶ。しばらくして、メルキアデスの訃報を受ける。

アマランタが生まれる。

ホセ・アルカディオとピラル・テルネラという娼婦(?)との間に子どもができる。

ホセ・アルカディオがジプシーの娘と村を出て、消息を断つ。

ウルスラがホセ・アルカディオを追って数ヶ月、家を留守にする。

ピラル・テルネラが産んだ子どもはアルカディオと名づけられ、ブエンディア家で育てられる。

レベーカという謎の孤児が家に来る。

レベーカが持ってきたっぽい不眠症で忘れっぽくなる疫病がマコンドで流行する。

生き返ったメルキアデスが不眠症を治す。彼はブエンディア家に居候して、よくわかんない文章を書いて死ぬ。

若い頃のアウレリャノ大佐が錬金術の部屋で金細工を覚える。金の魚のアクセサリーとかつくる。

ドン・ポリナル・モコステっていう人が州から派遣されて、急に町長の座につく。ホセ・アルカディオ・ブエンディアがブチ切れて怒鳴り込みに行く。

モコステの娘にアウレリャノが惚れる。彼女の名前はレメディオス。当時たぶん十歳くらい。

アウレリャノ、恋わずらいでピラル・テルネラに相談しに行き、そこで彼女と寝る。ピラル・テルネラの粋な計らいでレメディオスとの縁談が進む。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアはモコステが嫌いだから結婚を反対するけど、なんだかんだでみんな納得して、二人は結婚する。

ちょうど同じタイミングで自動ピアノが屋敷に持ち込まれて、ピアノを組み立てるイタリアの職人、ピエトロ・クレスピが来る。レベーカが彼に惚れて、アマランタも彼を好きになったから、仲違いになる。
結局レベーカとピエトロ・クレスピが結婚することになって、アウレリャノと同じ日に結婚式することになったけど、手違いがあって延期になる。

ホセ・アルカディオ・ブエンディアが発狂して栗の木にくくられる。これ以降彼はずっと栗の木の下で生活する。

アウレリャノとピラル・テルネラの間に子どもが生まれて、アウレリャノ・ホセって呼ばれる。

レメディオスが双子をお腹に宿したまま亡くなる。レベーカとピエトロ・クレスピの結婚がまた延期になる。

行方不明だったホセ・アルカディオが帰ってくる。ピエトロ・クレスピの優柔不断さにイライラしてたレベーカがホセ・アルカディオと駆け落ちして、マコンドの墓場近くに二人で暮らす。

町長を決める選挙が始まる。
ここで保守党のやり方に違和感を覚えたアウレリャノ(大佐)が動き出す。

戦争が始まる。(戦争はめっちゃ長いのでちょっと割愛します)

戦争中にアマランタとピエトロ・クレスピがくっつくけど、結婚とかに対して不安(?)みたいなものをもってるアマランタはクレスピの求婚を断る。
二度も失恋したピエトロ・クレスピは自殺する。罪悪感からアマランタはわざと手をやけどして、一生黒い包帯を巻いて生活する。

ホセ・アルカディオとピラル・テルネラの息子、アルカディオがマコンドの政治を任されるけど、厳しい政治体制で批判され、マコンドの墓場の、レベーカたちの家の前で処刑されて亡くなる。

冒頭のアウレリャノ大佐が銃殺刑に遭いそうになっているシーン。またレベーカたちの家の前で処刑しようとしてて、ホセ・アルカディオが割って入って一命を取り留める。

生前にアウレリャノが結婚(?)したサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダがホセ・アルカディオ・セクンドとアウレリャノ・セクンド(双子)、そして小町娘のレメディオス(アウレリャノ大佐の妻からとった名前)を産み、ブエンディア家に暮らす。

レベーカとホセ・アルカディオが戦争の頃の暴君、アルカディオの家に引っ越す。ホセ・アルカディオが銃を撃って死ぬ。彼の血が通りを流れ、屋敷に住むウルスラの足下まで来る。

アウレリャノ大佐の戦友でもあるヘリネルド・マルケスがアマランタに求婚するが、彼女はまた断る。

ウルスラの夫でマコンドの創始者、ホセ・アルカディオ・ブエンディアが亡くなる。マコンドに空から黄色い花が降り注ぐ。

ブエンディア大佐とピラル・テルネラの息子、アウレリャノ・ホセがアマランタと近親相姦しそうになる。後々彼は暗殺される。

なんだかんだで長い間戦争していたアウレリャノ大佐たちの自由党が敗北。ネールランディア協定っていうのに署名してから大佐は死のうとするけど、失敗する。
それ以降、アウレリャノ大佐は全ての事柄に無関心になる。昔のように金細工で魚のアクセサリーを作っては溶かし、また作っては溶かし、を繰り返す。

青年になったホセ・アルカディオ・セクンドとアウレリャノ・セクンド。くじを売って生計を立てるペトラ・コテスに出会い、双子なのをいいことに二人交代で同じ女性と寝る。次第にアウレリャノ・セクンドだけが寝るようになる。
彼女の不思議な力によってアウレリャノ・セクンドは家畜が湯水のように繁殖し、大金持ちになる。

街でカーニバルが催される。めっちゃ美人になった小町娘のレメディオスも参加することになる。カーニバルで女王役を演じていた(?)フェルナンダ・デル=カルピオにアウレリャノ・セクンドが惚れ込み、わざわざ彼女の住む街まで探し歩き、結婚を申し込む。

アウレリャノ・セクンドとフェルナンダの間に長女が産まれる。レナータ・レメディオスと名づけられ、メメという愛称で呼ばれる。

アウレリャノ大佐の戦中に現地の女性たちとの間に生まれた十七人の息子たちがマコンドに来る。彼らの一部がマコンドに残って店を開く。

十七人の息子の一人が偶然、ボロボロの家の中でレベーカを目撃する。レベーカは夫が死んで以降、ずっと家に閉じこもっていた。

汽車がマコンドにも開通する。

汽車に乗って学者(?)のミスター・ハーバートがマコンドに来る。彼の仲間も来て、マコンドに生えたバナナを量産する会者をつくる。

汽車に乗って来る人々が集まるための食堂をブエンディア家の屋敷に開く。当時、カトリックの家で育ったフェルナンダが屋敷の実権を握って、厳粛な生活を送っていたが、食堂がガチャガチャして手がつけられない。

その美貌で多くの男性を不幸にしてきた小町娘のレメディオスが、ベッドのシーツに乗って昇天する(本当に空の上に飛んでいく)。これ以降、小町娘のレメディオスは物語には登場しない。

ウルスラが白内障で目が見えなくなる。どんな事件が起きても家を守ろうと懸命に動き回っていたウルスラ(戦争中もめっちゃ活動してましたが、本稿では割愛しました)。匂い等を頼りに、目が見えなくても問題なく活動する。

フェルナンダとアウレリャノ・セクンドの息子、ホセ・アルカディオが神学校に進み、娘のメメがグラビコード(ピアノの原型みたいなやつ)の学校に進学する。

アマランタが経かたびら(死ぬ時に着る服)を編み始める。

メメが学校の友達を六十八人も連れて屋敷に帰ってくる。フェルナンダが采配を振っていた家の中が大混乱になる。

アウレリャノ大佐が亡くなる。

メメがグラビコードの学校を卒業し、帰ってくる。

死神の登場。死神はアマランタの死期を前々から告げていて、アマランタが経かたびらを織っていたのは死神の指示によるものだったと判明する。
亡くなる当日、アマランタは街の人に死者へ送る手紙を持ってきたらあの世で死者たちに渡すと言い広め、夕方ごろには大量の手紙が屋敷に集まる。彼女は自分の棺桶に入り、そのまま亡くなる。

メメがマウリシオ・バビロニアという青年と出会い、ピラル・テルネラの草案で寝室を共にする。二人の関係に気づいたフェルナンダがメメを修道院(?)に送り込む。マウリシオは銃に打たれてベッドから起き上がれないまま、一生を終える。

メメの子どもが屋敷に届けられる。修道院の尼僧によって、アウレリャノ・バビロニアと名づけられていた。彼はアウレリャノ大佐の仕事場だった場所で密かに育てられた。

マコンドのババナ会社でデモが起きる。扇動していたのはホセ・アルカディオ・セクンド。デモに参加した人々は政府によってマコンドの広場で大量に虐殺され、遺体を汽車に乗せて海まで運ばれた。その中にホセ・アルカディオ・セクンドもいたが、なんとか一命を取り留め、死体で埋まった汽車から抜け出した。
街に戻ってこの話をしても、誰一人、その事実を知らない、または否定した。

ホセ・アルカディオ・セクンドを探して将校が屋敷に来るが、なぜかホセ・アルカディオ・セクンド本人を目の前にしてもその存在に気づかず、屋敷を出ていく。

四年にもわたる雨が降り始める。
幼いアマランタ・ウルスラとアウレリャノ・バビロニアが年老いて動けなくなったウルスラをおもちゃのように扱う。

アウレリャノ・セクンドは妻がいるにもかかわらずペトラ・コテスの家で暮らしていたが、雨が降り続いているのでブエンディア家にしばらく留まる。
ある日、フェルナンダに愚痴を言われ続け、癇癪を起こした彼は家中のものを壊す。

雨が止み、今度は干魃が十年続く。

ウルスラが胎児のように小さくなって亡くなる。「近親婚が起きないように」と祈りながら命を引きとる。

レベーカも亡くなる。

アウレリャノ・バビロニアとホセ・アルカディオ・セクンドが仲良くなる。
アウレリャノ・バビロニアがメルキアデスの書いた書物を解読しようと思い立つ。

アマランタ・ウルスラがブリュッセルに留学する。

ホセ・アルカディオ・セクンドとアウレリャノ・セクンドの双子が同時に亡くなる。

メルキアデスの書物を解読しようとするアウレリャノのもとにメルキアデスの亡霊が現れ、解読のヒントを与える。

サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダが屋敷を出る。屋敷にはアウレリャノとフェルナンダだけが残る。

フェルナンダが亡くなる。屋敷にはアウレリャノ一人になる。

神学校に通っていた(これは嘘だった)ホセ・アルカディオが屋敷に帰ってくる。
最初は仲違いしていたホセ・アルカディオとアウレリャノだが、会話を続けるうち、お互いに孤独を埋め合う存在になる。
あることがきっかけで、ホセ・アルカディオは屋敷の浴室で溺死体として発見される。ホセ・アルカディオの遺体を見たアウレリャノは、自分が彼を家族として深く愛していたことに気づく。

ブリュッセルに留学していたアマランタ・ウルスラが夫を連れて帰ってくる。二人が夜に喘ぎ声を出したりするので、アウレリャノはアマランタ・ウルスラに恋心を抱いてしまう。

時を同じくして、アウレリャノはメルキアデスの書物の解読を急いでいた。ただ、翻訳はできても、書物に記された内容がよく分からずにいた。

ある日、アウレリャノはアマランタ・ウルスラに恋心を打ち明けた。拒絶したアマランタ・ウルスラだが、結局、数日後に彼に襲われて、寝ることになる。

アマランタ・ウルスラの夫は仕事の用事で家を出て行った。アマランタ・ウルスラは彼に、アウレリャノと関係があること、別れてほしいことを手紙で伝える。夫はあっさりと別れる。

アマランタ・ウルスラとアウレリャノは心の底から愛し合っていた。彼らの間に子どもが生まれた。その子には豚のしっぽがあり、いわゆる奇形児だった。出産後の体力消耗から、しばらくしてアマランタ・ウルスラは亡くなった。

ショックから、途方もなくマコンドの街をさまよっていたアウレリャノは、家に帰ると、子どもの姿がないことに気づく。椅子に腰掛け、庭に目をやると、豚のしっぽを生やした子どもの死体が、蟻の大群に運ばれているのが見えた。
ブエンディア家の百年の歴史の中で初めて、本当に愛し合った二人の間に生まれた子どもだった。
その光景を見た時、アウレリャノはメルキアデスの書物に書かれていた言葉の意味を知った。
「この一族の最初の者は樹につながれ、最後の者は蟻のむさぼるところになる」。
アウレリャノは急いでメルキアデスの書物を開いた。そこに書いてあった文章は、ブエンディア一族の百年の歴史を予言するものだったのだ。
予言によって自らの死を悟ったアウレリャノは、マコンドをなぎ倒す強烈な風に巻き込まれ、なすすべもなく、マコンドと共に滅んだ。

要するに、『百年の孤独』という小説自体がメルキアデスの書物だった、と筆者は解釈しています。
だいぶはしょって書いたのですが、ものすごく長い内容ですね笑


感想

とにかく長くて難解な作品でしたが、構成が綿密に練られていて、『進撃の巨人』とか『ワンピース』を読んでいるような気分になりました笑
細かい描写も妙に上手くて、庭に咲く花だとか、昇天したレメディオスだとか、ホセ・アルカディオ・ブエンディアが死んだ日に降った黄色い花だとか、それぞれ作者なりの美しい描き方がなされていました。
歴史に残る超大作です。
皆さん是非文庫版を買ってみてください!

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