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#1 漢方茶は日本の伝統を生かした、あたらしい薬草茶

取材のお話をいただいたり、お茶のブレンドのお話をいただくことなどが少しずつ増えてきたのですが、今のところ、大体お断りしてしまっています。漢方茶のことをよく知らないうちから頼まれることが多く、上手に伝えられないわたしは、言葉にできないモヤモヤでお断りしてしまうことが多かったと思います。

それは単にお茶が売れてほしいとかそういう目的で漢方茶をつくっているわけではないからです。

目指している〈こころとからだが健やかで、自分のスピリットを感じて生きられる〉というヴィジョンやそのためにからだを調えること、それに漢方やお茶がとても有効だから漢方茶をつくっています。


でもこれは自分が今まで上手に伝えてこなかったということだとわかり、少しずつブログで漢方茶や漢方の世界、食養生やスピリチュアル、そしてエメラルドが目指す世界を綴っていこうと思います。


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漢方茶というものは、まだあまり世間に知られていません。

漢方茶と聞いて「漢方薬」と結びつけるひと、ただの「お茶」と結びつけるひと、とりあえず「ハーブティー」と受け取るかたなど様々です。

それは「漢方」の世界があまり日本で知られていないことと同義かもしれません。

「漢方茶」という名称とお茶自体は、わたしの先生である奈良県の漢方薬局花凛堂の崎山先生が作られたものです。

漢方茶は、①ベースにほうじ茶や緑茶などのお茶を使いながら、②漢方の診断に基づいて体質や効能別に、③食品扱いである生薬と日本の伝統薬草をブレンドした ④毎日続けられる美味しい薬草茶・健康茶、和漢のハーブティーです。

この①〜④が特徴です。薬草茶やハーブティーというと薬草の香りが強く飲みにくいものが多いのですが、ベースのお茶があり、ブレンドされることによって、飲みやすく作られています。

なぜ飲みやすくなければいけないかというと、漢方茶はお薬ではなく「健康茶」です。

すぐに強い効き目を期待できません。

でもその代わりに毎日長く続けていただくことで、体に急激に負担をかけることなく、優しく体質改善を促します。

どれくらい続けるかは、その人の体調により、様々ですが、漢方茶を飲むことを忘れるようなら、もうその症状を気にするほどでなくなっている、、ということ。そんなタイミングでやめてもいいのではないかとわたしは考えています。

emeraldでは特にカウンセリングでお作りするオリジナルブレンドでは効能を最優先しますのでなかなかかないませんが、季節のブレンドなどのレディメイドのブレンドは、「飲みやすい」だけでなく「美味しい」、そして「香りの変化など楽しい発見がある」ようにお作りしています。

季節のブレンドに関しては、また次回に書こうと思います。

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世の中で知られている「漢方×お茶」は、中華料理屋さんや数少ない薬膳料理店で出される「薬膳茶」ではないでしょうか。

薬膳茶は、薬膳を専門的に勉強した人が作る生薬を使ったお茶で、日本人には慣れない食材が多く、「気軽に飲むお茶」ではありません(とわたしは感じています)。

あるいは八宝茶(美容に良い生薬を中心に入れたお茶)くらいは、中国茶カフェなどでも手軽に飲めるかもしれませんが、日常的にコーヒーの代わりに飲むくらいたくさん、出会う回数は少ないと思います。


また、「ハーブ」ということならば、西洋のハーブティーは、これはいくらか一般的となり、種類を豊富に揃えるお店もあります。例えば、生活の木さんとかenherbさんとか・・・。

これは好みによりますが、わたし自身はやはりハーブのみでブレンドされているために、香りが好みではなかったり、西洋のものなので少し味が馴染まないような気がしていました。

素敵だし効能は欲しいのですが、結局長続きしないというのが西洋のハーブティーの正直な感想です。

もう一つ、日本の薬草というのは、これは「和ハーブ」などと今は呼ばれているらしいですが、まだあまり知られていません。

地域で伝統的にお年寄りを中心に飲まれてきたり、自然食品店などに行くと、結構見ることができます。

桑の葉茶や柿の葉茶、枇杷の葉、刀豆茶などなど・・・。

これらが特徴的なのは、ブレンドをしないシングルオリジンのものがほとんどと思います。

地味深い薬草らしい味がして、優しいのですが、ブレンドをしないとやはり一つの香りが前に出るので、どうしても「良薬口に苦し」のような味わいになるものもあります。

慣れれば美味しいですけど、飲んだ瞬間、「美味しい!また飲みたい!」とは行かないような気がします。


どうしても比較するので、他のお茶に対して、多少批判的になってしまいますが・・・、「漢方茶」は、ブレンドすることで効能も数種類かけ合わせて、味わいも美味しく深みを出します。

わたしがemeraldの漢方茶づくりで一番大事にしていることですが、生薬と薬草の個性を十分に感じて、それぞれの良さをブレンドすることで引き立つようにつくっています。

一つでは強かったり、苦かったりする薬草も、必要な役割があり、それがないと深みが出なかったり、甘さを引き立てなかったり、また「わあ!」と驚くような香りや味わいにならなかったり、縁の下の力持ちのような働きをしてくれる薬草もいます。

生薬や、今まで若い世代にはあまり知られてこなかった「日本の伝統薬草」を紹介する意味合いもあります。

また、ベースに日本人が親しんだお茶を使っているので、「飲みにくい」と言ったことはまずないと思います。

懐かしい、ほっとする味わいなのに、新しく、美味しく、健康のためにも長く続けられる新しくて伝統の知恵がいきた薬草茶、それがemeraldのお届けする「漢方茶」なのです。

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