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【ChicagoMarathon】Wheelchair REPORT①レース前日編

車いすアスリートが走るマラソンを見たことがありますか?
最近では、東京マラソンでその走りを目にしたことがある方も多いと思います。
私自身もマラソン観戦が大好きで、ここ10年ほど、国内外しばしば大会観戦に足を運んでいますが、車いすマラソンについては、正直何も知りませんでした。(東京マラソン大会要項に"車いすマラソン"と表記されているため、以下そのように表記します)

今回ワールドマラソンメジャーズ(以下WMM)の1つである「Chicago Marathon」に出場された、
洞ノ上 浩太選手・渡辺 勝選手(共にTEAM BLUETAG 2ARM DRIVE所属)
のサポートに帯同をさせていただき、車いすマラソンアスリートの方々がWMMで戦う姿を現地で体感させていただきました。

レース前日の朝、日本人選手、それから海外選手数名と朝練習。
宿泊先ホテルから"レーサー"と呼ばれる競技用車いすでGrant Parkへ。
ホテル前では、"International Chicago 5K"という前日の5kmレースが行われていました。シカゴの目抜き通りとも言えるミシガン・アベニューを走れる前日イベント。前日からお祭り感が半端なかったです。

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Grant ParkはレースのFINISHであり、水族館・自然史博物館などを含んだ大きな公園になっていて、その一帯はランナー・自転車が走れるコースが整備されていているため、車いすランナーも走ることができます。
この前日練習で驚いた点が2つ。

・エリートアスリートが、国を越えて、前日に一緒に練習をすること
・車いすアスリートと健常者ランナーが同じコースを走ることができる公園があること(しかも街の中心部…!)

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日本にはそこまで大きな公園がないせいか、なかな見ることのできない景色だったと思います。

朝練習の後は、エリートアスリート受付・エリート車いすアスリートテクニカルミーティング(Elite wheelchair athlete technical meeting)が行われました。テクニカルミーティングではレース当日のタイムライン・スタートの整列位置説明・注意点説明などが行われました。ミーティング会場に入るためには階段があり、車いすアスリート用に仮設スロープが設置されていました。

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また、コースの下見も行いました。
車でコースを回り、主に路面の状況を確認されていました。
車いすマラソンの場合、路面が凸凹しているともろにその衝撃を受けてしまうので、凸凹がある箇所を事前に確認しておくそうです。
またアップダウンやカーブがある箇所も勝負ポイントになるため、念入りに確認されていました。

レース前日・前々日に行われる"The Abbott Health & Fitness Expo "では
レーサーの体験ができました。
車いすマラソンで使用するレーサーは"グローブ"と呼ばれる専用の器具を手にはめて、車いすの車輪を回します。
樹脂で造られているグローブは選手それぞれの手にあったものをカスタマイズで製作し使用しているそうです。

写真をよく見ていただくと分かるのですが、レーサーには正座をして座っているのです・・・!(恥ずかしながら知りませんでした)
選手用の物はそれぞれにフィットするように設計されており、座るためには、正座の姿勢でお尻をグイグイと押し込むようなイメージで、身体を入れ込みます。未体験者にとっては座ることだけでも大変でした。
グローブで車輪を回すには、とにかく腕の力が必要で、なかなか上手にできません。前傾姿勢をキープしないと車輪を回す動作ができないため、腹筋・背筋など上半身全ての筋肉をフル稼働。
選手はこれをトップスピードで約1時間半、続けることになります。
(車いすマラソンの世界記録は1時間20分14秒(1999年ハインツ・フライ/大分国際)。平均時速31.7km)

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私にレーサーの乗り方を教えてくれたのは、イリノイ大学でヘッドコーチを務めているAdam Bleakneyさん。
パラリンピックに4度出場、アテネ大会銀メダリストから教わることができるシカゴマラソンexpo、なんて凄いんだ。

Adamさんプロフィールは下記。(TEAM USA内)
https://www.teamusa.org/para-track-and-field/athletes/Adam-Bleakney

次回はレース当日をレポートします。



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