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シチリアの夏限定パスタ

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

今ではすっかり定着しているズッキーニ、30年前は日本ではほとんどその存在は知られていませんでした。 当時航空会社で働いていた私は、ヨーロッパ便が入るとせっせと購入し、日本に持ち込んでいました。 あっ、勿論ちゃんと申告して検疫を通していましたよ。 母も仕事で世界中を飛び回っていた人で、大のズッキーニ好き。 母の為に買っていました。

そして徐々に日本でも手に入るようになりましたが、結構高価だったと記憶しています。 いつからだったのでしょうね、普通にスーパーで買えるようになったのは。 私は既にイタリアで住み始めていたと思います。

そんな慣れ親しんだズッキーニ、色々と種類があります。 こんなのはご存知でしょうか?

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これは結構大きくて、30cmくらいあります。 もう少し小振りの方が美味しいんですけど。 これは「ナポリのズッキーニ」と呼ばれていて、通常のとは全くの別物です。 薄く皮を剥いて、パスタにします。 パスタ以外には使わないようですよ、少なくともシチリアでは。

薄切りにして、ニンニクと一緒に揚げてパスタと和える、オイル系のパスタ。 今回は油の割にズッキーニが多過ぎて、しかも太い分水分過多で、何と無くグチャグチャした仕上がりになってしまいました。

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本当はもっと端っこがチリチリする感じの方が良いのですが、ねっとりタイプになってしまいました。 

そしてミントかパセリのみじん切りを加えます、今回はパセリ。 更にリコッタ・サラータをたっぷりと、これはお決まりです。

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この量だと相方に「少ないね」と言われてしまう。 イタリアではオイル系のパスタにあまりチーズを使わないので、ちょっと変わっているかも。  どうしてこれには必ずリコッタ・サラータをかけるのか、その辺の事情は全く不明です。 

少し甘みがあるのが特徴かしら? 実はフィレンツェ時代は知らなかった野菜で、シチリアへ来て始めて目にしました。 へー、こんな物があるのか。

最近ナポリ近辺に住んでいる友人達に聞いたところ、このズッキーニは見たことがないと言われました。 「ナポリのズッキーニ」というネーミングなのに? イタリア語で zucchina napoletana と検索すると、ちゃんとこれが出てくるのですけど、不思議。

北イタリアには勿論存在しないようですし、実はシチリアだけなのかしら?そしてこれは夏限定、正に今が旬です。 さっぱりしているように見えますが、こういうオイル系のパスタは意外とカロリー高いので要注意。 オリーブオイルはコレステロールを下げる効果があると科学的に証明されているようですが、カロリーは他の油と同じ、バターよりも多いらしいです。

このパスタ、残念ながらレストランではメニューに載りません。 地元密着〜のようなトラットリアなら出会える可能性もあります。 シチリアもだんだんと季節感がなくなって、トマトやナス、パプリカなどの夏野菜も一年中手に入りますが、このズッキーニは夏季限定。 季節感じる食べ物は嬉しいですね。

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