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マングローブ、注目して欲しい けなげな海辺の森

 マングローブ ― 熱帯および
亜熱帯地域の河口、淡水と海水が
混ざり合う湿地帯に育つ高木や
低木の総称。海辺の常緑の雑木林
という感じかな?
 バリ島では、空港周辺のマングローブが
有名で、分かっている人は、
ホテルに向かう海上高速道路の車の中から
「あ、マングローブ‼」と感銘深げに
声を上げる。
 遠くから見ると普通の木の集まりだが、
実は「アバター」の世界にも劣らない、
とてもユニークな姿をしている。
例えば、泥の中から上に伸びている
呼吸根。泥の中には酸素がないからだ。
塩分を排出する仕組みを備えたもの
もある。これらは何世代もかけて、
植物にとっては非常に厳しい環境で、
踏ん張って命をつないできたことの証だ。
そのせいか成長は1年で1センチと
遅く、4,50年で一生を終えるという。
 こんなにしぶとい彼らだが、埋め立て
による水質や海流の変化のせいで
少しずつ減っているらしい。
気の遠くなるような時間を経てやっと
今の形に辿り着いた森が人間のほんの
数10年の活動のせいで姿を消しつつある。
 バリ島の玄関口でそのけなげな姿を
見せることで、マングローブは世界中の
観光客を優しく迎えてきた。今度バリに
来たら、どうか、そんな彼らに注目して
ください。感動が一つ増えるはずです。

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