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進路指導に必要な想像力とは

今、プライベートレッスンで、中3の子を教えている。
親御さんにお願いされているのは、成績アップや受験の成功、というより、理由のしっかりした進学をさせてほしい、ということ。

というのも、今までそんなことは全く考えもしなかった進路先(しかも隣の市の学校)を、唐突に子どもが出してきたから、なのだそう。
私も本人にも確認したが、それがどこまで本気なのか、測りかねるところがある。ただ私は普通科に進学するくらいなら、何か特色のある学校や学科に行くのは推奨派なので、そう問題にも思えず、ちょっとそのことは放置してレッスンをすすめていた。
それで今日、先生と2者間での懇談会の話を聞いて、あれれ?と思ったので、話したことの忘備録を書く。

先生との会話はこんな感じ。
生徒「自分の市の学校にしようと思う」
先生「隣の市の学校じゃなくていいの?」
生徒「今家庭教師の先生と勉強してるから、受けれる感じになったら、受けようかな」
先生「お前の行きたい気持ちはそんなもんか!」
その後、くどくど色々言われたんだそう。その先生の気持ち、とってもわかるけどね。笑

じゃあ別にどっちでもいいの?って聞いたら、「とりあえず自分の市の方を受けるけど、頑張ってそっちも行けそうだったら後で変える」とのこと。
変える暇ないけどな?と理解できなかったけど、論点を変えてみることに。

「そこってどうやって通学する予定なの?」
「親は自転車で行けって言ってるけど」
「え!隣の市まで!?」
「いや、駅まで電車で、最寄りに降りたら、そこにも自転車置いといてって感じ」
「えーそれってどのくらいかかるの?」
「いや、わかんない。」

そっかそっか、やっぱり高校生活の想像ができてないんだなーと思い、少し話すことに。
「それさー、一回やってみた方がいいよ。何時に起きて、用意して、通学にどれくらいかかってって。そんで1週間くらい続けてみた方がいい。そしたら多分、あれ自分この生活向いてないなーってなるかもしんないし、意外にできるやんってなるかもしれない。ちょっとしんどいけど、でもこの学校通えるなら、これも苦じゃないって思えるかもしれない。そういうの小さいことって思うかもしれないけど、毎日のことだから、結構くるよ。4月ってさ、色々しんどいじゃん。新しいこと始まるし、覚えることばっかだし、そんな時にその生活がはじまって、続けられるのかな?続かなくて、退学とかなったら、わざわざ頑張ってそこ行く意味なくない?もし自分の市の学校行ったらさ、通学時間すごい短いじゃん?そしたらさ、学校で自分の好きなことできないかもしれないけど、家に帰ってとか通学時間短い分時間できて、好きなことやれるかもしれないよね。そういうの全部天秤にかけて、選ぶといんじゃないかな。体験して、考えて、選んだ進路だったらさ、すごい説得力あるし、先生絶対応援してくれると思うよ。」

これがどれだけ響いたかは正直わからない。とても素直でいい子だが、ここまでやってくれるかなーという気持ちもある。
でも進路を考える全ての学生さんは、こういう想像力で考えてほしいなと思う。新しい日常生活は思っているよりずっと負担が大きい。4月につまづくのは学生さんだけじゃなくて、社会人も同じこと。で、想像だけじゃなくて、やってみることも大事。できるかできないかは体に聞くのが早いから。

学校は何も内容だけで選ぶべきじゃない。学校は学校、課外活動は課外活動、というのが合う人もいるから、通学時間が短い、は立派な決め手になる。確か将棋の藤井くんもそんな理由で進学してた。課外活動を充実させたいなら、当然の選択だ。制服が可愛い、も立派な決め手。可愛いもの着て気分が上がった状態で、学校に行けるなんて最高だ。

とりあえず来週会うのが楽しみ。どうなってるかな?
多分何もなってないと思うけど。笑 ちょっとだけ期待。

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