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そもそも不育症とは?妊娠・出産につなげるために大切だと思うこと。


不育症を一人でも多くの方に知ってもらえたらと思い、そもそも不育症とは?ということから触れたいと思います。

1.不育症とは

不育症とは、妊娠するものの2回以上の流産・死産を繰り返し、出産ができないことです。
(中期以降、1回の死産も不育症検査を推奨されています。)

一つの「病気」ではなく、いくつかの症状のいわゆる総称を『不育症』と言います。

妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産を繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。

習慣(あるいは反復)流産はほぼ同意語ですが、不育症はより広い意味で用いられています。

日本、アメリカ、ヨーロッパでは2回以上の流産・死産があれば不育症と診断し、原因を探索する事を推奨しています。また1人目が正常に分娩しても、2人目、3人目が続けて流産や死産になった際、続発性不育症として検査をし、治療を行なう場合があります。

引用:Fuiku Labo http://fuiku.jp/fuiku/


2.不育症の原因って?

不育症は血が固まりやすい(血栓ができやすい)ことから、お腹の赤ちゃんに栄養が届かず、流産・死産につながりやすいという症状が代表的ですが、実は様々な原因があります。

1.免疫学的異常
・抗リン脂質抗体などの自己抗体陽性(胎盤で血栓をつくり胎児の循環障害の原因になる。)
・同種免疫異常(父親の一部を含む胎児を異物とみなし排除しようとする。)
2.内分泌学的異常
・甲状腺機能異常
・黄体機能不全
・プロラクチン分泌異常
3.子宮形態異常
4.両親の染色体異常

引用:国立成育医療センター 不育診療科・免疫診療科基本情報https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/fuiku/ 
~リスク因子別頻度~
【抗リン脂質抗体陽性】・・・10.2%
【凝固因子異常として第XII因子欠乏症】・・・7.2%
【プロテインS欠乏症】・・・7.4%
【甲状腺の異常(機能亢進症もしくは機能低下症)】・・・6.8%
【子宮形態異常】・・・7.8%
【両親のどちらかの染色体異常】・・・4.6%
【検査をしても明らかな異常が判らない方】・・・65.3%

引用:Fuiku Labo  http://fuiku.jp/fuiku/

私は「検査をしても明らかな異常がわからない方・・・65.3%」原因不明の不育症でした。

この辺は今後の記録に書いてきたいと思います。


3.不育症でも妊娠・出産はできるの?

不育症になっても妊娠・出産はできるの?
これが不育症を抱える人の一番の悩みであり、願い、です。

「適切な治療をすれば80%の方が妊娠・出産できる」
と言われています。


ただし、そこには、流産・死産に伴う精神的負担がとても大きく、そして、高額な検査・治療費が必要です。

私も妊娠8カ月での死産~最後の出産までは100万円以上、10年間の不育症に伴う費用は算出してませんが、検査、胎児染色体検査、入院・手術費用など、かなりかかっています。
しかし、費用よりも、


また流産・死産してしまうのでは、という恐怖

人に話せない辛さ

孤独感、無力感、絶望感


といった様々な精神的負担・・・それがなにより辛く、過酷でした。
その精神的負担を抱えながら、高額な費用もかかるため、諦めてしまう方もいると思います。


私自身、何度も何度も諦めよう、辛すぎる、、、と沢山思いました。
でも、もう一度自分の赤ちゃんを抱っこしたい、ただその気持ちだけで過ごしてきた気がします。


原因不明だった私でも出産できました、だからみなさんも大丈夫。とは言えません。
しかも原因不明の場合は「これ」という「確定的な治療がない」のです。本当に手探りです。
そして、原因不明の場合、いきなり高度治療はできず、段階を追って色んな治療を試すしかありませんでした。


ひとりひとり、身体は異なります。


検査を受けることが怖い人もいると思います。
原因がわかる不育症であれば適切な治療があります。もし原因不明であっても、試せる治療があります。
妊娠・出産につなげるためにも、まずは自分の体を知ることが大切だと思います。


4.心のケアを受けることが何より大切


日本では昔から流死産はタブー視されている傾向
があると思います。
また、勇気を出して伝えても、心許ない言葉を言われ、傷つき、わかってもらえないこともあります。私自身も心許ない言葉で傷ついた経験があります。


人に話すことが怖くなる


だからこそ、「安心して気持ちを出せる場所」が必要なのだと実体験したので、その大切さをお伝えしたいです。

流産・死産、不育症等、自助サポート団体がたくさんあります。
私も本当に辛いとき、サポート団体のお話し会や専門のカウンセリング、SNS上での仲間など、たくさん助けてもらいました。

ただ、流死産した事実は変わらないです。
妊娠できたものの命を失う怖さ、悲しみ、不安、こういった気持ちをどう受け止め・向き合うか、それが不育症の一番の苦しさ・辛さなのではないかと思います。
そんな時「安心して気持ちを出せる場所」があるのは、本当に大きな支えでした。

不育症は「治療すれば治る」というわかりやすいものではありません。
目には見えない様々な要因も重なって、一言では言い表せないです。


医学的治療はもちろんですが、それだけではなく、心のケアも受けることで、「適切な治療をすれば80%の方が妊娠・出産できる」のだと思っています。


私が「最後の妊娠」と決めた3年前、不育症専門医の治療、出産する大学病院の先生・助産師さんのサポート(精神的ケア含)、話を聞いてくれた経験者の仲間、職場の理解、そして、何より家族のサポート、そういった全てのサポートが出産につなげてもらえたのだと、身をもって感じました。
本当にありがたいと思います。


もし、今、流死産で悩んでいる方がいましたら、どうか一人で抱えないでいてくださいね。


そして、流産等の経験がないけど、話を受けた人は、どんな反応をしたら良いか、悩む方もいると思います。


ただ、話を聞いてあげてください


寄り添ってあげてください


そこに「一つの命があった」ということをまずはありのまま、聞いてあげてください。


****Kao****

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