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「1年でも長い野球人生を歩むために」、名将・工藤公康が現役時代や監督時代に実践した「投手マニュアル」の決定版。『プロフェッショナル投手育成メソッド』より、「はじめに」を公開。

現役時代投手として通算224勝、監督として5度の日本一に導いた名将・工藤公康氏による最新刊『プロフェッショナル投手育成メソッド 一流投手へ導く“投球メカニズムとトレーニング”』(3月15日発売)。理論から具体的なトレーニング方法、投球術までわかりやすく解説された一冊となっている。
今回は本書より「はじめに」を紹介します。

【はじめに】

1年でも長い野球人生を歩むために、
時間をかけて反復練習を
学び続けることで必ず体は答えてくれる

「野球を続けてくれてありがとう!」
「 もっと上手くなろうとしてくれてありがとう!」
 この本を手に取っていただいた皆さんに、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいです。
 そんな皆さんに少しでも、野球が上手になるための一助となってくれることを願い、この本を書きました。
 この本に書いた私の思いは、「1年でも長く野球をしてもらいたい!」その一心です。
 そのためにはどんな考えが必要で、どんなトレーニングをするべきなのか。そのノウハウを『投手マニュアル』としてまとめ、監督時代にも現場で活用してきました。このマニュアルは、実際に現場の選手たちのために考えたものであり、技術向上・パフォーマンス向上に役立ててもらうことが目的でもあります。
 野球の基本とは何か?
 野球の技術とは何か?
 技術を身に付けるために、何が必要となり、何を学ばなければいけないのか。
 私なりに追い求め、試し、実践の中で得てきたことを書いています。
野球の理論や考え方はさまざまで、何を信じて、何を取り組めばいいのか、わからなくなる方もいらっしゃるでしょう。
 まずは、“ 知ること” から始めていただけたらと思っています。
 知ることで興味が湧き、実践しようと考え、その実践から、また次のヒントを得ることができます。難しく考える必要はないのです。

 投手というのは、投げることでしか身に付かない技術や感覚があります。
 その技術や感覚、プロとしての技というのも、反復練習でしか身に付かない。これは私が大切にしている考えであり、この本の中にも書かせていただいています。そのために、筋力や体力が必要になるのです。投手としての技術が向上し、コントロールや投球フォームの再現性を高めれば、皆さんが納得のいくような結果になると信じていますし、時間をかけて取り組み、学び続けることで必ず体は答えてくれます。最初は少しずつで構いません。回数を重ね、動きや意味を理解しながら行ってほしいと思います。

 ボールは投げませんが、シャドーピッチングも非常に大切な練習です。体をひとつひとつのパーツに分けて、下半身だけの動きの練習、体幹だけを意識した動きづくり、そして腕の使い方の練習を、鏡を見ながら行っていくことで、動きを身に付け、今度はその中の2つを意識して連動させる。下半身と体幹、体幹と腕の動き、その2つができたら、次は腕の使い方を含めた3つを意識しながらシャドーピッチングを行う。
 これを繰り返し反復することで、3つが連動できるようになり、“ 力”で投げることではなく、“ 楽をして遠くにボールを投げる” ことができるようになると思っています。
 うまくいかないときは、もう一度読み返してみてください。気が付かなかったことに気が付くかも知れません。
 今回この本の対象を、18 歳以上としたのは、強い負荷にも耐える体になってからという思いからです。まだ「骨端線」とも言われる成長軟骨が残っていたり、成長が止まっていない人はできれば、強い負荷のトレーニングは避けていただきたい。野球というスポーツは特に、肩やヒジに対して大きな負荷がかかります。成長期の骨に、過剰な負荷やストレスがかかってしまうことで、骨の変形をはじめとしたケガのリスクも上がってしまい、今後の野球人生にも影響を与えてしまう恐れもあります。自分の体、時期、タイミングなどを十分考慮したうえで、実践していただきたいと思います。
 
 18歳以上のプロ用として書いたマニュアルなので、中にはわからない言葉や筋肉の名前などもあるかもしれません。そういったときはぜひ、自分でも調べて学ぶようにしてください。
 その学びの中からも、きっとヒントがあり、「なるほど!」と思えるひらめきもあると考えています。
 そしてこの本は、すべてを網羅しているわけではありません。他の方法や考え方も当然あるでしょう。そんな中で、私が現役のときに考えていたことや実践してきたこと、監督のときに選手に伝えていたことを、できるだけわかりやすく解説したつもりです。
 読み終わった後、「よし今日からやってみよう!」と少しでもそんな気持ちになっていただけたら嬉しいです。

2023年2月 工藤公康

【本書の内容】


プロの現場で実際に活用
門外不出、名将の指導マニュアルが待望の書籍化!

理論から具体的なトレーニング方法、投球術までわかりやすく解説

「フォームの再現性」+「コントロール」
2つの技術習得こそ、プロの世界へ進み、 生き抜くための絶対条件

※本書は18歳以上が対象です。

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「1年でも長く野球を続ける」「プロで活躍して、結果を残す」

そのためにはどんな考えが必要で、どんなトレーニングをするべきなのか。そのノウハウを『投手マニュアル』としてまとめ、監督時代にも現場で活用してきました。このマニュアルは、実際に現場の選手たちのために考えたものであり、選手達の技術向上・パフォーマンス向上に役立ててもらうことが目的でもあります。

投手としての技術が向上し、コントロールや投球フォームの再現性を高めれば、皆さんにとって納得のいくような結果になると信じていますし、時間をかけて取り組み、学び続けることで必ず体は答えてくれます。

今回この本の対象を、18歳以上としたのは、強い負荷にも耐える体になってからという思いからです。まだ骨端線とも言われる成長軟骨が残っていたり、成長が止まっていない人はできれば、強い負荷のトレーニングは避けていただきたい。自分の体、時期、タイミングなどを十分考慮した上で、実践していただきたいと思います。
(著者より)

【目次】

第1章 投手に必要な3つの柱
第2章 ピッチングにおける運動連鎖
第3章 技術習得のためのトレーニングピラミッド
第4章 投手が走る意味はどこにあるのか?
第5章 オフシーズンとシーズン中のコンディショニング
第6章 試合で勝つための投球術
第7章 医科学をどのように生かすか

【プロフィール】

著者:工藤公康(くどう きみやす)
1963年愛知県生まれ。1982年名古屋電気高校(現・愛工大名電高校)を卒業後、西武ライオンズに入団。以降、福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズなどに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝く。通算224勝。正力松太郎賞を歴代最多に並ぶ5回、2016年には野球殿堂入り。2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任。2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇。2020年監督在任中ながら筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻を修了。体育学修士取得。2022年4月より同大学院博士課程に進学、スポーツ医学博士取得に向け研究や検診活動を行っていく。

【サンプルページ】



『プロフェッショナル投手育成メソッド 一流投手へ導く“投球メカニズムとトレーニング”』
工藤公康 著
ISBNコード:9784862556677
定価:2,090円(本体1,900円+税)
判型:A5判
総頁数:192P
発売日:2023年3月15日
出版社:カンゼン


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