8歳児がクリケットを始めた
ざっくり言って、イギリスで、子供にも大人にも一番人気のスポーツはたぶんサッカーです。
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8歳の長男ジミーはサッカーが得意ではありません。
才能とか言う前に、圧倒的に「背景知識・蓄積」がありません。
旦那も私もサッカーに無知(ルールよくわかってない)
家にはテレビが無くてサッカー観戦はせず、
子どもとサッカーボールで遊ぶことも、あまりないです。
「親もサッカーファンで生まれた時から呼吸をするようにサッカーが人生の一部だった」周囲の子供たちに比べれば、ジミーは「絶望的に」サッカーができません。
学校の休み時間や体育の授業などで、ジミーもそれなりにサッカーに触れようとはしたらしいし、健気にも、ときどき新聞のスポーツ欄を見て「べんきょう」したりもしてました。
が、「絶望的についていけない」と悟ったのでしょう。
そして、自分に合うスポーツを探していたんだと思います。
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コドモ時代って(大人になっても?)
アイデンティティの一部として、
「自分は○○が好きなヒト」と言えるものを模索し、
傾倒し、その「○○好きですゼッケン」をちゃんと見えるところに装着して、仲間を探す、みたいな一連の活動?がかなり優先度高めだったように思います。
バタコの弟は、
(「男の子とは」という身近なサンプルが少ないため、こういう時には弟の例を考えます)
小学校でサッカーからソフトボール、中学校でソフトテニス、高校で山岳部と趣味で自転車、大学で山スキー、成人したらトライアスロン、といろんなことをやってきました。
バタコ自身はあまりスポーツに興味なく、
■小学校では「本を読むのが好きな子」
■中学高校では「英語オタクで文系バカで流行りモノに疎くて非モテ」
というアイデンティティを(いつの間にか)生きていました。
スポーツ大嫌い。 ・・・ジムに行きだしたりは40過ぎてからです。
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ジミーにクリケットの才能があって、プロになれるとは全く思いません。(バタコの弟もスポーツ好きで努力家だったけど、「プロを目指す」ようなレベルではなく、ただ、楽しく打ち込んでいただけでした)
ジミーは、本人が、クリケットに挑戦することに決めたのだと思います。
生まれた時から決定的に不利だったサッカーではなく、クリケットを「慎重に」選び取ったのでしょう。
いま、地元のクリケットクラブに所属して練習してます。
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クラブのコーチ・グレアムはスバラシイ人物で、
(お嬢さん二人がチームに参加している以外、全く背景は知らない)
教えることが限りなくうまく、
うまいだけでなく「情熱・コミットメント」が言動に滲(にじ)み出ていて、
子供たちに真摯に接することのできる「名コーチ」だと思っています。
ジミーがクラブの練習に参加して1か月以内に、
保護者がたくさん参加する行事があり、その場でグレアムが宣言しました。
この時点まで、バタコはただジミーを通わせるだけ「お客様」のつもりでした。
が、「そうか」と。
ジミーはしばらくの間クリケットをやってみるつもりなんだよな。
クリケットを通して人間関係や、居場所の作り方ノウハウや、「自己効力感」を積み上げていくんだろうな、と。
そしてここは「スイミングレッスン」のような「ビジネス」(=レッスン料を払うお客様、提供する事業主という関係性)ではなく
あくまでも自助団体なんだな、と。
じゃあ私もボランティアしようかなと、思いました。
(結局は、グレアムの人柄・貢献度に負う部分が大きいです)
クリケットは、冬は室内練習しますが、基本は、夏場に草の上でやるスポーツです。
(イギリスの冬の芝生はぬかるんでとても使い物になりません)
春から始まる今年のシーズン、バタコはコーチ補助としてボランティア参加することにしています。
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子育ては「親育て(育てられ)」とはよく言ったもので
こんな具合でいつの間にか世界が広がって行くのを実感しています。
「世間が狭い」いなか暮らしで、近年、じわじわと
「行く先々、思わぬところで知り合いに出会う」ことが頻繁に起こり
(それ自体が「良いコト」かどうかは不明ながら)
「顔見知りが増えてるよなぁ」と感じます。
牛に引かれて善光寺参り
かなりさび付いた頭で、これからクリケットの勉強をします・・
100%自分の意志とは「言えない」形で、新しい分野を開拓することにな(ってしま)った経験、アナタにもありますか?
最後まで読んでいただいてありがとうございます!