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日常的で毎日当たり前に開いていて、しかし、あくまで脇役としてそこにある存在に:今日のアウトテイク#308(2024-09-21)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・1ヶ月ごとにKindleでコラム集にまとめていってます


#今日のBGM

#今日のコトバ

"子どもは成長するものだから、子どもの目的は成長することだと思われている。だが、子どもの目的とは本来、まさに子どもでいることなのだ。自然は1日しか生きられないものを蔑ろにはしない。一瞬一瞬に、自然はそのすべてを注ぎ込む。…人生の報酬は、その流れの只中にこそ存在する。後になってからではもう遅い。"
(アレクサンドル・ゲルツェン)

#Kindleでコワーキングコラム集Vo.1、ついに発行!

「今日のアウトテイク」からコワーキングネタだけをピックアップして、Kindle(電子書籍)でコラム集として発行するプロジェクトの第1号、ついに発行されました。

長短織り交ぜて52本を収録。文字数は68,132文字。ページ数にすると154ページ(ただし、ガジェットによって文字の大きさは変えられるのでページ数は変動的)。

ぜひ、お読みください!

#読書会のススメ

数年ぶりに会った旧友が、自分と同じ読書の嗜好性があると判って、「なんや〜、そうやったんか〜」と、しばし盛り上がった。

しかし、彼がその手のジャンルに関心があるとは、全然見えなかったんだけどなぁ。まあ、向こうも同じこと考えたかもしれないが。

ただ、その本のどこにビビビと来たか、というと、それがまた微妙に違ってて、で、なんでそこかなのか、という話でまた盛り上がる。きりがない。

ちなみに、ふたりとも絶賛してたのがこれ。はい、宮本常一さんの名著。

人の読書って、普通、あまり知りませんもんね。あー、だから読書会なんかをやるといいのよね。以前は「ブック・ジェリー」と銘打ってやってたけれど、しばらくやってない。

またやりますか。

#日常的で毎日当たり前に開いていて、しかし、あくまで脇役としてそこにある存在に

またまた書店ネタ。Uターンして御夫婦で書店を開いて8年。その間の試行錯誤を経て、ある思いにたどり着く。それがローカルコワーキングにも通じる。

ビビビと来たのはここ。

「本の看板が目に入ったからとふらっと立ち寄る方、ベストセラーや実用書を求める方など、当店や『セレクト書店』をめがけてきたわけではないお客さんも徐々に増えてきたんです。

本棚を少し見て、よくわからない本屋だな? という顔をして出て行かれる方も増えてきました。本屋という看板を見かけたら、多くの方が気兼ねなく入ってきてくださる。結果、客層が思っていたよりも広がっていたんです」

“地元のお客さんに合った品揃えとは?”を改めて考え直した結果、
「セレクト」より「スタンダード」を意識するようになった。

何かを始めようというとき、誰しも最初は気負いがあるもの。それなりの覚悟がなければできないから当然だ。

でも、案外、これが一番という思い込みが強過ぎて、肝心の客層とギャップがあったりする。その事に気づいたとき、どう動くか。ここが分かれ目。実際にお客さんとつながってみて、「セレクト」より「スタンダード」と気づいてピボットしたのはきっとよかったと思う。

ただ、それも最初の「セレクト」という行動がなければ、「スタンダード」にはたどり着かない。←ここ大事。

とりあえず動いてみることで様子が判ってきて、方向修正する。お客さんだと思ってた人がそうではなくて、ちょっと違う角度からやって来た人が実はそうだった、みたいな。

あらかじめ徹底的に調べたうえでスタートしようとすると、遂にはスタートする時期を逸する、ということはよくある。それより、自ら動いて体験し、壁にぶち当たったり、いくつ戻りつしながら「勘どころ」を捕まえて、更に前進するほうがはるかに実効的だ。

現在ではいわゆる、独立系書店でしか扱っていない本もおさえつつ、一般的な雑誌や定番の本なども幅広く仕入れている。

「あの人ならこれが好きかな」という感じで常連さんたちの顔を思い浮かべながら取り寄せ、このまちの本屋ならこういうバランスの品ぞろえが最適なんじゃないかというところを目指すようになった。

「常連さんの顔を思い浮かべながら」というところ、これ、コワーキングでもそうなるのが理想ですね。

「あー、この話、◯◯さんに教えてあげよう」「お、それ、◯◯くんも誘ってあげよう」と、具体的に「誰」のためにそれが役立つかを真っ先に思い浮かべるようになれば、例の「コワーキングマネージャーも3つのホスピタリティ」が発動されてる証拠。

1:情報の提供
コワーカー(利用者)のビジネスに役立つ情報を漏らさず提供する。そのために、日頃から多様なニュースソースを持ち、日々、チェックを怠らない。
2:人の紹介
忙しくて手が回らないコワーカーや、得意分野ではないスキルが要求される案件をもつコワーカーに協業できるパートナーを紹介する。
3:仕事の斡旋
逆に時間を持て余しているコワーカーに仕事を紹介して応援する。と同時に、その案件にコミットしてコワーキングスペースの収益向上に貢献する。

それとここ。

「仕事帰りの方やお年寄りなど、うちに強い思い入れがあるわけでもない方が(笑)、ふらっと入って来て、そしてずっと通ってくれ、常連になってもらえる。そういう方たちの日常のなかにあるなと実感できる瞬間が増えてきました」

いいですねぇ。コワーキングもふらっと入ってくれるようになってきて(まだ、ふらっと、とはいかないと思うけど)、「お、なかなかいい」と気に入って、以後、ずっとそこを使うというパターンができたらいいなと思う。

で、得てしてこういう人が、そのコワーキングの運営にも手を貸してくれたりするから、ホント、面白い。そうして利用者とともにコワーキングを育てていくのがインディー・コワーキングだ。

で、ここです。

「店をやっていくなかで感じているのは、この店が核となって濃いコミュニティをつくるのではなく、まちで立ち寄る場所のひとつ、くらいの位置づけでいいのではということ。

誰にとっても日常的なもので、毎日当たり前に開いている場所。

本屋はとりあえず寄ってみるかくらいのまちの脇役でいい。

そうあることで結果的にローカルになじみ、コミュニティ、人にもなじむのかなと思っています」

そうそう、日常的で毎日当たり前に開いていて、しかし、あくまで脇役としてそこにある。そうすることでローカルに馴染み、いつの間にかなくてはならない存在となる。←これですね、コワーキングも。

コワーキングとは人と人をつなぐ仕組みだから、そもそも主役ではないし、媒介者、つまり脇役だ。ただし、繋ぎ手として双方の間を取り持つのが本領だから、そこのところは能動的に。

ローカルの書店にはローカルコワーキングのヒントが一杯ある。そういう目で、まちの本屋さんを見てみると、きっと発見があるはず、

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:John Michael Thomson


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