リウマチ膠原病学　大型血管炎

高安動脈炎と巨細胞性動脈炎が代表的

高安動脈炎

大動脈を中心に主要分枝を侵す血管炎
中膜の菲薄化、喪失により内膜が肥厚することで虚血症状をきたす
20代女性に好発

症状：長時間の発熱、全身倦怠感、易疲労感
　　　罹患した動脈に応じて
　　　めまい、頭痛、失神発作、難聴
　　　視力障害、失明
　　　しびれ、冷感
　　　間欠性跛行
　　　呼吸困難、血痰
　　　高血圧
　　　心不全

検査：血液・・・CRP、赤沈亢進
　　　頚動脈エコー・・・マカロニサイン
　　　CT,MRI・・・動脈壁肥厚確認
　　　遺伝子検査
　　　血管造影で確定診断
　　　血管雑音

治療：ステロイド薬
　　　免疫抑制薬
　　　生物学的製剤・・・トシリズマブ

　　　手術・・・頚動脈再建
　　　　　　　　血行再建
　　　　　　　　大動脈弁置換術
　　　　　　　　冠動脈再建術

巨細胞性動脈炎

側頭動脈を中心に広く動脈炎を生じる
外頸動脈から側頭動脈にかけて好発
ランゲルハンス型巨細胞が出現する

症状：高安動脈炎と同じような症状が多いが視症状が特に重要
　　　側頭動脈性の腫脹・頭痛が最もよくみられる
　　　顎跛行・・・咀嚼時に疼痛

合併症：リウマチ性多発筋痛症

参考）リウマチ性多発筋痛症

発熱、両肩の筋肉痛、朝のこわばりなどを特徴とする炎症性疾患
RS3PE症候群との鑑別が必要

ステロイドで治療

検査：高安動脈炎とほぼ同様
　　　動脈生検が有効

診断基準

発症年齢50歳以上
新規に生じた頭痛
側頭動脈異常
赤沈亢進
動脈生検での異常

のうちすくなくとも3つ以上

治療：高安動脈炎と同様