耳鼻咽喉科学　鼻腔疾患

鼻出血（復習）

悪性腫瘍、異物→悪臭を伴う片側性出血

キーゼルバッハ部位

出血の好発部位

鼻腔前下方の鼻中隔側を指す

鼻腔疾患

アレルギー性鼻炎

１型アレルギー性

通年型：ハウスダスト

季節型：花粉

アレルゲンによりTh2優位→肥満細胞感作→脱顆粒→ヒスタミン、アラキドン酸放出により鼻汁過多と鼻閉

アトピー性皮膚炎、気管支喘息などと合併しやすい

症状

くしゃみ、鼻汁過多（好酸球浸潤）、鼻閉が三徴

他に目のかゆみ、嗅覚障害など

花粉症：春→スギ花粉　秋→ブタクサ花粉

検査

１型なので皮内テスト、スクラッチテスト

治療

抗原回避

薬物療法：抗ヒスタミン薬

特異的免疫療法

手術療法：下鼻甲介粘膜切除術、粘膜下下鼻甲介骨切除術

副鼻腔疾患

急性副鼻腔炎

固有鼻腔に生じるウイルス性炎症→副鼻腔へ波及

症状：鼻閉、鼻漏、頬部圧迫感

慢性副鼻腔炎

三か月以上続く炎症

上顎洞炎、篩骨洞炎が多い

症状：鼻閉、鼻汁過多、鼻漏、頬部圧迫感、嗅覚障害

治療：上顎洞穿刺洗浄

　　　内視鏡下副鼻腔手術

副鼻腔真菌症

アスペルギルスが大半　他にカンジダなど

眼窩に進展していくので眼～脳に症状　片側性が多い

症状：眼球突出、硬口蓋びらん、頭痛、痙攣

好酸球性副鼻腔炎

副鼻腔粘膜への好酸球浸潤と洞内のにかわ様物質の貯留　難治性

症状：鼻茸（ポリープの一種）、鼻閉

鼻副鼻腔乳頭腫

HPVの持続感染による粘膜の乳頭状腫瘍

①扁平上皮乳頭腫：鼻中隔に発生　悪性化はほぼない

②内反性乳頭腫：組織破壊性が強い

③円柱上皮性乳頭腫：片側性鼻閉

検査：MRIのT2強調で中等度信号

多発血管炎性肉芽腫症

上気道、肺、腎など全身臓器の肉芽腫炎症と血管炎

外傷

鼻骨骨折

外鼻錐体が骨折　しばしば鼻中隔骨折を伴う

２週間以内なら徒手整復可能

下顎骨折

下顎の変形と咬合異常

チタンプレートなどで骨接合が必要

上顎骨折

LeFort １型：歯槽の骨折

　　　２型：上顎～眼窩壁骨折　三日月様に陥没

　　　３型：鼻～頬骨骨折　重篤化しやすい

頬骨骨折

頬部腫脹、圧痛

頬部、鼻翼、上口唇の感覚麻痺

吹き抜け骨折

眼窩壁が骨折して眼窩内容（眼球）が副鼻腔内に逸脱する

症状：上を見ると複視