ツチノコ


隊長と2人でツチノコ探索のため山に入って1年程経つ

隊長は熱い男で、すぐに感情で動いてしまう所がある

この前

いつもの布陣だが、隊長が前を歩いて、その後を私が歩いていた時

隊長の靴のかかとを踏んでしまい、よろめかしてしまった

正直、今までに幾度となくカカトを踏んでしまっていたが、たいがい許してくれていた

しかし、なかなかツチノコも見つからない状態の上、ホントにツチノコはいるのか?と不安にもなっていたため、物凄く怒られた

その時に襟元を掴まれ、木に勢いよく押しつけられた

かかと踏んだだけでやり過ぎだ、と思った矢先

木の上から何か落ちて来て、ちょうど私を掴んでいる隊長の腕の上に乗った

私は、ツチノコだ!!うぉー!と言った

すると隊長は、もう片方の手でツチノコをつかんで

「今そんな事関係ないだろー!」と遠くへ投げた

私は「えー⁈」と言うと

おまえ全然反省してないだろと言われ

私「いやでもツチノコが!」

隊長「ガッカリさせるな!こんな状態でツチノコなんか一緒に探せるか!」

全然引っ込みがつかなくなっている

私がカカトを踏んだせいで、幻を1つ逃してしまった

しかし、存在してると言う事実はとても自信になる

そして許してもらい、仲直りをして

今一度ツチノコに対する思いを語り合い絆を深めた

そして探索を続けて数日経った頃

たまたま隊長と別行動している時、沼のほとりに

完全にカッパが現れた

しかもそのカッパはギターの弾き語りをしている

私はその異様な光景に「ギャー」の一辺倒

腰を抜かしてあわあわしているところに

隊長が走って近づいてくる

その時、カッパの近くを通る時ギターのネックに当たってギターが落ちた

隊長は「すみません」とギターを拾ってカッパに返した

そして私のところに来て

「ジャーン!ツチノコです!」

とツチノコを見せて来た

私「弱い!」

隊長「あ?」

私「弾き語りカッパがいますよ!」

隊長「もっぺん言ってみろよ!」

私「弾き語りカッパよりツチノコ弱いんすよ!」

隊長は「いいかげんにしろよ!」と持っていたツチノコを地面に叩きつけて「もういい」と言って走って行った

私はすぐに追いかけた

そして追いついてカカトを踏んでしまった

その時カッパは「完全感覚ドリーマー」を弾き語っていた

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