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僕たちが"地方塾パートナー募集"で本当に実現したいこと

LX DESIGNの金谷です。
今回、地方塾パートナー募集を発表させていただきましたが、その背景や想いをこちらで共有させていただきたいと思います。

小学校の学級担任から起業まで

富山県の高岡という田舎町で育ちました。
とにかく勉強して、偏差値の高い大学に行くことが素晴らしい、という高校時代を過ごして、僕は京都大学につるりんと滑って東京学芸大学に着地しました。
大学入学は自己実現への第一歩なのに、"着地"という言葉に現れている通り、"ゴール"であって、そこから発車する、というイメージがなかった。
スタートを描くためには、その後の未来をイメージする必要があるのに、大学進学以降の大人を見たことがなかったために、高校と大学が断絶されていた。高大接続、という言葉は不思議なもので、もともと断絶されていますよね、というのを端的に表している。

そんなこんなで、校長先生一族に生まれた僕は"教員"を目指して、大学生活をスタートした。それまでの情報の遮断に飢えていた抑圧から解放されるように新しい体験の毎日だった。
1年生の終わりに、教員になるのに国内しか知らないのはいかがなものかと、オーストラリアに放浪に行った。その間もなにかを為さないとと鼻息荒く想いが溢れていたら、帰ってきて、起業してみたら?という地元の経営者の先輩に出会った。

恐ろしさしかなかったが、教員になるのに学校しか知らないのはいかがなものかと、出版系のビジネスを始めた。今までただのお店屋さんだった人たちが、想いを語ってくれる姿を見て、世の中の広さと熱さを知った。

大学3年生になって、世の中が就活!という空気になった時に、僕のやってきた事業は一体この世の中のどの産業に位置付けられていて、どうすればもっと大きなインパクトを世の中に与えられるのかが知りたくなった。
"IT"という産業に出会った時に、これがもしかしたら僕が知りたい"教育になにか新しいことをもたらすなにか"かも知れないと思った。
その最先端はシリコンバレーだよと言われ続けた結果、4年生の1年間、現地で修行することを決めた。


帰国後、小学校学級担任、リクルートでのAI事業を経て、今のLXDESIGNを設立することにした。もともとはプログラミング教育必修化が目前になり、学校現場が混乱の渦中だったので、先生向けに授業案を作って、実際に研究授業をして見せて、その考え方や背景を研修でお伝えし、もっと学びたい子たちのために放課後のスクールを運営するといった、極めて地味なビジネスモデルで始まった。

起業してみて気付いた都内と地元富山との機会格差

当然、地元富山県でも混乱は大きかった。
IT教育やってます、と都内の小学校で言うと、シリコンバレー帰りの先生に持ってもらえて、うちの子はなんてラッキーなの!と大手IT企業のママたち、パパたちは喜んでくださり、
富山で言うと、"うちの子がオタクになったらどうするんですかああああああ!!"と本気で怒られた。

こりゃダメだということで、儲からなくても産業革命から地元を取り残すわけにはいかない、と先生・自治体の支援とスクール事業を続けた。そうこうしているうちに、高校の先生方からも授業を見に行ってもいいですか、とか、研修会で話してもらえませんか、とか、授業を一緒に作ってもらえませんか、とか、いろんな相談が持ち込まれるようになった。

ずっと言っていることだけど、残念ながら富山ではあまり儲けられない。県内では動いているお金の桁が小さすぎた。それが幸いして、多くの先生方から頼ってもらえるようになり、直接・間接的に講演・授業・支援をさせてもらった高校生は県内外で1年間であっという間に3,000名を超えた。
富山高専OBのGunosy共同創業者の関さんをお招きしたり、富山県庁とタイアップしてふるさと納税の仕組みをクラウドファンディングをやってみたり、富山出身のうちのゼミ生を招いてオンライン進路相談会を開催したりもした。

あくまで学校の中での"学び"をテクノロジーでアップデートすることを目指してきたら、"学び"と"仕事"は実は繋がっていて、進路の相談にダイレクトに結びついていた。
それもそうで、学校の学びのゴールは"社会で生き抜く力"を育むことだから、高専生向けのアプリ開発サマーインターンなど、結果的には進路相談・キャリア教育に内包されていた。

なんとなくずっとあった課題感

そこにフォーカスしたのが、今まさに取り組んでいるAIソーシャル進路相談プラットフォーム"imAdokI"

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高校生たちが高校の中では出会えない進路の選択肢、未来像を描くのに必要な情報収拾ができ、場合によってはその先輩に直接相談できるというもの。
多くの高校生がこの中で、自分の少し先をイメージし、大学のイベントに参加したり、"imAdokI"内の地元出身の先輩が通っていた塾の先生を見つけ、想いを伝えたところ応援してもらえるようになったり、
僕たちだけが直接授業に行ったり、進路相談会を開催したりするだけでは到底生み出せなかった出会いや感動がそこから溢れている。

今までの大学の資料請求メディアや塾探しメディアとなにが違うんですか?
という~意地悪な~質問も時々来る(~論点もイメージも背景理解もまったく合わない~)ので、
大先輩の言葉を借りながら、せっかくなので、この現象を説明したい。

高校生の学びや興味・関心に合わせて、"先輩コンテンツ"や"イベント情報"を出しているため、すべての子どもたちにとって出てくる内容が違う。
海外に行ってみたい、興味のある学部がある、今の好き・得意なことを活かしたい、とにかく学歴が大事、母校の先輩がいるか、など、子どもたちの選択軸は百人百色。

それがこれからの時代のアダプティブなメディアだし、
個性が価値になる、才能の爆発こそが社会への恩返し、という僕がいつも言っている話に通じる。
昔は、近所の八百屋さんもお肉屋さんも、家族の好き嫌いを理解して、今日の仕入れを鑑みて、今日はトマトが美味しいわよ!たかしちゃんがトマト好きだから一個おまけで入れとくわね!的な個別最適を図ってくれた。
あくまで、オフラインの最適化なので、スケールとは程遠いし、そのお店の人と直接知り合わない限りはその体験は得られなかった。
ITが産業革命レベルと言われる所以はここにある。
AIソーシャル進路相談プラットフォーム"imAdokI"では、進路相談という領域にテクノロジーとネットワークで個別最適を実現している。

"先生"の役割が変わり、環境づくりが仕事になる世界

僕は校長先生の一族に生まれたため、テクノロジーの進化によって、学校の先生の役割が"知識の付与"から"なにか"に変わることを高校時代に感じることができた。
厳密には、その手前の、"知識の付与"だけでは価値を失い、"先生"という存在が猛烈なスピードで陳腐化し、社会からのエンゲージが得られなくなることに恐怖を覚えていた。

本当にたまたま、結果的に東京に来たことで、海外で仕事をする経験と視野をもらえたし、IT業界で仕事をすることもできた。起業をしたり、個人でなにかをするという経験で得られた。
しかし、地元富山は10年間、なにも変わっていなかった。変わらないことがノスタルジックの価値である一方で、世界規模の産業革命から取り残されていくことは確実だった。
人口の流出と出生率の低下は進む一方、当時は考えもしなかった高校の統合や廃校。
自分自身が得たネットワークとテクノロジーを地元の想いのある人たちと一緒に地元の高校生以下の若者たちに共有したいということを思うようになった。
今回の地元塾パートナー募集はそんな想いで開始を決めた。

詳細はこちらからご覧ください。

これらの想いに共感してくれる方々と一緒に次世代の進路相談インフラを作っていきたい。
ご連絡、ご登録をお待ちしています。

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