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【ADV1-PCG9】ナッシーライチュウ(ライエッグス)の検討その2

今回は先日の大会で使ったライエッグス(ナッシーライチュウ)のデッキについて書きたいと思います。
数年前に書いた記事(https://82725.diarynote.jp/201509202314429009/)と先週の大会結果(https://note.com/kanten620/n/nd47b04292b27)やツイートともかぶることがありますが、一度まとめておこうと思います。基本的な使い方は過去記事を見てください。
またこの記事ではこれ以降は「ナシライ」という表記を用います。

1:環境と認識の変化
前回の記事を書いたのが2015年で、およそ4年たって新しく思ったことを書きます。
これまで自分のブログでは「サーナイトδ」「わるいバンギラス」とこのナシライがPCG9環境では最も有力なデッキタイプだという主張をしていました。
2015年地点ではこの3つの中でもナシライが特にこの2つとの直接対決で有利なため特に強いよりの考え方でしたが、19年では逆にこれらには不利で一歩劣るかなというものに至りました。
サーナイト側は巨大な切り株を採用しこちらの呪われたほこらを壊しやすくなり、かつダメージの溜まったベンチポケモンを処理してくる動きが厄介です。加えてセレビィexのタイムリバースで暴風を再利用してくる動きも厳しいです。またキルリアがサイコブームのものが主流になってナッシーで安易に独走できなくなったり、レジロックexに苦しめられるケースも出てきました。
バンギラスについてもこれまではナッシーで一撃で楽勝という認識でしたが、暴風やまもりのたまを採用することで相手が途切れにくくなり、スピンテール3回+岩マシンで崩壊してしまうケースが増えてきました。
これらはこのナシライだけにしか使えない対策だったらあまり数が多くないとして諦めてもいいところですが、ある程度汎用性があるものなので厄介です。サナとバンギに限らず他のデッキもこのような対策をしてくることも大いに考えられます。
ナシライ側もこれを踏まえた対策をしていきたいところですが、デッキの構成上で以下のような問題があります。
・ピジョットを使わないためタッチカードをサーチしにくい
・メインポケモンが2種類のためスペースを空けにくい
・ナッシーのデルタサークル、ライチュウのパチパチのため制約が多い
このため対策をしあったとしてもうまく活用できず負けてしまうか、デッキパワーが落ちすぎて基本的な構築なら勝てる別の相手に不利になってしまうおそれがあります。
ADVからPCG9やWCPまで全部使えるレギュレーションでこれまであげた3つが強いということ自体は現地点でも変化はありませんが、ナシライは他の2つに比べるとやや劣るかなというものになりました。

2:先日使用したレシピと説明
上記の課題に対してクリアできたかは微妙なところですが、以前のものから少し変更したレシピを紹介します。
先週の大会で使用したレシピと1枚違いです。

ナシライ

ポケモン:17枚
1:ミュウδ☆
4:タマタマδ
3:ナッシーδ
4:ピカチュウδ(HP50)
4:ライチュウδ
1:ラプラス

サポーター・トランシーバー:15枚
3:ダイゴのアドバイス
3:ロケット団の幹部
4:ホロンのトランシーバー
2:ホロンの導師
1:ホロンの冒険家
1:ホロンの科学者
1:ホロンの研究員

トレーナー:13枚
4:ポケモン回収装置
4:呪われたほこら
4:封印の結晶
1:超古代のワザマシン「岩」
1:そっくり!テレポーター

エネルギー:14枚
2:鋼エネルギー
2:ホロンのコイル
2:ホロンのポワルン
4:Wレインボーエネルギー
4:スクランブルエネルギー

前から入っているカードの説明は前回の記事を見ていただくとして、新しく入っているカードについて書きます。

・ミュウδ
狙いは相手の初手のノコッチやホロンのポワルンを中心にした展開用のワザをミミクリーでコピーして展開することと、ウインディexやジュペッタexなどのいくつかのポケモンexのワザをコピーしてサイド2:1の有利な交換を狙うことです。もともとこのデッキにはポワルンが入っていますが、δ種ではないポケモンをベンチに置きっぱなしにしているとデルタサークルの威力が下がってしまうため一度ベンチに下がった後の差も大きいです。
2010年ごろに仲間うちでPCG対戦が流行っていたころは入れていたのですが、最初に書いた通り最も意識したい相手であるサーナイトやわるバンに対して使い道が薄いと考え、多くのデッキがワザではなくジラーチのほしのねがいで展開するようになったため役立たないゲームが多いと感じ抜いていました。
2020年前後はこの2つ以外のメインポケモンを使った有力デッキが出てきてアタッカーとして活躍できる相手が増えたことで評価が増し、またサーナイトに対してレジロックを返せる、バンギラスに対してスピンテール3回を受けても残る種のδなどこれまで有効活用できず腐る相手と考えていた相手にもそれなりの使い道ができたという判断に変わったこともあります。
欠点は有効なワザが使える対象が1匹もいない場合は初手のテンポを損なうのと、デッキスペースが1枚無駄になってしまうところです。
ナシライにポケモン☆を入れるかどうかは賛否が年ごとに変わっている微妙なところで、今は肯定派になっているだけかもしれません。

・ラプラス
ホロンの導師からラプラスをサーチして、続けて他のサポーターを持ってくることで止まるのを回避できます。ピジョット等の展開ポケモンが入っていないので止まりやすく、ピンポイントで幹部が欲しい場合などにも役立ちます。
封印や祠で自滅してしまうデメリットは痛いですが、逃げる0を活かして封印のついてないライチュウを出してから使うなどすればそこまで裏目にはなりません。
ラプラスを意図的に気絶させてスクランを使うのはかなり難しく実用的ではありませんが、ナシライはポケモンの耐久力がもともとないためサイド1枚余計に渡すことになっても止まらない方が大事ともいえます。
ただし初手で弱いカードが増えるのと、サポーターを1枚代わりに増やした方がいい説もやっぱりあります……。

・そっテレ
初手に来たコイルや展開で使ったポワルン・ラプラスを交換できます。
ナッシーのデルタサークルで加算できないのでこれらがベンチで腐っているデメリットが大きくもともとかなり入れたいカードでした。今回のレシピでも初手ポワルン+ラプラスを使ったような展開だと2枚欲しいのでできれば2枚欲しいです。
また種ポケモンにエネルギーを付けておいて急にミュウに入れ替える動きも一応考えられます。

・鋼エネルギー
以前の記事では耐久力を活かした戦い方ができず、色指定も1枚では変わりないのでいらないという考えでしたが、ピカチュウラインにつけることでスピンテールなどのばら撒きが10になるため場に残りやすくなりました。これまではそんなことをしなくてもバンギラスは楽勝という考えのもと不要論を唱えていましたが少し考えが変わりました。
他にニョロトノやライボルト等の40ダメージのワザも2回耐えられるようになるのも地味ながら便利です。
ナッシーδとライチュウδはややこの組み合わせ限定という感じになりつつありますが、それ以外でも活用できるスペックがあるでしょう。
自分以外の多くのレシピにはもともと鋼エネが入っていると思いますが、このようなゲームをすでに想定されていたら自分の認識が遅れていので反省しなければいけません……。

3:他に採用が検討されるカード
・ミュウδ(炎)
水タイプと同じようにまねるを活かした使い方になりますが、主に対策になるカードを考えるとこれ1枚だけではハッサムへの対処は不完全であり、ジュカインδにも有効ではあるものの相手がベンチにいる分にはどうでもよく、攻撃してきた時もナシライで2回攻撃すれば倒せるのでカメルギアやジュペラミほどは重要度が低いと判断してレシピには入っていません。
またハッサムのないサーナイトには腐り、スピンテール3回で他のメインポケモンと同時に致死ラインになるのも価値が低いです。

・アイリーンのマネネ
こちらはサーナイト向けの対策カードで最後の方まで入れたかったですがδ種ではなくミュウ☆の方が汎用性があると思ったため諦めました。自分の以外のサーナイトと対戦してこれの有無でどの程度変わってくるかは知りたいところです。

・キュウコンライン
ロコンδと神秘の守りキュウコンでハッサムexなどを対策しますが、枚数や配分は色々な選択肢があると思います。
ロコンは覚醒のものが他ではよく使われますがナシライにおいては炎エネルギーが入れづらく、デルタサークルの打点につながるためδ種の方が有力です。キュウコンは今回ラプラスが入ったためニシキで持ってくることもできますし、キュウコンδを使ってホロンの研究員からサーチし変わり身で神秘のものにする動きもできます。キュウコンδはベンチのライチュウにエネを貯めつつ攻撃できるのでそれ自体も無駄にはなりません。
入れなかった理由としては1:1ではサイド落ちや相手のリバースで倒されるなど安定せず、2:2以上だとナッシーラインか鋼エネを抜くことになってデッキパワーが下がりそうだったからです。
今回の大会では刺さる相手が少ないと考えて入れませんでしたが、そこそこ入っているタイプも見たことがあります。

・ツボツボ
キュウコンではなくこちらを使う手もあります。
ただしストライク+ちからのかけらに負けるのでハッサムにほとんど勝てないデメリットは大きいです。ハッサム単相手にはぎりぎりまで出さずに耐えてベンチのハッサムが進化されて来たら場に出し、ストライク1匹を他ので倒して完封を狙うような動きがベストになりそうです。
ミュウδを入れる場合はツボツボを壁にしてミュウを育てて振り下ろすを狙う動きができるので相性がいいです。
ツボツボは他のex相手がメインの対策で、キュウコンと比べてサイド落ちに強いメリットはあります。キュウコンライン1:1はどちらかがサイド落ちすると破綻してしまいますがツボツボ2なら1枚落ちても機能します。ライボルトやジュペッタ、ウインディに対して壁にしてベンチで対応するアタッカーを育てるのが便利です。今までこのあたりの相手には素の構築でも有利に思っていましたが、1~2枚のスペースでより安定するとしたら悪くないと思えて来ました。

・ピカチュウδ(でんじは)
前の記事ではワザは強いがHPが40で岩マシンで気絶しやすく、ぎりぎりの差のためADVありのレギュでは避けたほうがいいというようなことを書きましたが、その後あえてHPの低さを活かす動きもあることに気づきました。
バンギ相手にただ出すだけにしてデルタサークルの材料にしているとこのピカチュウだけ2回目のスピンテールで気絶してしまいますが、返しにタマタマを出してエネを付けておけば3回目のテールのあとに20ダメージの乗った2エネナッシーを用意することができます。3回目のテールのあとに岩マシンを使われると大きく場が崩壊してしまうので、どうせ気絶するところならタイミングをずらして一気に崩れないようにする方が復帰しやすいです。
よって数枚を40にして残りを50にする手も考えられますが、どれをサーチしてどれを進化するのかが難しく引きによっては裏目になってしまうので本当に強いかどうかはまだはっきりわかりません……。

・逆転!マジックハンド
スクランを使うデッキなら常に候補になるカードですが、このデッキにおいてはサーチができないので少ない枚数では引けないことがあり、マルマインもないのでメリハリをつけて使うのも難しいカードです。
またナシライはベンチを攻撃が得意なデッキですが、ロック効果がルナソルやヌオーδ、R団のソーナンスを使ったデッキと異なり封印4枚きりと少なく、HPが低いためマグマグラードンのように硬さも活かせずつけたまま倒されてしまうことも多いです。そのためデッキのリソースが尽きる前にサイドを引ききるのが強いデッキで、性質としては悪ヤドやSレックの方に近いデッキとも言えます。
とはいってもジュペッタ等速攻が得意な相手には有用なので、意識した何かを対策するなら入れるというカードではないでしょうか。

・アブソルex
ベンチ攻撃をするデッキなら常に採用を考えたいですが、このデッキにおいては初手に来た場合のケアが極めて難しく、暴風やワーポなどのパワーロック対策も入っていないためリスクの高いカードにはなってしまっています。

4:他のデッキへの活用
現在のところナッシーもライチュウもこのデッキで見ることが大半で、他のデッキではほとんど見ない、また1進化の非exで封印やほこらを使って細かく攻めるようなデッキもこれ以外あまり見ないかもしれませんが他にもいろいろなものが考えられます。2種のメインポケモンについて簡単に触れます。

・ナッシーδの活用
このシリーズはタッチ向けの闘ポケモンが少ないため、1進化の無色2エネで60~70出せるデルタサークルは十分強力なワザと言えます。
オニドリルδを始めデルタ種のみで構成されるようなデッキなら何でも採用候補になると思います。
特にフライゴンexは抵抗力で苦手にしているわるいバンギラスの対策になり、爆裂弾も砂起こしや念動波と相性がいいです。オーダイルも火力の底上げができてナッシーのパワーを引き出せます。
ただし、闘タイプのタッチとしてはパルシェンδもかなり有用なカードなのでどちらがいいかは迷うところではあります。

・ライチュウδの活用
パチパチのためポケパワー・ボディー持ちのカードを入れづらいところはデメリットですが、ライチュウδ自体はかなり強力なカードで他のポケモンとも組み合わせられます。ナッシーはデルタサークルの速攻とタイプこそ強いですがあまり活用できない相手も多く、アタッカー同士の殴り合いでは負けてしまうこともあります。
例えば国内では最初ガラガラδとの組み合わせが好成績を残したのもあってガラガラライチュウがよく使われていました。エネボーンの方が総ダメージ量が上回ることも多く、鋼タイプと鋼エネを活かせるなどコントロール性能はこちらの方が優れています。ナッシーが入っていなければδ種でなくても構わないので他にも色々な組み合わせが考えられます。

5:まとめ
今回の記事では昔のもので書いていなかったいくつかの有力デッキに絞って対策の仕方などを書いてみました。
ここに書いてないデッキに対しては書くまでもなく有利なものも多いクソ強デッキなのでまだ使ったことのない方はぜひ使ってみてください!
まだ一度も紹介していないデッキもあるので更新頻度はもっと上げたいですね(笑)


サポートいただいた分野により力を入れて記事を書きたいと思いますので、もしよろしければお願いいたします!