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【MANAGEMENT】VOL.19 ---「 論語とドラッガー 」--- バカになれる人ほど、いちいち上手くいく。

最近、マネジメント系の経済記事に 頻繁に話題にされる「デンマーク人のルール」=「他人の長所に敏感に、自分の短所に敏感に」という内容がいろいろなところで紹介されている。

Danish rules ----------------------
1. Don’t think you’re anything special
2. Don’t think you’re as good as us
3. Don’t think you’re smarter than us
4. Don’t convince yourself that you’re better than us
5. Don’t think you know more than us
6. Don’t think that you are more important than us
7. Don’t think that you are good at anything
8. Don’t laugh at us
9. Don’t think anyone cares about you
10. Don’t think you can teach us anything
 
1.自分を特別な人間だとは思わないこと
2.自分が周りの人ほど器用だとは思わないこと
3.自分が周りの人達より賢いとは思わないこと
4.自分が周りの人達より優れているとは思わないこと
5.自分が周りの人達以上のことを知っているとは思わないこと
6.自分が周りの人達より重要だとは思わないこと
7.自分には何も得意なことなどないと知ること
8.周りの人を上から目線でバカにしたりケチをつけたりしないこと
9.誰もあなたのことを気にかけてなどいないと解っておくこと
10.自分は周りの人達に何も教えられるものなどないと理解しておくこと
 
これを生きる哲学として生きていけば、不思議と何をやっても上手くいく。

さて、マネジメントの大家「ピーター・ドラッガー」が唯一、この人の言うことは「自分の言うことと ほぼイコールである」と自分の著書の中で紹介しているのが、資本主義の父「渋沢栄一」氏だ。
 
氏が創設した企業や組織は現在にも残るものが多く、みずほ銀行、東京ガス、共同通信、東京海上日動火災保険、理化学研究所、東京証券取引所、帝国ホテルなど・・・
 
氏は大変な実務家であり、その実務の中で得られた知見を著作としても残している。おそらく、最も有名な著作が、「論語と算盤」という作品だ。
 
【 論語と算盤 】
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この本の内容は現代社会でも十分通用する考え方であり「正しさと利益」をどう両立するかという、企業にとって重要な問いに答える知見の高い秀作だと言って良いと思う。
 
ここで紹介する本は意外に知られていない渋沢栄一氏の著書「論語の読み方」という著書の内容だ。 
 
【「論語」の読み方 】
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少し引用してみる。

”目先の利益より”余得”の方が大きな利益を生む
 
私はどんな事業を起こすにあたっても、またどんな事業に関係するときでも、利益本位には考えない。
 
この事業こそは起こさねばならない、この事業こそは盛んにしなければならないと決めれば、これを起こし、これに関与し、あるいはその株式を所有することにする。
 
私はいつでも事業に対する時には、まず道義上から起こすべき事業であるか盛んにすべき事業であるかどうかを考え、損得は2の次に考えている。

といったことが書いてある。その哲学から生まれたのが、みずほ銀行、東京ガス、共同通信、東京海上日動火災保険、理化学研究所、東京証券取引所、帝国ホテル・・・
 
そして、ここで紹介している「論語の読み方」の中に「”孔子流の”月給”を確実に上げる秘訣」という「見出し」で「自分の給料の上げ方」が書いてあった。

自らを修養して実力を充実せよ。
 
その修養の方法は、多くを聞いて広く道理を知っても、自分で確信できないことはひかえて、間違いないと信ずることだけを人に語るようにし、多くを見て広く物事を知っても、大丈夫と思えない行為はやめて、道義に反しないと確信できることだけを行えば、とがめられることなく、また自ら後悔することもない。
 
こうして言動に悔いがなければ、世間の評判もよく、長上にも知られ、自分から売り込まなくても必ず登用される。そうすれば給料は自然についてくる。

孔子・・・が、なんと2500年も前に「他人の長所に敏感に、自分の短所に敏感に」これが サラリーマンとして、また事業家として、自分が得する最良の方法答を出してしまっていたのだ。
 
自問自答改善の根本、そして本質は、こういう場所に隠れている。

過去に私が師事してきた師であり、元上司のコンサルタント「伊吹 卓(いぶきたく)」のベストセラー「バカになれる人ほど人望がある」ではないが「自分がバカだと気づける人ほど、結局、後になって大きな得を得られる」という話になる。
 
【 バカになれる人ほど人望がある 】
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ということで、ピーター・ドラッガーが推奨していた人物、渋沢栄一氏の著書、有名な「論語と算盤」と、これら一連の話が書かれている「論語の読み方」というマネジメントの核心が書かれてありながら、とても「読みやすい本」を ご案内しておこうと思った。

ここでのポイントは「バカな人」ではなく「バカに【なれる】人」ということ。賢いからこそ「バカなフリ」ができる。「バカに賢いフリ」をさせたら、それこそ「笑い者」にしかならない。

賢いからこそ「バカなフリ」ができる人は「楽しく明るく」「ワクワクしながら」「みんなが嬉しくなる」ように動く。こういう人を「小バカの大利口」と言うのだろう。京都に残る古語でいえば「アホかしこ」だ。

逆に、バカなのに「賢いフリ」をする人は「暗く」「イヤイヤ」「いちいち面倒くさそうに」「自分だけが嬉しくなるように手抜きをしたり、他人にケチをつけたり」しながら動く。こういう人を「小利口の大バカ」と言うのだろう。

京都に残る古語で言えば「かしこアホ」となる。この「アホかしこ(小バカの大利口)」「かしこアホ(小利口の大バカ)」という都言葉が日本にも残っていることから、日本での「成功哲学」でもあったことが見えてくる。

2500年も昔から人間の本質は変わらない。「できる人」ほど「バカなフリ」が上手い。そして「できない人」ほど「賢いフリ」をしたがる。たぶん、これこそがマネジメントの本質なのだろうと思う。

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