良いサービスは動詞である。悪いサービスは名詞である。
これはイギリス政府のウェブサイト内でデザイン部門の職員Louise Downeさんが書いた記事の見出しです。
記事内容を要約すると、
・行政側は利用者(住民)が簡単に問題解決できるようにサービス名にわかりやすい名前をつける。
・この問題点は利用者がそのサービスを利用する前に、利用者がやろうとしていることをなんと呼んでいるのか行政側が紹介する必要がある。
・利用者がそれを知るためにコールセンターに助けを求めたり、利用者が間違った順番で利用すると行政側に必要のない作業が発生します。
・以前は「利用者を教育する」ためにイギリス政府はこんな広告を出していた。
この文言がひとつのポイントだと狩野は考えるのですが、
But in reality most government services are used only once or infrequently at best, so brand familiarity really isn’t very useful.
・実際の利用者はサービスを1回しか利用しない
・だからこれらの名詞を動詞に変える必要がある
(サービス提供側の行政は自分たちの中で通じる名詞を当てはめがち→利用者側がコールセンターなどの手助けでたどり着く名詞or言葉のプロセスをじっくりと眺める必要がある)
・サービス名を修正するための最初のステップは利用者がサービスを利用しているときに実際に何をしようとしているのか調べることです。
After several rounds of user testing, the Home Office changed the name of ‘Immigration Health Surcharge’ to ‘check if you need to pay towards your health care in the UK’ - a service that allows visitors to the UK to pay for the cost of healthcare.
・数回の利用者テストのあと、内務省は移民医療付加金の名前から英国での医療費を支払う必要があるかどうかを確認するに変更しました。
・このチューニングはたいへんな作業でずっと続きます。
・(職員側が?)理解を深めるためにつくったポスターはこちら。気軽にダウンロードして広めてください。
以上、めっちゃデフォルメして要約しています。
つまりこのイギリス政府が大事にしているプロセスって狩野が関わっているスタートアップと行政職員が協働する課題解決プロジェクトUrban Innovation JAPANが大事にしている仕様ありきではなく「実証実験」からの発想とまったく同じで、自著の中で書いたほしい情報にたどり着けているのか問題と同じですね。
この名詞を動詞に変えるという発想は日本の自治体にも必要な発想なのではないでしょうか。