幾島かのん
まとめました。
エッセイとか、まとめました。
人がまばらなキャンパスをフラフラになりながら歩いていた。体を刺すような夏の日差しと蒸し暑さで気が遠くなりそうだ。歩くたびに汗がじわりと出る。汗まみれになりなが…
知るには遅く、死ぬには早過ぎた。 僕のような冴えない男子学生にとって、今日という日は普段と何の変わりもない日だ。 というのは強がりで、毎年淡い期待を抱いている。…
私が好意を抱いたのは彼? それとも彼の瞳に映る私自身? それとも、恋愛のない人生は不幸だという世間一般のイメージ? はたまた、ただの暇つぶしなの? 「そ…
時に言葉は胸をすり抜けようとする。 「世の中に絶対はないように、善悪の千引することもないさ。」 彼の眼差しは、目の前の無残にもバンパーが美しく放物線を描い…
イロニー女の憂鬱 当たり一面に広がる田園。まだ青々とした稲が風になびいているのを何回数えただろう。 「遅れるのは当たり前。諦めているんじゃなくて、その時間を貰っ…
大荷物を背負った小学生達が消え、校舎は静寂に包まれていた。何処からともなく聴こえてくるラジオからは、陽気な音楽が流れていた。 その高揚とは裏腹に、照りつける…