400字で分かる落語:「明烏」3
33:明烏(あけがらす):全4回の3
【一言】 吉原へ舟で行く場合は隅田川を上って山谷堀へ入り、見返り柳で降りる。山谷堀は埋め立てられて遊歩道になっている。見返り柳の先に泪橋商店街があって、あしたのジョーが立っている。
見返り柳を左へ入ると大門があり、遊郭への唯一の出入り口。延宝年間(1673~81)に黒塗りの門が出来、明治14(1881)年に鉄製となった。吉原弁天に「花吉原名残碑」があり、石の門が鉄門を模して同じ漢詩も彫られている。
門は10時で締められ、午前0時を「おひけ」といい、見世を決めて上がらなければならない。「おおびけ」の午前2時には出歩くことも許されなかった。実際に大門脇に監視所があるが、よほど怪しい人物でないと止められることはない。
当時は門を入った左右に赤石稲荷と榎本稲荷、奥の左右に開運稲荷と黒助稲荷があった。若旦那を連れて行くのは黒助稲荷らしい。明治に入ってから全部の稲荷が合祀されて吉原神社になっている。