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400字で分かる落語「居酒屋」2の2

「い」の20:居酒屋(いざかや)全2回の2
【成立】 文化3(1804)年『噺の見せ聞』の「酒呑の横着」、安永2(1773)年『今歳咄』の「献立」、同4年『聞童子』の「いおつけ」は、汁の字を「おつけのけの字か」と言うもの。『醒酔笑』巻二の「うつけ(身に空)」は「何でもゆでると赤くなる」「それなら稲荷の鳥居は誰がゆでた」というもの。
 「両国八景」に似た場面があるが、三遊亭金馬(3)は「万病円」から取ったと言っている。最後の「番公鍋」だけが本人作で、色々なところから集めたらしい。昭和4年に出たレコードが歴史的ヒットとなった。仕掛け人には正岡容で、出囃子に「さのさ」、受けに「新何流し」を付けた。昭和42年の本ではこのまま友達が来て「ずっこけ」になっている。本人は昭和40年に亡くなっており、本には金馬本人が描いた葬儀の案内状が紹介されている。次の金馬(金翁)は名を継いだからこればかり演らされ、工夫も無く演るしかなく、「先代のをそのまま残そうとしています」と言うのが嫌だったと語った。他に春風亭柳桜を聞いた。上方の桂春団治(1)も「居酒屋」を演ったが、「煮売り屋」から通ったと言っている。

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