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400字で分かる落語「岩おこし」1

115:岩おこし(いわおこし):その1
【粗筋】 伊勢・二見が浦の夫婦岩が暴風雨で倒れ、どうして起こそうと相談をしていると、現れた老人が、杖の先でチョイと叩いただけで岩を起こした。
「あの人はいったい何者や」「大阪二つ井戸の岩おこし屋や」
【成立】 上方噺。東大の『落語辞典』ではこれで一席に扱っている。聞いたことはない。
【蘊蓄】 岩おこしは元禄元(1688)年、大阪道頓堀で売り出されたが、大阪では運河の工事が盛んで、大きな岩が掘り出されたため、「大阪の掘り起こし、岩おこし」といわれ、堅いおこしを作って「岩おこし」として売った。噺に出ている大阪道頓堀二つ井戸に「津の精」という店があったそうだ。阿弥陀池のほとりの「あみだ池大黒」は今も製造販売しているが、ここでは岩おこしより栗おこしが人気らしい(当時創業200年と聞いた)。2003年2月、落語関係で紹介させていただきたいと連絡したところ、当時82歳の五代目小林林之助様から懇切丁寧なお返事をいただいた。後刻ご紹介いたします。

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