個人ゲーム開発で失敗しない方法 はじめてのリリース編
■この記事を書こうとした経緯
某日、会社のオフィスにて。
上司
「悪いねKanno君。こんなご時世なのに今日は出社してもらっちゃって」
Kanno
「いえ。最近はいつもリモートですし、たまに出社するくらい問題ありませんよ」
上司
「ところでKanno君ってさ…個人でゲーム出してるんだよね?」
Kanno
「え?は、はい。そうですけど…」
上司
「アレってどうすれば失敗しないの?」
Kanno
「え?失敗しない方法?」
上司
「うん」
Kanno
「私の場合、成功している訳ではないんですけど…広告収入は微々たるものですし、開発費用を考えると収益はトントンかむしろ赤字ですよ?」
上司
「でも、ちゃんと完成させてリリースした訳でしょ?その方法を共有してくんないかな」
Kanno
「あ。失敗しないってその段階の話ですか」
上司
「そう、その段階の話。ウチの部署ってさ、知っての通りエンジニアも多く在籍してるじゃない?話を聞いてるとねー、いっぱいいるのよ。個人でゲーム作りたいって人が」
Kanno
「なるほど。でも、エンジニアならリリースまでの流れは知ってると思うんですけど…」
上司
「うん、流れは知ってる。でもね、ほとんどの人がリリースまでいかないで開発途中で挫折しちゃってるの」
Kanno
「あ、ああ…。私にも身に覚えがありますよ。大作を作ろうとして途中で飽きちゃったとか…」
上司
「そうそう。だからね、そうゆう事なんかも含めて教えて欲しいわけ」
Kanno
「…分かりました。ではさっそく記事を書いてみますね」
上司
「よろしく頼むよー」
■1作目の心構え
個人開発において1作目の制作というのはかなり重要で、この段階で挫折してしまった方も多いのではないでしょうか?
挫折の原因は主に以下の2つだと思います。
まず「1.完成品の理想が高すぎて、制作難度を自分で上げてしまっている」について、ゲームを作りたいと思っている方ならそうなっても不思議ではありませんよね。自分にとっての理想のゲームがあるからこそ、それを自ら作ってみたいと思うわけですから…。
ただ、1作目から理想の全てを詰め込もうとすると、どうしても立ち行かなくなってしまいがちです。1作目を作ろうとするあなたは言わばLV1の状態ですので、出来ない事の方がたくさんあるのです。
そこで一旦、理想のゲームの事は置いといて、自分が出来そうな事を目標にして1作目を開発してみるのはいかがでしょうか。まずは経験を積み、自分のレベルを上げるのです。そうすれば少しずつやれる事も増えていき、2作目、3作目とゲームを作っていく度に少しずつ理想に近づけるという訳です。
次に「2.思った以上にやる事が多く、時間を取られる間に飽きる」についてです。LV1の状態では、作業にどれ位の時間が取られるのか見積もるのが難しいという事ですね。楽観的に見ていた作業が実はすごく重い作業だった、なんて事はよくある話ですので、甘く見てはいけません。
そこで私は、各作業について以下のように危険度を設定して、高いものほど作業見積もりを多めに出すようにしています。
危険度の高い作業を多く含む開発というのは、それだけ失敗の確率も上がってしまいますので、なるべく低いものを選ぶのがオススメです。本職のエンジニアであればすでに危険度0~1の作業がいくつかは選べる状態かもしれませんが、まったくの未経験者でも実際に試してみればいいだけです。何事も経験が重要ですね。
時に、理想に近づくためには難度の高いものを選ぶ場合もあるでしょうが、1作目でそれをやるのはかなりチャレンジング。私はオススメしません。それよりもリリースの為にやらなければいけない作業が結構あったりして、その中には危険度の高い作業が含まれている事もあるので、そちらに時間が割かれてしまう場合があるからです。
■飽きずに長く開発を続ける方法 その1「開発を生活習慣に取り入れる」
さて、未知の部分が多い1作目にしろ、経験を積んだ2作目以降にしろ、ゲーム開発にはとにかく時間がかかります。そこで、長期間ゲーム開発を続けていくにはどうすればいいか、私が実際に取り入れている方法を2つお教えします。
まずはその1「開発を生活習慣に取り入れる」です。
これは、自分の部屋の一番くつろげるスペースの横に開発用PCを置き、いつでもゲーム開発できるようにゲームエディタも起動した状態にしておくだけでオッケーです。
私の場合、TV兼ゲーム部屋のソファのすぐ横に開発用PCを設置しています。こうする事で、一番リラックスした状態でスムースにゲーム制作を始められます。開発用PCに向き合う時間も自然と長くなりますし、オススメです。
■飽きずに長く開発を続ける方法 その2「どんなに忙しい時でも1日15分は開発する」
どんなに忙しい時でも毎日少しだけは必ず開発するように心がけましょう。1時間は無理でも、30分や15分くらいなら無理なく割ける気がします。
毎日やった方が習慣化できるから、というのも大きいですが、少しでも進めていると、開発をしていない時間も「次はああしよう、こうしよう。あの実装がうまくいかなかったから次は別のものを試してみよう」などのように思考を進める事ができ、時間を有効活用できるのです。
他にも時間を有効利用する方法はあると思います。自分に合った方法を見つけて実践するのが一番なので、探してみるのもいいかもしれませんね。
■さいごに
Kanno
「という事で、こんな感じにまとめました」
上司
「うん。じゃああとで皆に共有しとくから。ところでKanno君…」
Kanno
「は、はい…」
上司
「明日から毎日出社してくれない?」
Kanno
「え、ええっ!?ど、どうしてですか?」
上司
「いやほら、オフラインの方が安心するでしょ?」
Kanno
「……」
こうして私のリモート作業期間が終わり、個人開発に割ける時間が少し減ってしまいました。しかし、それでも私は毎日開発を続けているのでした。
※なお、この話はフィクションです。
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