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【日記】秋

もう秋らしい虫が鳴いている。
明らかに先週より空気が乾燥している。
昼休みにヘアオイルをつけな夕方にはパサパサになる。

コーヒーの焙煎も焙煎豆の表面がややカサっとしている。
外の気温が下がり空気が乾燥していると、焙煎機から外に繋がる煙突へ向かって空気がどんどん抜けていき、コーヒー豆の香りの抜けに注意が必要になる。
ただ、ここ2~3日くらいの程よい乾燥具合だと、コーヒー豆内部に真夏みたいな湿気は入らず、カラっとした香味が長く続く気がする。

こんな感じで秋は乾燥しているせいもあり、キンモクセイの香りなど匂いがよく感じられる季節だと思う。なんて素晴らしい季節なのだろう。ヒヤシンス(秋?だっけ)とか秋刀魚の塩焼きとか松茸とか、信号待ちをしている時の街路樹の幹など、秋は香りがいっぱいある。
そうなると何が起きるのかというと、言わずもがな創作ラッシュである。
私が人生で一番創作した量が多い季節は秋だと思う。

それに伴って思い出されるのは、大阪芸大の1回生だった時のなんかの講義である。彫刻の先生が「みんな、一人にならなあかん。図書館とか食堂の端で、一人やらないと意味がない」みたいなフレーズ。
もう10年以上前で断片的だが、未だに覚えている。
これは「何かを作りたいなら誰かと群れるのではなく、一人で寂しくても作りたいものと向き合わないといけない。人は一人の時にこそ成長する」と私は解釈している。
これが当時の私には物凄くしっくりきたので、その言葉のまんま一人で食堂や図書館で小説を書き、一人で家で曲を作っていたら32歳になった。

正直、それらが売れる気配など皆無である。しかし、クオリティとすばらしさを追い求めて空に向かって階段を一段ずつ積み上げていくような作業がものすごく楽しい。これこそが自分のやりたいことだと思う。

去年からコーヒーの会社の社員になったのでもうアルバイトの時みたいに世の中の端っこで創作することもない。素晴らしい。
創作を堂々とできるようになるために社員になった感がある。
結局、自分は大阪芸大の講義の言葉のまんまである。


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