超一流編集者の編集担当になって学んだ8のこと【前編】
はじめまして、かんき出版編集部のショージです。
担当した『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』が発売されました!
著者はアスコム取締役・編集局長の柿内尚文さん。
初めて名前を聞く方も多いと思いますが、業界内では知る人ぞ知るベストセラー編集者です。
長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上!「3万部を超えたらベストセラー」といわれる書籍出版の世界で、これだけのヒットを飛ばし続けている編集者は本当にごく少数だと思います。
この記事では、しがない編集者である僕が「超一流編集者の編集担当になって学んだこと」についてお伝えします。
編集業務に携わる人だけでなく、
●出版社の書籍編集者って何をしてるの?
●どうやってタイトルやカバーを決めてるの?
●どんな「売るための工夫」を凝らしてるの?
●ベストセラー編集者ってどんなことを考えてるの?
●わかりやすい文章を書くコツを知りたい!
●共感を呼ぶ文章を書きたい!
●ビジネス書を出版したい!
といったことを知りたい人は参考になると思います。
書き始めたら語りたいことがありすぎて、前後編の2回に分けることにしました。長くなりますが、お付き合いください。
では、スタートしましょう!
①タイトルは「可能性」を追求
キャッチコピーのように考える
「本はタイトルが9割」といわれることもあるほど、タイトルは本の売り上げを左右する重要な要素です。そのため、タイトル付けは非常に悩むポイントのひとつといえます。
これは見聞きしている範囲ではありますが、一般的にタイトルは「出版社側」が決めることが多いようです。
でも、今回の著者はなんといっても超一流の編集者。僕の何十倍、何百倍も知見があるはず。
ということでタイトルの考え方を聞いてみました。
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【2020年1月某日 築地のカフェにて】
僕:思考の本ってことは決まりましたけど、タイトルってどういうのがいいんでしょうね(さりげなくノウハウを聞いてみよう……)。
柿内さん:実は年末年始で、いま売れてるビジネス書を読んでみたんです。60冊くらい。
僕:えっ、60冊!? まじですか。
柿内さん:こういう本です(と言って、ずらっと並んだ本の写真を見せてくれる)。
僕:オオオオフッ! なんてことだ……お忙しいなかありがとうございます。
柿内さん:で、気づいたんですけど、最近のビジネス書のタイトルって“キャッチ化”してるものが結構ありますよね。
僕:キャッチ化……つまり、帯のメインで使われているようなキャッチコピーってことですか? 『1分で話せ』みたいな?
柿内さん:そうですね、あまり”ザ・タイトル的”なものではないイメージですね。
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この場では決まらなかったものの、「キャッチ化」というのは一つの視点として僕の頭に残りました。
さまざまな可能性を持つ表現に
結局、タイトルが決まったのは原稿が一通りそろった後のこと。2人で案を出し合ったなかで、「パン屋ではおにぎりを売れ」に決めました。
理由は以下の仮説が立ったからです(後になって気づいたものもありますが)。
①なんか面白そう、読んでみたいと思ってもらえるのでは
②「パン屋」も「おにぎり」も身近な存在で、幅広い人が興味を持てるのでは
③イラストイメージが作りやすい(装丁を考える際、文字だけでなくアイコンがあったほうが記憶に残りやすい)
④「パンおに」という略語でSNSでの拡散もされやすいのでは
⑤おにぎり型のポップを作れば、書店での展開で目立つのでは
⑥珍しいタイトルなので、動画として書店で流したとき、”音”として耳に残りやすいのでは
この案を考えたのは柿内さんなのですが、すごいなと思ったのは、タイトルを「単に一冊を包括する表現」(間違いというわけではないですが、ありがち)ではなく、「さまざまな可能性を含んだ表現」に落とし込んで考えていること。
①~③なら思い浮かぶ気もしますが、④~⑥については少なくとも僕は考えたことがありませんでした。
というわけで、タイトルは「パン屋ではおにぎりを売れ」に決まった……んですが、実はここからもう一歩工夫した点があります。
狙った「書棚」にいくようにサブタイトル・帯コピーを決める
それは、「どこの書棚に置いてもらうか」です。
本作りをする際、「書棚」はとても重要なポイントです。どこの棚に置くのかを決めるのは書店員さんなので、曖昧なタイトル、デザインだと「健康本のつもりで出したのに医療の棚に行ってしまった」なんてことが起こってしまいます。そうなったら届けたい読者に届かず、残念な結果になってしまう可能性があります。
今回の本はビジネス書ではありますが、そのなかでも「ビジネス思考系」の棚を狙っていました。
でも、なんです。
「パン屋ではおにぎりを売れ」というタイトルだと、「思考本」というよりも「マーケティング本」に見えなくもない。『ドリルを売るには穴を売れ』『100円のコーラを1000円で売る方法』といった「マーケティング」のベストセラーと同じ棚に行ってしまうのではないか? という懸念が出ました(もしくは「飲食店向けの本?」などと思う人もいるかもしれません)。
マーケターの方々に役立つ話はたくさん書かれているのですが、もっと幅広いターゲットに読んでもらいたい。そう考えると、このメインタイトルだけでは届けたい人に届かない可能性がある。そう思ったのです。
そこで、サブタイトルと帯に「思考本」というのがパッと見てわかるような言葉を入れました。
【メインタイトル】
パン屋ではおにぎりを売れ
【サブタイトル】
想像以上の答えが見つかる思考法
【帯の一部分】
地味だけど一生使える「考える技術」
(↑結局、これは帯ではなくカバーのネームになりました)
どうでしょう?
こうすると、「あっ、これは思考術の本なんだな」と思いませんか?
タイトルは多角的に考え、足りない部分があればサブタイトルと帯で補う。
こう書くと、まあ当たり前のことなんですが、当たり前のことだからこそ忘れてはいけないポイントだな、と改めて感じたエピソードでした。
② カバーデザインは「目の動き」を意識
いい年の男がこぞって「かわいいー!」と言ったデザイン
みなさんは、カバーデザインに一目惚れして本を買ったことはありますか?
僕はあります。アメリカ文学を熱心に読んでいた貧乏学生時代、トマス・ピンチョンという難解で重厚な物語を書く小説家の1冊3000、4000円くらいするハードカバーシリーズを買ったことがあります。特に『競売ナンバー49の叫び』という赤い本のデザインがめちゃくちゃかっこよくて(タイトルもクールですよね)、今でも本棚にずらっと並んだ姿を見るたび、「俺はセンスが良くて賢い人間なんだなあ(実際は真逆)」と元気づけられています。
話が逸れましたが、カバーデザインって見ていて楽しいですよね。
いわば本の「顔」。どういう顔にするかで、売れ行きは大きく変わります。
今回、デザインをお願いしたのは杉山健太郎さん。初めてお仕事させていただきました。たまたま直前に読んでいた本が杉山さんのデザインしたもので、調べてみたところポップだけど安心感のあるデザインをいろいろ手がけておられて「この人だ!」と思ってご依頼しました。
杉山さんとの打ち合わせも無事終わり、毎日「どんなデザインが上がるんだろう」とワクワクしながら過ごし、デザインアップの日を迎えました。複数案いただいたのですが、決めたのはこのデザイン。
どうです? タイトルも目立つし、色のコントラストもあって見やすい!
なにより、おにぎりのよいしょって出た感じがめちゃかわいい! さすが杉山さん! ブラボー!
……と舞い上がったのですが、実はこのデザイン、致命的な欠陥があるんです。このままだと絶対に出版できないレベルです。
ここでクイズです。
致命的な欠陥とはなんでしょうか? 10秒で考えてみてください。
はい。おしまい。わかりましたか?
答えは、そう、著者名が入っていないのです! 僕は同僚に言われるまで気づきませんでした……。確認したところ、僕が送った指示書にそもそも含まれていなく、本当ポンコツでダメな編集者だなと悲しくなりました。
ともかく、柿内さんにこの案を見てもらうことにしました。
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【5月某日 メールにて】
僕:柿内さん、すごい良いデザインですよ!(どやっ)
柿内さん:たしかに、タイトルのインパクトは強いし、おにぎりがかわいいしアイキャッチですね。でも、気になるのは、タイトル、帯メインキャッチ、サブタイトルという3つのコピーがちょっとバラバラに読めてしまい、三角関係で心を突き刺す感じが薄れてしまうことでしょうか。帯のメインコピーの位置にサブタイトルが来て、 サブタイトルの位置に帯のメインコピーが来るほうがすんなり意味が入りますかね?
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たしかに今の案だと、「メインタイトル→帯メインキャッチ→サブタイトル」の順番で目に入ってきます。
でも本当は「メインタイトル→サブタイトル→帯メインキャッチ」の順番で目立たせるのが狙いです。なので、「結果を出すには〜」と「想像以上の〜」の位置を入れ替えたほうがいい、というわけです。
「目の動き」と「目立たせたい順番」が合致していないと、伝わるものも伝わらなくなってしまう。
そういうことだと思います。
単調な動きにならないように
そして杉山さんに修正依頼を出し、上がってきたのがこちらのデザイン。
いかがでしょう? 全体的によりスッキリしましたし、「メインタイトル→サブタイトル(想像以上の〜)→おにぎり内のコピー(地味だけど〜)」の三角関係がより強まった気がしませんか?
ちなみに、帯の色が「白」に変わっていますが、これは僕の指示ではなく、「白地にスミ(黒)のほうが文字が目立つから」という杉山さん判断による修正です。これははっきりわかる修正ですが、きっと編集者が気づかない微調整をデザイナーさんはいろいろやってくださっているんだな、と思うと胸が熱くなりました(ちなみに、おにぎりの出方が少し変わってるのも杉山さんの判断です。気づきましたか?)。
さてこの修正デザイン、僕は「いい! とてもいい!」と思い、ふたたび柿内さんの意見を聞くことにしました。
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【5月某日 メールにて】
僕:柿内さん、修正あがりました! 見てください!(どやどやっ)
柿内さん:デザインのバランスはすごくよくなっていますね! ひとつあるのは、帯のメインキャッチがスミ文字になって、元の案の赤文字のように目に入りにくくなっているので、赤字にするのはどうでしょう。
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「メインタイトル→サブタイトル(想像以上の〜)→おにぎり内のコピー」の三角関係がより強まったものの、全部がスミなので、動きがなく目に入りづらい。そこで最初のデザインのようにサブタイトルを赤にしたほうがいいのでは、という提案です。
つまり、目の動きをうまく誘導させるためには、単調であってはならないということ。色を変えるなり、フォントを変えるなり、なにかしらの動きが必要ということです。
そこで修正を行い、アップしたのがこちら。
どうでしょう? 「想像以上の〜」が赤くなったことで強調すべきところがしっかり強調され、三角関係がより目に入ってくるようになりました。すごく良くなりましたね!!
柿内さんもこちらでOK。最後に丸囲みの「累計」は要らないかと思い、それを取ってデザインが完成しました。
人によっては「えっ、大して変わってなくない? そんなにこだわる必要ある?」と思ったかもしれません。でも前にも書きましたように、カバーデザインは本の「顔」。鼻毛が1ミリ飛び出していただけでも見逃すことはできないのです。
デザイナーさんの創り出した世界観を壊さないよう、でもこちらの意図を汲み取ってもらいながらクオリティを徐々に上げていく。こういう仕事ってクリエイティブ力が乏しい僕のような人間でも、実際に創っている感じがして、とても楽しいんですよね。書籍編集者のなかには「カバーデザインのやりとりが一番ワクワクする」っていう人、多いんじゃないでしょうか。
③大半の読者が見ていない部分こそ工夫を凝らす
本の裏側、ちゃんと見たことありますか?
ここまで読んだ人のなかには、こう思った人がいるはずです。
「おいショージ、おまえ柿内さんに頼ってばかりじゃないか?」と。
ええ、そのとおりです。「わからないことがあったら人に聞く」。これがショージ家の家訓でして、貧相な脳みそで余計なことを考えるくらいなら、さっさとプロの意見を聞くというのが私の方針でございます。
しかも今回の著者は、1000万部という偉業を達成した超一流の編集者。芸人でいうならダウンタウン 、ギタリストでいうならエリック・クラプトン。「盗めるものはすべて盗め」というルパン三世よろしく(そんなこと言わないか)の精神で取り組んでいました。
さて、前項では「カバーの表」を決めるまでの過程をお話ししましたが、今度は「カバーの裏」の話です。
みなさんは書店で本を買うとき、ひっくり返して裏まで見て買っていますか?
いえいえ、価格ではなく「キャッチコピーやデザイン」です。
僕が一読者のときは、まず見ません。というか価格以外に見た記憶はありません。
興味のある方は、今度書店に行ったとき、ぜひ「本の裏側」も見てみてください。「章立て」だったり、「この本のポイント」だったり、「この本を読んでほしい人」だったり、「推薦文」だったり、「【はじめに】など本文からの抜粋」だったり……いろいろなことが書かれているはずです。
見てくれた人に「特別感」を与える仕掛け
この「カバー(帯)の裏」、実は「こうしたほうが売れる」という話を(少なくとも僕は)聞いたことがありません。タイトルやサブタイトル、表側の帯の表現については、さまざまなアイデア、ノウハウを見聞きしたことがありますが、「カバー(帯)の裏」についてはなぜかないんです。
そこで今回も柿内さんに聞いてみることにしました。
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【5月某日 メールにて】
僕:柿内さんは帯裏、表1の袖(注:カバーが折り込まれた部分)をどのような視点で考えていますか?
柿内さん:表1袖、表4(注:カバー・帯の裏側)についてはいままでいろいろ考えてやってきましたが、いまの僕の結論は「購入時はあまり読まれていない」ということになっています。
もちろん買って本を読み始めるときに読んでいる可能性はあります。でも、書店でこれまで何度もお客さんの購買動向を調査したことがありますが、表1袖、表4を読んでいる人にはあまり出会わなかったです。
なので、僕としては「おもしろくする」というのが一番ではないかなと思っています。もちろん本の説得コピーを入れるのもありだし、本に愛着が持てるデザインを考えるのもありだし、とにかく「いい雰囲気を出すためのスペース」と考えています。
ちなみに、最初のころは必死にお客さんを説得するコピーを全部のスペースに入れ込んでいました。もちろんそういうのもありだとは思います。
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質問ばかりの僕に対して、なんて丁寧でタメになる回答! こんな人になりたい……っていうのは置いといて、本当に勉強になるお話ですよね。それなりに目立つ場所だと思っていたのに「あまり読まれてない」。
ただ僕自身、「手に取り、ひっくり返して、そこに書かれている内容に惹かれて買う」という経験がなかったわけですし、実際そういう話も聞いたことがなかったので「そうなのかもしれないな」と思いました。
じゃあ、どうするか。
「お客さんを説得するコピー」や「本に愛着が持てるデザイン」を考えるべきか……。いやいや、どうせなら違うことをやってみたい!
そこで僕が出した結論は次のようなものです。
見てくれる人が少ないなら、逆に面白い仕掛けをすれば「これに気づいてるのは自分だけじゃない?」と特別感を持ってもらえるんじゃないか。
そうすれば(気づいた人にとっては)本の価値がグッと上がるはずだし、SNSや口コミで「誰かに伝えたい」って思うんじゃないか。
ということで柿内さんに提案したところ、「それ面白いですね!」と言っていただき(やったああああ!)、できあがったのがこちら。
どうです? 特別感があるかはわかりませんが、少なくとも思わず読んでしまいませんか?
最初は、普通に読むと「編集担当の推薦文」だけど「スキュタレー暗号(新聞なんかであるタテ読みすると別の意味になるもの)」にしようかなと考えたこともあったのですが、わかりづらすぎるのでシンプルな「問題」にしました。
でもこれ、ただの問題ではありません。二つほど工夫しています。
① この四角の枠、インスタで投稿しやすいよう正方形にしています。
② 右下に「答えはこちらに」と書かれていますよね。実は、ここをめくっていただくと驚きの回答が載っています。これはネタバレできませんので、ぜひ実物をチェックしてみてください。
大半の出版社ではカバーデザインの「表側」については、編集部内の決裁が必要だったり、営業部や広報部からあれこれ言われたり、社長チェックが入ったりと何人、場合によっては10人以上の確認を経て決定しています。
でも「カバー・帯の裏」や「袖」に関しては、編集担当がそれなりに自由に決めていることが多いように感じます。
一目惚れもいいですが、カバー全体をあれこれ見ていただくと、著者や編集担当のこだわりや工夫が見つかり、さらに魅力を感じるかもしれませんね。
④ 記憶に残る「はじめに」を
最初の数ページが勝負
出版が決まって間もない頃のこと。
「売れる本にするためには記憶に残るツカミを入れるべき」という話を柿内さんとしました。
記憶に残るツカミ?
そう、言い換えれば「印象深いエピソード、たとえ話」です。
僕らの共通イメージは『伝え方が9割』という大ベストセラーの「はじめに」に出てくる「パスタ」の話です。
気になる女の子をデートに誘うとき、単に「ご飯に行かない?」と言うよりも「オープンしたばかりのパスタ屋さんがあるんだよね。評判もすごく良いみたいだし、よかったら付き合ってくれない?」と言ったほうが相手に伝わる。細かい部分は忘れましたが、そういう話です。
ちなみにこの「パスタ」の話、柿内さん以外の編集者と話している会話のときも、何度か例として出たことがあります。それくらいこの業界では共通言語になっているんですね。
記憶力が乏しい僕でも覚えることができたのは、このエピソードが「シンプルで腑に落ち感がある」からだと思います。
誰でも一度は悩んだことのあるシチュエーションで、かつ「あっ、そういう方法あったんだ!」と思えるもの。それがポイントなのではないでしょうか。
そこで柿内さんが考えてくだったのがこちら。
問題
男子校に通う高校生の男の子がいます。
彼は女の子にモテません。
彼の望みは、たくさんの女の子と友だちになること。
でも、女の子と知り合うきっかけもなければ、
ナンパする勇気もありません。
どうしたら彼は女の子の友だちを
つくることができるでしょうか?
これ、柿内さんの実話なんですが、聞いたときは「わかるわーー」と思わず唸ってしまいました。僕は共学でしたけど、この気持ち痛いほどわかりますもん。
この問題は本書のいちばん最初に書いてあるのですが、さすがだなと思ったのは、このあとにもうひとつ面白い問題があり、さらにはタイトル「パン屋ではおにぎりを売れ」に込められた意味も書かれていることです。「こんな面白い問いと回答が続くと、もっと読み進めたくなる!」って一読者としても素直に思いました。
膝を叩いたり、常識を覆されるエピソードを「はじめに」に「複数」入れる。
これは柿内メソッドなのではと勝手に思ってしまいました。
読者の方々にとって、男子高校生が女友だちを増やす方法が「記憶に残るもの」になったのかはわかりません。
でも、一部の書店さんやメディアからはこのエピソードを出して本書を紹介してくれています。「異性と関係を持ちたい」という想いは多かれ少なかれ誰しもが思ったことがあるはずなので、きっとこの問題(と回答)に刺さるものがあったのではないかと予想しています。
以上、前編でした。
このままでは1万字を軽く超えそうなので、近日中に残りの4つを公開します。
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後編はこちらから!
では、また!