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第2回 竹田信弥さん(双子のライオン堂)

大好きな人に幸あれ 今すぐに幸あれ 日常的に幸あれ 『新しい猫背の星』尼崎武

 この歌集の中には「しあわせ」という言葉がいっきに襲ってくるページがある。
 僕は、これまで「しあわせ」という言葉が物騒なもののように感じていた。
 自分の「しあわせ」を口にするのも、他人の「しあわせ」を願うのも、気恥ずかしくて、少し怖い。あなたはしあわせかもしれないけどね! とか、おまえ何様なんだ! と言われるかもしれないし。口にした瞬間、そうでなくなってしまう気もする。それで不幸自慢が増えてしまう。
 でもやっぱり、「しあわせ」をストレートに表明するのもいい。もっとフランクに衒いなく使ってもいい言葉のはずだ。そうやって慣れていくうちに、小さな「しあわせ」を見つけやすくなるかもしれない。
 挙げた歌以外にも、全体的に「しあわせ」が寄り添っている。
 この歌集は、「しあわせ」の発声練習のようだ。
「ほんのひとさじ」vol.8より)

竹田信弥(双子のライオン堂)

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第1回 吉村まどかさん(くまざわ書店サンリブもりつね店)

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