民泊がもたらす地域創生の未来


民間宿泊、略して“民泊”。

民泊。多くの人はどこかで聞いた事があるか、1度くらいなら利用したことがある人もいるかもしれません。

近年、民泊仲介会社であるAirbnbが新たな一面で注目されているのをみなさんはご存知でしょうか。

Airbnbを簡単に説明すると、空き家や使っていないスペースを貸し出すホストと、ゲスト(旅行者)をマッチさせるサービス、いわゆるホームシェアリングを実現しています。

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日本国内のAirbnbのホストが所有する民泊物件数は2015年から2017年の間で急速に増え、43000件以上に登っています。訪日外国人がまだまだ増え続けていることもあり、これからも物件数は増えることが予想されるでしょう。

しかし、民泊って聞いたことあるけれど、「使ったことがない。」「なんだか危なそう。」といった意見が多いのは事実で、まだ世間には浸透しきっていない様子です。
ある市場調査では、民泊に対する印象がネガティブな人が多いことがこのグラフから読みとることができます。

アンケート

2008年に創立したAirbnbは、2018年6月15日の民泊新法によって民泊の条件が厳しく取り締まられることなり、利用者の減少が懸念されました。しかし実は、この新法施行は、ホストたちが合法的に観光事業に貢献することができるきっかけとなったのです。

Airbnbの本質は、人と各地域のつながりを作り、交流をし、今までになかった新しい経験をする、というもの。

私は1年前、Airbnbが主催する全国10都市をめぐるキャラバンツアーというものにスタッフ側として参加をしました。このツアーは、2年前の民泊新法を受け、より多くのホスト(宿泊場所の提供者)とゲストとが知り合い、コネクションを深めることを目的として立ち上げたプロジェクト。各都市を3ヶ月かけてめぐりながら、Airbnbに興味がある人とホストとのミートアップの場を作ることもプロジェクトの重要な目的の一つです。参加者はAirbnbを利用するホストやゲストはもちろん、各地域にいる大人、子どもたち、大勢の人が参加をしています。


私は、過去にAirbnbをゲストとして利用したことがありますが、安くて使い易い、単なる宿泊施設としてしか見ていませんでした。

しかし、このキャラバンツアーでのイベント運営を通して、民泊の新しい可能性を感じました。

イベントの内容


キャラバンカーで周る10都市のほとんどは、地域活性化が必要とされている場所ばかり。その中でも私が訪れた千葉県の月崎駅は無人駅で、周りには小さなヤマザキショップがポツンとあるのみ。
しかし、地元の人に案内され探索をしていくと、まずは珍しい素掘りトンネルがあるらしい。千葉県房総半島には多くの素掘りトンネルが残っていて、トンネルの中を通ると、壁には地層が映し出され、奥に進んでいくと、ジブリの中にいるようななんとも美しく、神秘的な空間が広がっています。

トンネル

ああ、田舎の自然っていいなと思わされるような景色が広がっていて、この月島駅にある素掘りトンネルを見に、遠方から尋ねに来る人もいるのだとか。
また、千葉県市原市のいちはらクオードの森では、毎冬、鮮やかなイルミネーションが演出されています。東京周辺にはこの時期、たくさんの、イルミネーションスポットが多くの人で賑わいますが、都会のイルミネーションとなにが違うって、その土地の広さ!
広大な自然の地形をいかしたイルミネーションは、人混みのない空間の中でゆっくりと鑑賞することができました。

地域創生の仕方を考える。

このようなスポット巡りをして、まず地域の名所を尋ねることはとても刺激的でした。

しかし、それ以上にその地元で民泊を経営しているホストと、都内や他の地域のホスト、そして小さな子どもたちと一緒に交流し、濃い時間を共有して新しい経験をする。新しい人との繋がり方をする。

そうして地域の人と外の人がつながることで、地域が活性化し、都内の人だけではなく、地域のこんな人と繋がりたい、その地域の人とこんなことが一緒にしたいを叶えられるチャンスが、民泊にはあると思います。

これはモノや金を超える、価値ある経験の一つと捉えています。

私が参加したAirbnbのイベントはキャラバンツアーという大きなイベントでしたが、これからの民泊は、地元をよく知るホストと繋がるプラットフォームを通して、ゲストが様々な地域に行き、その他の人と出会うことが実現する形で使われる将来があるかもしれません。

最後に

少子高齢化や地域の過疎化などは日本の抱える重大な社会問題として認識しなくてはなりません。この記事が、民泊が、地域創生を促進できる可能性があるということを少しでも多くの人に知っていただく機会になったら、非常に光栄です。