舞台に臨む"姿勢"について。


今までこういう話をあまりした事がなかったのですが、ちょっと話してみたくなりました。
人によっては「頑張ってるアピール鬱陶しい」と感じてしまうかもしれませんので、どうか興味のある方だけ読んでいただければ幸いです。

noteの良いところは、そういうところだと思います。Twitterだと、時に見たくない情報も目に入ってしまいますから。


先日、物凄く久しぶりに舞台に立ちました。
ご観劇くださった方々、本当にありがとうございました。

私は本番前、必ずやっているルーティンがあります。筋トレやストレッチなど身体を動かしてから、発声をして、それから台詞を声に出して確認をします。

久しぶりにやったら筋肉痛が酷くて、差し入れで頂いたこちらが大変役に立ちました。これ、とってもお勧めです。

めっちゃ良かった。ありがとうございます。


「え。そんなの、当たり前じゃないの??」と思われるかもしれませんが、本番前の過ごし方って結構それぞれだったりします。

私の場合は、どうしてもこれをやる時間が欲しいので、時間が少ない時はメイクを家で先にしてきたり、ご飯を簡単なもので済ませたりして、その分アップに時間を取るようにしています。

実際に先日のお芝居を観た方はお分かりかと思いますが、今回、自分は出演者の中で台詞量が多い方ではありませんでした。
出番や台詞量が少なければ、そこまで準備する必要無いのでは?と思わなくもなかったのですが、ずっとそれをやると決めているので、今回も変わらずやりました。

昔、少し広めの小劇場で少々ハードなお芝居に出てから、本番の最中に「声を出す」という所に意識を割くのは非常にストレスだと感じるようになりました。
声が出ていない事を演技中に自覚すると、それだけで本番が心から楽しめなくなります。

予め声が出るように準備をしておくのは、声が届かない事でお客様にストレスを与えないためでもありますし、演技中、自分自身に余計なストレスを与えないためでもあるのです。

じんわり汗をかく位まで動いて、少し眠くなる位の状態だと身体がほぐれて、楽に発声できている気がします。そう思い込んでいるだけかもしれませんが。
これをルーティンにしてから本番期間中に喉を壊した事はないですし、何もしないよりは、時間があるなら何かしていた方が安心できます。

人間ですから、どんなに準備をしたって失敗する時はします。

台詞を覚えたつもりでも、本番中にふと不安がよぎる事があります。
台詞を噛んだり、忘れたりしてしまうのは、大抵自分を疑った瞬間に起きます。これは自分の中での感覚に過ぎませんが…

何かしておく事で、自分を少しでも信じられるなら、やっておくのに越したことはないと思うのです。
少なくとも、本番前に準備を沢山している人が大きなミスをしている所を、私はあまり見た経験がありません。

私が今の本番前の過ごし方になったのも、過去に数々の失敗があったからです。
舞台を始めたばかりの頃には、大事な場面で台詞が抜けたり、「出とちり」をしてしまった事もありました。

元々がうっかり者で、決して完璧な人間ではないからこそ、自分を信じられるまで準備をしてから本番を迎えるようになりました。
勿論失敗は誰しもありますし、お互いにカバーしあう物ですが、それは失敗しないための準備をしない理由にはなりません。

自分が失敗したその一回は、観劇をした誰かにとって特別な一回かもしれません。

「観に行ってよかった」その一回が、自分や相手の人生を大きく動かすかもしれないし、
「観に行かなければよかった」その一回で、二度とその人を舞台に呼べなくなるかもしれません。

そして自分の失敗は、誰かの失敗にもなり得ます。
自分と共演した他の人の役者人生も左右するかもしれないのです。

舞台は、沢山の時間とお金をかけて作り上げています。
それなのに、映画のように何回も観て貰えるチャンスがありません。

私は、これからも、自分が関わる舞台で後悔はしたくないですし、観た人にも後悔してほしくないです。

だから、私は次もきっと、いつも通りに準備をします。
関わる人達全員が「やって良かった」という気持ちで本番を終えられるよう、起きるかもしれないミスを、少しでも未然に防ぐために。
役の大小や、芝居のスタイル、箱の大きさもそこには関係ありません。

あまり誰かへの当て付けになりそうな事を発信するのは日頃避けているのですが、たまには自分なりに信じてやっている事を伝えてみるのもいいのかなと思い、「私が本番のためにやっている事」をテーマにお話してみました。

最近では気を付けて出演する場所を選択しているのであまりないですが、過去には本番になっても台詞が完璧に入っていないとか、そういう人とご一緒した事もあります。
そんな人が、何故か偉そうにSNS上で物申していたりもするので、私のこの文章が果たして信用に繋がるかはわかりませんが、少しでも今の自分と、関わっている舞台に興味を持っていただけるきっかけになれば嬉しいです。

来年二月には、1990年代、週刊少年ジャンプにて連載された漫画『アウターゾーン』の舞台にミザリィ役として出演します。

↑こちらのフライヤーに描かれている女性です。


『アウターゾーン』の案内人(ストーカー)として、オムニバス形式の様々な物語に登場します

大役、と言えば大役なのですが、役柄に上下もなく、全員で作り上げる物だと思いますので、ご一緒する方々への感謝と尊敬の心をもって、謙虚にやるべき事を積み重ねていきます。

noteの更新も、かなり不定期ですがまた投稿したい事があったらフラリとやっていきますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ここまで読んでくださったあなたも、どうぞ良いお年をお迎えください。
いつも本当にありがとうございます。

それではまた、そのうちに。


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