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【新説・魚食レポvol.1】メヒカリの炙り姿鮨はマシュマロだった

福島の相馬からいつもと雰囲気が違うメヒカリ(マルアオメエソ)がやってきた。

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なんと「刺身」で食べれるメヒカリだ。
メヒカリ自体は他に、茨城、千葉、愛知、宮崎などでもとれるが、
基本「底引き網」でゴソっととられるため、ここまでの状態で東京に来るのは珍しい。
仕入れたHさんに聞いてみると、漁法は同じ。
ただ産地の人が、良いものだけを寄って出荷してくれてるのだとか。
福島は依然試験操業中*1のため、航海時間がもしかしたら他産地より短い可能性がある。
そこにも鮮度の秘密があるのかもしれない。
(もちろん安全な魚だ*2)

*1 福島県における試験操業の取組
いまだ原発の影響により補助金を得ながらの試験操業となっている
*2 緊急時モニタリング検査結果について(福島県・水産物)
令和2年4月下旬の検査結果だが基準値を超えた検体はゼロだ。水揚げごとに毎回検査は魚種別に行われている

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まじまじと手に取り眺めると、お尻もぷっくり良い風貌だ。
(一説によると、マルアオメエソの方が南方のアオメエソより小顔でふっくらしてて旨いと言われている)
腹をさばくと小エビが出てきた。

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イサダ*3(ツノナシオキアミ)だろうか。

*3 【イサダについて】
イサダは岩手大船渡や宮城女川で多くとられるが近年不漁(イサダが記録的不漁/岩手)が続いている。駿河湾のサクラエビや瀬戸内のアキアミも資源が減少しているので小エビの未来が心配だ。

せっかくなので寿司にでもしようかと思ったが、半身だと細くて見栄えが悪そうだ。
ふと、良いアイデアが浮かんだため数尾を試してみることとした。
その名は、

「姿鮨(すがたずし)」


高知ではボウゼ(イボダイ)やアユをこの鮨にする文化があるようで、
それを真似っこ。
ただ頭はカット。
なんだか食べるとき魚に申し訳なくなりそうだからだ。

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さて仕込みを続けよう。
アジの開きを作る時のように背骨を尾の付け根で断ち、腹骨や小骨をテキパキととる。
背ビレも食感を損なうのでカット。
水気を拭いたら、砂糖、塩と丁寧に締めて中の身の水分も抜いていく。
(砂糖締めをしておくと、塩のみより味の角が丸くなるため僕は好きだ。)

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ほどよく水気がとれメヒカリの皮が綺麗に輝いている。
最後に酢で30分締めて終わり。

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今回は米酢が不足したため、かんたん酢と等量で割って使用。
1晩落ち着かせてから握った。

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美味しい~~~!!

特に皮目がうまい。
ジワっと皮ぎしの脂が酢の酸味と混じりたまらない気持ちになる。
メヒカリの皮は薄いので、30分酢で締めただけで噛み切れる柔らかさになるのだ。

皮に脂…。

こりゃ炙ったらどうなるんじゃ…...

ボゥッ!!

バーナーの火をあてがうと即座にメイラード反応を生じて色づき、香ばしい煙が鼻をかすめた。

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これがメヒカリの炙り姿鮨だ!!

パクリ!

びゃぁ~~~~!!!!!
最高じゃぁ~~~!!

興奮しながら、妻にも炙ったものを薦めてみた。

パクっ!

・・・

・・・

うーーーん!美味しいね!!

マシュマロみたい!!



マ シ ュ マ ロ み た い ! ?

【メヒカリの酢締め2人前レシピ】
メヒカリ...... 6尾(丸魚体 計250g)
砂糖(上白糖)...... たっぷり。30分
塩(オーストラリア産天日塩)...... たっぷり。15分
米酢+かんたん酢...... 半半を浸るまで。30分

余談

半身の刺身で握った寿司も十分美味しかったです

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サポート頂けたら勿論ありがたいのですが、出来たらそのお金でご自身で魚を買って捌いてみたり、居酒屋でプロが作る魚料理を食べてください~~!!