岡田勘一[編集者・ライター]

編集者・ライター/有限会社マイストリート所属 小説の企画・編集 アニメ関連のブックレ…

岡田勘一[編集者・ライター]

編集者・ライター/有限会社マイストリート所属 小説の企画・編集 アニメ関連のブックレット・パッケージ制作 各種インタビュー執筆 ライトノベルガイドブック、アニメガイドブック制作 その他、いろいろ編集してます。

マガジン

  • 編集者目線から「ライトノベル」を分野別に考える

    編集者目線で、「文庫ライトノベル」「Web発新興ライトノベル」「ライト文芸・キャラ文芸」について、戦略的な作品アイデア、企画の考え方をまとめたものです。

  • 改めて出版業界の知識を学ぶ

    特殊な用語や慣習……初めて出版をすることになる人にはなかなかわかりにくい出版業界の知識を、なるべくわかりやすく解説していければと思います。

  • ライトノベル関連

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編集者が求めている要素をまとめる、新作企画書+プロット

 こんにちは、マイストリート岡田です。  新作プロット、書いてますか?  現代は小説投稿サイトが溢れていて、小説を書きさえすれば人目の付く場所にへ出すことができます。書いて出しを続け、連載を続けていける猛者も存在します。  プロットなんて面倒だし、とりあえず書き出せばアイデアが出てくるだろうという考えがあるかもしれません。  とはいえ、多くの人は『プロット』という作品の設計図を作った上で、それに沿って書いていくでしょう。  商業作品を書くようになったら尚更です。感覚的

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    • 最小の物語は「王が死んだ」で表せる。これを創作として発展させるのは「自分の言葉で語る」こと。

       進捗どうですか?  2歩進んで3下がるような日々を過ごしております。  僕はいま編集者として書籍編集に関わりつつ、これもまた書籍編集の一環として「すごい創作術ラジオ」という企画をやっています。  これは「創作術の本を100冊読んで、極意を1冊にまとめてみた」という主旨の本を作るための一環なのです。  大量の創作術本を読みながら、これまで自分が触れてきた「物語」や「ストーリー創作」「プロット構成」などに、改めて向き合っています。  向き合ってみて、いろいろな創作に関する

      • 創作術の本を100冊読んで、極意をまとめる企画を始めました

        進捗どうですか。 僕はダメです。 どうも、マイストリート岡田です。 現在、「創作術の本を100冊読んで、極意をまとめてみた」という主旨の出版企画が進んでいまして、実際に100冊+αを集めてリサーチを進めています。 それに伴って、しっかり学んだ創作術をアウトプットし、さらには実践していこうという試みとして、ラジオ番組を始めました。 『すごい創作術ラジオ』として、YouTubeとPodcastで番組を配信していきます。 創作をするなら「テンプレ」を学べ!【創作術100冊読

        • 【担当作発売】『恋になるまで、あと1センチ』指先が、心に触れる、その意味を考えて

           こんにちは、マイストリート岡田です。  noteの記事を書くのがだいぶ久しぶりになってしまいました。年末あたりから仕込んでいた昨日が、3~6月でいろいろと刊行されます。  3月は春らしい一作。  第9回ネット小説大賞を受賞した 『恋になるまで、あと1センチ』 です。  著者は六つ花えいこさん。(@eieikko) 『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』などのファンタジー恋愛ものを

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          『Outer Wilds』の太陽系に起こったことを時系列整理する

          宇宙を飛び回りながら、謎を解くアドベンチャー『Outer Wilds』。 このDLCである「Echoes of the Eye」が発売された。 これは、単なる追加コンテンツではなく、『Outer Wilds』の世界に組み込まれていた、もうひとつの大きな物語だった。 本編で「宇宙の目」の謎として残っていた部分を見事に補完し、奇蹟のような物語をより奇蹟の物語として彩ってくれた。 ここでは、“あの宇宙”で起こったことの時系列を、最初から最後まで簡潔にまとめてい

          『Outer Wilds』の太陽系に起こったことを時系列整理する

          ライトノベルのタイトルをAIテキストマイニングしつつ、タイトルの傾向を調べてみた

           どうも、マイストリート岡田です。  9月4日から23日にかけて、『このライトノベルがすごい!2022』のアンケートを行っていました。  現在はその集計結果が出まして、各編集部とのやり取りが始まり、インタビューの予定などが立っています。  10月で制作を行い、11月下旬発売予定です。  楽しみに待っていてください!  今回の記事では、アンケートの際に使用した「ライトノベル作品参考リスト」を参考に、ライトノベルのタイトルについて、特徴的なワードや、好まれやすい傾向などを分析

          ライトノベルのタイトルをAIテキストマイニングしつつ、タイトルの傾向を調べてみた

          『このラノ』式、ライトノベル400字レビューの書き方

           進捗どうですか。  マイストリート岡田です。  このnoteは、編プロ所属の編集者である岡田が、そのときそのときの思ったことを書き連ねていくやつです。  夏休み。夏休みといえば読書感想文……  ではなく、『このライトノベルがすごい!』の準備が始まる時期ですね!! 『このラノ』という言葉が出てくると、その年の終盤にさしかかっていると感じられ、さながら季語のような趣があります。  ということで今回は、タイトルにも書いている通り『このラノ』の作品ガイドとして載っているレビ

          『このラノ』式、ライトノベル400字レビューの書き方

          【著者インタビュー】「作中では母と娘の相性の悪いタイプを想定して、そういう人にとって一番辛いだろうシーンを重ねました」

          『あなたを愛しているつもりで、私は――。娘は発達障害でした』  今回のインタビューでは宝島社より8月11日に発売する『あなたを愛しているつもりで、私は――。娘は発達障害でした』 についてのお話を伺っていきます。  四六版ソフトカバーという判型で、いわゆる一般文芸として書店に並びます。  本作は第8回ネット小説大賞を受賞した作品です。この小説賞は、クラウドゲートという会社が主催となって、小説家になろうさんと提携したもので、たくさんの出版社が同時に受賞作品を選ぶ形式で行われ

          【著者インタビュー】「作中では母と娘の相性の悪いタイプを想定して、そういう人にとって一番辛いだろうシーンを重ねました」

          居酒屋のぶと古都アイテーリアの変遷――『異世界居酒屋「のぶ」』の世界がどう変わっていったか、ざっくり振り返る

          進捗どうですか? マイストリート岡田です。 2021年7月8日に、約2年ぶりの新刊となる『異世界居酒屋「のぶ」七杯目』が刊行されました! 本作は2018年にサンライズ制作でアニメ化され、2020年にはWOWOW制作でドラマ化されました。 コミカライズは3シリーズ進行中で、スピンアウトストーリーの『異世界居酒屋「げん」』も展開中です。 詳細はこちらの公式サイトをご覧ください。 『異世界居酒屋「のぶ」』とは  京都の裏路地に店を開いたはずの居酒屋「のぶ」は、なぜか正面

          居酒屋のぶと古都アイテーリアの変遷――『異世界居酒屋「のぶ」』の世界がどう変わっていったか、ざっくり振り返る

          「定義する」のは危険なのか、必要なのか。編集者として考えていること。

           進捗どうですか? マイストリート岡田です。  このnoteは、編プロ所属の編集者である岡田が、そのときそのときの思ったことを書き連ねていくやつです。 「ラノベ定義論スペース」を通して「定義する」ことに対する様々な意見が飛び交っていました。  ライトノベルに対しては「ある程度のぼんやりとした枠組みや感性が存在するが、時代の流れや個々の作品によって柔軟に変化可能なもの」だと捉えています。ライトノベルは同時代小説でありエンターテイメントの良いところ欲張りセット&カウンター&

          「定義する」のは危険なのか、必要なのか。編集者として考えていること。

          協力して物語を作るストーリーテリングゲーム『終わりから始まるクロニクル』が面白い!

           進捗どうですか? マイストリート岡田です。  実家に引っ越して引きこもっているせいでボードゲームが全然できていないのですが、うまいことやればオンラインで遊べるなーと考えつつボードゲームアリーナを使うことなくぼんやりと日々を過ごしてしまっていました。  そんな最中、関東最大級のボードゲーム会「ミスボド」を主催している、秋山真琴さんがデザインした『終わりから始まるクロニクル』を手に入れました。  簡単に言えば、参加プレイヤーがシナリオの12パートを分担し、協力して整合性の

          協力して物語を作るストーリーテリングゲーム『終わりから始まるクロニクル』が面白い!

          編集者は小説賞の選考をするとき、作品の何を見ているのか(個人的視点)

           進捗どうですか? マイストリート岡田です。  このnoteは、編プロ所属の編集者である岡田が、そのときそのときの思ったことを書き連ねていくやつです。  新たな小説を出版社が求めるとき、原稿を募集する小説賞が開催されます。紙の原稿の送付を受け付ける賞もありますが、現在はWebでのデータ応募や、そもそも小説投稿サイトとコラボした小説賞が多くなりました。  僕も毎年作品を選出している、「ネット小説大賞」は今回で9回目になり、今回は過去最大数である13,000作もの応募をいた

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          「昔の文学作品って読む意味あんの?」という人ほど読んでほしい『辰巳センセイの文学教室』

           進捗どうですか。マイストリート岡田です。  5月のGWが明け、昨年から準備を進めていた新作『辰巳センセイの文学教室』が発売となりました。なんと上下巻同時発売です。 『辰巳センセイの文学教室』は、辰巳祐司という国語科の教師を中心に、3年間の高校生活内で起こる様々な事件を描いていく物語。 「炎上姫」とあだ名される生徒・円城咲耶からの恋慕を躱しつつ、近づきつつ……といった恋物語も描かれていきます。  ストーリーの大きな特徴は、事件が描かれるメインパートとは別に、文学作品を扱

          「昔の文学作品って読む意味あんの?」という人ほど読んでほしい『辰巳センセイの文学教室』

          ライトノベルとライト文芸って何が違うの?

           進捗どうですか? マイストリート岡田です。  このnoteは、編プロ所属の編集者である岡田が、そのときそのときの思ったことを書き連ねていくやつです。  今回のテーマは、小説ジャンルの中でも目立っている分野である、  「ライトノベル」と「ライト文芸」の違いについて。  一言で言ってしまえば「書店の売り場(棚)が違う」です。ほぼイコールで「主要な想定読者層が違う」とも言えます。作り手側の都合です。  それから作り方もちょっと違います。ライト文芸はカバーにイラストを用いて

          ライトノベルとライト文芸って何が違うの?

          田舎の実家に引っ越して、リモートワーク始めます。

           こんばんは。マイストリートの岡田です。  いろんな事情から、千葉の田舎にある実家に引っ越し、リモートワークを始めます。  まだまだ新コロの影響は続きそうでしょうし、この1年間で働く環境も変わってきました。  どんな場所でも仕事ができる環境を整えたことと、高い家賃を払い続けるのもキツい状況になってきたので、いっそのこと実家に帰ろうと思いたちました。  実家は飲食系の自営業をやっていたのですが、父が亡くなってからはほぼ放置されていて廃墟同然だったのですが、これを機にリフォ

          田舎の実家に引っ越して、リモートワーク始めます。

          『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は、ありったけの愛を感じさせてくれた。

          『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を初日に観ました。  何を言ってもネタバレになるし、自分の心からドロドロと流れ出るあれこれをぶちまけるのは木の虚の中だけにしておこうと、日記的にまとめておいたり、友達とクローズドなところで話したりしていたのですが、それでも巨大感情が溢れてくるのが『エヴァ』のすごいところ。  もうネット上にはテキストでも動画でも『シン・』の感想がたくさん出てきていますね。25年間続いた作品で年月の重みを感じる。視聴者のATフィールドをぶち抜いて槍を刺してくるア

          『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は、ありったけの愛を感じさせてくれた。