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「やる気」は自転車のこぎ始めの如く、初めは重く苦痛で、しかしこぎ続けるとペダルが軽すぎて恐怖を覚えるようになる。

キビキビ動いて凄い人、いますよね。

彼らはどうして特別なのでしょうか。
実は、特別なのはその人ではなく、
その人がはまっている習慣なんですね。


新幹線の速さに驚かない人は稀です。
では、新幹線に乗っている人には驚きますか?

東京から博多まで5時間で移動する速さの中、
普段通り飯を食い、昼寝をしたりしています。

新幹線の乗客は、地上の人と差異ありません。


ただ、一点だけ違う所があります。

新幹線が加速し始める時、耐えていました。
電車でもバスでも、加速している最中は、
手すりにつかまり、倒れないように耐えます。

この、「ほんのちょっとの負荷」に、
耐え続けて、耐え続けて、耐え続けると、
凄い速さで動く事があたりまえになるのです。
そして、一定の速度を維持し続けたら、
動いている事すら何も感じなくなるのです。


新幹線や電車は、便利ですね。
でも、人生を軌道に乗せる為に、
新幹線のようなサービスを使うのは困りもの。
変な所へ連れていかれちゃったら、大変です。

親や身内がアレコレ手を焼いてくれる人生は、
新幹線みたいなもんです。

いつの間にか凄い速度で維持されていて、
確かに、それは楽だし、それは凄い事です。

しかし、少し負荷がかかっていたとしても、
耐え続けた記憶しか残っていなければ、
誰のおかげかわからず、感謝もできません。
自分でやりたくても、動き方がわかりません。


自分は立ち止まっているつもりなのに、
景色は速すぎて見えず、乗り換え方法も不明。
恐ろしい程の制御不能な速さに麻痺しており、
身投げで途中下車をしたら、きっと即死です。

新幹線に乗せて放置する親って、残酷ですね。
博多に向かいながら「北海道へ行きたい」と、
つぶやき北を眺める人間になってしまいます。
人生ごっご、やる方も見る方も苦しいです。

実際には、ガタガタ揺れるトロッコ列車に、
現代人の多くが、乗っているようにも感じますね。
立っているだけで精いっぱいなほどの揺れで、
前とか見る余裕もなく、疲れ切っています。

どの道、一方通行の速い車にはご用心です。


何が言いたいのかというと、
そもそも、新幹線に乗りたかったのか?
じわじわ耐え続ける事がしたかったのか?
という、話です。

それ、よく考えると「やる気」じゃないです。
ただの、環境負荷、環境適応なんです。

「やる気」とは、耐える事ではなく、
押し続ける事といえるでしょう。


自転車のペダルを踏み込むのは、
新幹線で揺れに耐えるよりも辛い事です。

でも、全て自力なので、調整が可能です。
遅いなら更に踏ん張ってペダルを押し続け、
速すぎたなら自分でプレーキをかけられます。
もちろん、速度を維持している最中は楽です。
ハンドルは自分持ち。何処へでも行けます。

こういうのが、「やる気」であり、
こういうのが、「自分の人生」
なのではないでしょうか。

名声を得るほど目立つほど大きな事は、
できないかもしれませんけどね。


「やる気が出ないな」と思った時は、
我を振り返ってみて、
それが決められたレールだからか、
それともペダル踏みが億劫だからか、
探ってみるのも、いいかもしれません。

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