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新連載「没イチ、カンボジアでパン屋はじめます!」スタート!(No. 881)

考える人 メールマガジン
2020年9月17日号(No. 881)

配偶者を亡くしても哀しんでばかりいられない!
小谷みどりさんの新連載
「没イチ、カンボジアでパン屋はじめます!」スタート!


2018年に発売され、話題となった『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』の著者・小谷みどりさんによる新連載が始まりました!

第一生命経済研究所の主席研究員だった小谷さんはある日、夫を突然死で喪いました。みずからの境遇をバツイチならぬ「没イチ」と名付け、同じような境遇の人々に「悲しみは癒えずとも、せめて亡き配偶者の分も残りの人生を楽しもう!」と提案し、立教セカンドステージ大学で教鞭を執るなどの活躍をなさっています。

そういった小谷さんの取り組みや実際に没イチになったときの具体的な対処法、「没イチ会」の様子を書いた単行本『没イチ』は、そのキャッチ―なフレーズと実践的な内容が話題になりました。

そんな小谷さんが昨年50歳になったのを機に退職。一念発起して、カンボジアでパン屋を開くことを決意します。

なぜカンボジア? なぜ全く経験のなかったパン作りを?? その経緯は、これからの連載で少しずつ明らかになっていきます。

夫婦が同時に死ぬことはほとんどありません。小谷さん曰く〈夫婦は「Dead or 没イチ」〉。万が一じぶんが「没イチ」になってしまっても、いかにその後の人生を全うしていくか大事。ご自身によるアクティブな実践は、読んでいて元気が出ますし、〈充実した生き方〉について考えさせられます。今後もどうぞお楽しみに!

釈徹宗『天才 富永仲基 独創の町人学者』試し読み!

本日9/17に発売された釈徹宗さん『天才 富永仲基 独創の町人学者』の試し読みを掲載します!

「富永仲基(とみなが なかもと)」と聞いて、「ああ、あの人か」とすぐにピンと来る人はそう多くないでしょう。富永仲基は、江戸中期の大坂に生きた町人学者で、世界に先駆けて仏典を実証的に解読。「大乗仏教は釈迦の直説に非ず」という「大乗非仏説論」で知られ、本居宣長や平田篤胤といった国学者、内藤湖南や山本七平といった歴史家にも絶賛されています。その反面、仏教界では長く敵視されていた時代もありました。それもそのはず、日本仏教の大勢を占める大乗仏教を「釈迦の直説に非ず」と喝破したわけですから――。

その〝知られざる天才〟に、「大乗仏教の申し子」浄土真宗の僧侶にして宗教学者の釈徹宗さんがチャレンジングに迫るのが『天才 富永仲基 独創の町人学者』です。仲基の功績や評価、独創性についてまとめたその序文「早すぎた天才」を掲載しました。ぜひお読みください。

高野秀行さん『幻のアフリカ納豆を追え!』試し読み&サイン本プレゼントキャンペーン実施中!


究極の納豆は、アフリカの辺境に存在した――。知と食欲を刺激する前人未踏のミステリー冒険譚!

前作『謎のアジア納豆』で、アジア辺境の納豆の存在を突き止めた高野秀行さんが、今度は、IS出没地域から南北軍事境界線まで、幻の納豆を追い求める!

隠れキリシタン納豆とは? ハイビスカスやバオバブからも納豆がつくられていた!? そして、人類の食文化を揺るがす新説「サピエンス納豆」とは!? 執念と狂気の取材が結実した、これぞ、高野ワークスの集大成!

発売直後から評判を呼び、早くも重版決定!

そんな注目作『幻のアフリカ納豆を追え! そして現れた〈サピエンス納豆〉』の試し読みを2本公開しています。

プロローグ

第1章 謎のアフリカ納豆

さらに、サイン入りの本書が3名様に当たるTwitterキャンペーンも実施中。

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編集長のお気に入り

◎松家仁之「泡」(「すばる」10月号)


文芸誌「すばる」最新号に、「考える人」初代編集長で作家の松家仁之さんの、300枚ぐらいの小説「泡」が一挙掲載されました。

私は「新潮」での担当編集者なので、読者として松家さんの小説を一気に読むのは初めて。ゆっくりと楽しんで読みました。「光の犬」の刊行が2017年10月、「新潮」で「天使が踏むを畏れるところ」の連載が始まった今年春までの2年半、「文學界」2018年8月号に掲載された原爆投下後の広島を舞台にした短編小説「眠る杓文字」以外、世に出た小説はなかったのですが、私の知る限り、松家さんは、ずっとこの「泡」を書かれていたはずです。

「泡」は、高校に行けなくなった薫が夏の間、大叔父のジャズ喫茶で過ごし、大叔父や店で働く青年と接しているうちに、学校では学べない人生で大切なことを学んでいく、という青春小説です。爽やかなタッチで書かれながらとても切実で、「光の犬」のある登場人物と像が重なりました。

また、その大叔父はシベリア帰りであり、彼の世の中に受け入れられないという感覚と、薫の疎外感が重ね合わせて書かれます。その自分は普通の日本人とは違ってしまっているという感覚に、並並ならぬリアリティーを感じました。書き始めた順番は違うかもしれませんが、なんとなく、

「光の犬」→「泡」→「眠る杓文字」→「天使も踏むを畏れるところ」

という感じで、戦争と戦後への距離を変えてこられているような気がします。

「光の犬」にも戦争が少し顔を出していますが、「泡」で戦争から帰ってきた人間のその後の問題と向き合い、「眠る杓文字」は原爆投下後の広島にいた建築家たちを描き、「天使」で戦争をどう総括し、戦後をどのように設計するかという大きな問題に真正面から立ち向かおうとしている。「火山のふもとで」でデビューしてから10年、松家さんの作家としての覚悟を感じます。

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