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FinTechの送金における法規制

FinTechサービスの一部に送金サービスがあります。銀行業以外の企業であっても、送金サービスを提供でき、これを行なっている企業も多数あります。そして、キャッシュレス化の流れの中で、参入をしてくる企業も多くあるでしょう。

この分野を規制しているのが、資金決済に関する法律(資金決済法)である。資金決済法における資金移動業を行うのであれば、この適用を受ける。
この資金移動業については、「銀行等以外の者が為替取引少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいう」と定義されています(資金決済法2条2項)。「少額の取引として政令で定めるもの」とは、100万円以下の取引とされています(資金決済法施行令2条)。
つまり、銀行業の免許を取得せずに、送金サービスを実施する場合には、100万円以下のサービスと限定されます。

そして、このようなサービスを提供する場合、資金移動業者としての登録の申請をする必要があります(資金決済法38条)。資金移動業者かという部分で重要な点が、上記定義にあった「為替取引」とは何か、ということです。この点においては、最高裁判決が定義を示しています。
「『為替取引』を行うこととは、顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをいうと解されています(平成13年3月12日最高裁第三小法廷決定)。」という判断です。これに当てはまるかどうか、個別に判断していくことになります。

また、登録拒否事由として、株式会社でないこと(資金決済法40条1項1号)、必要と認められる財産的基礎を有しないこと(同項3号)、体制の整備が行われていないこと(同項4号、5号)があるため、気をつけなければなりません。これについては、ガイドラインがあります。

送金サービスには、多くの危険があるため、多くのルールが存在します。これらにしっかり対応していくことが求められます。

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