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電動車椅子で甑島にパート2

熱が冷めないうちに筆を走らせようと思います。
自分が行った場所、発した言葉。巡らせた思考。
記録に残しておくことは大事だと思っています。

ご飯とお風呂をバァーっと済ませ(妻の全面協力です、ありがとう)書斎(愛すべきベッド上)からお届け。

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甑島2日目は穏やかな秋晴れの中目を覚ましてのスタート。
早く目が覚めたのに、やはり朝食には向かえない安定の低血圧です。
石原荘さんの素敵な部屋でゴロゴロしながら、スマホでできる仕事を片付けます(自分だけ楽しい出張という中、できる仕事してまっせアピール,免罪符です)

そうこうしていると、介助者交代の時間となりおはようございます。夜勤担当のゴトウ君は持ち込んだバイクで下甑を攻めるそうです。


無事を祈る


さて、谷やんと堤さんと向かうは本日の研修会場
中央公民館
歴史を感じる建物でしたが、素敵ポイントを2つ発見。
一つはエレベーター
高齢者等の避難場所として設定された後、後付けで設置されたそうです。とても良い。

2つ目は多目的トイレ
会場図には書いてなかったので、諦めて男子トイレに突入。
すると何ということでしょう。トイレ奥側にアコーディオンカーテーンで仕切られた広めのスペースがあるではないですか。

あとの講義でもお話しするのですが、これは合理的配慮です。
多目的トイレ新設は費用的に難しい。
それならどうするか、という問いに見事答えた結果だと勝手に感動しておりました。
いいのです、広めのスペースと間仕切りがあればかなりできることは広がります。

さて、時刻は10時講義開始です。


初めは堤さんのお話。
堤さんはトラベルヘルパーとして実体験を元にお話をされます。
とてもハートフルで、わかりやすい。
高齢者の方の旅のお手伝いの話がとても良くて、
「こんな人がいてくれたら自分が歳をとっても旅をしたいと思える」そんな感想が皆さんの眼差しから感じられます。
そう思わせながら、自分も一緒に旅を楽しめてしまうのが、堤さんの真骨頂。

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一緒に楽しんでくれると、気を遣わなくて済むんですよね。
本当に素敵です。
ごちゃまぜツアーの話も僕は好きで、ツアーを終えるとみんな自然と仲良くなっちゃう部分。

これは僕の解釈なのですけれど、高齢者や障害者は個人旅行をしようと思えば、介助者や家族がいれば割と行きたいところに行ける。(かなりざっくりと書きましたが)

それで十分な人もいる。

ですが、それに加えて旅の醍醐味の一つは、知らない土地で知らない人と話すことであったり、時間を共にする人とワイワイ語り合いながら同じ体験をしたりすることではなかろうかと思うのです。
ですが、障害者が気軽に参加できるツアーは少ないしレジャーも障害者には合わないものが多い。
タイムスケジュールもタイトだし。
それが堤さん提案のツアーはゆったりと街を歩いたり、ガラス工房を眺めたりと穏やかに時間が流れるんですよね。

話していたら参加したくなりました。
企画お願い致します。甑島ごちゃまぜツアー希望です。

さて、僕の話はというと今回は法制度のお話もというリクエストを頂いておりました。
資料を差別解消法と合理的配慮の提供について厚くし、旅話も絡めての1時間。
民間事業者も合理的配慮の提供が義務化されること(交付日から3年を超えない範囲)、それについての疑問や不安を推測し、自分たちができる合理的配慮の実例をお話ししました。

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実際は申し出があった場合に、それに合理的配慮の提供として対応することが義務付けられるわけですが、これが殊更に怖がられても良くない。 
しっかり申し出者の話を聞き、できる最善を対話の中から編み出していく環境を作っていくことがとても大事です。
そして、ここからは個人的意見ですが、実際に設備投資や物品購入の必要性があった場合には行政の介入、補助があって然るべきだと思います。
理由としては、これまでの社会を作ってきた国のあり方に問題があったからです。
あらゆるインフラを障害者の存在抜きに考え、使えないようにしたり建築法等は障害者が入れない使えなくても良しとしてきたからですよね。
だから事業者の皆さんと一緒に、合理的配慮のことを考え推し進めていきたい。
そんな風に今回の講義でお話しさせていただく中で、感じることができました。

ありがとうございました。

この後は、カクイックスさんより福祉用具の説明
・簡易取り付けできる手すり
・ケアスロープでの段差乗り越え体験

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車椅子って本当に身近にないんですよね。
歩けなくなったら仕方なく乗る、

終わりの乗り物

という印象がまだまだ根強い気がしています。
もっと気軽に車椅子乗っていいのになぁと思いながら、未知の乗り物、電動車椅子に乗りながら見ていたわけでございます。
でもみなさん楽しそうにされていてよかったです。

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というわけで、盛りだくさんの2時間となりました。

リモートは手軽でいいけれど、やっぱり目の前で熱を持って伝えることの大切さと責任を感じました。

僕は甑島に電動車椅子ユーザーとして橋をかけました。
これからもしっかりと繋がり、共に取り組んでいきたいと思います。
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さて次回は武家屋敷を街歩き!
これがまた楽しかったんですー!


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