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かつて好きだったものたちへ

出会いがあれば別れもあるって、言葉では聞いたことがあっても、なかなかその時が来るまで実感をともなわない。

出会うこと。
好きになること。

これは本当に簡単だ。

そしてずっと同じ熱で好きでい続けること。

これは少し難しい。

でも。

しかし。

同じ熱ではないものの。

少し熱が冷めただけで、静かな遠火のとろ火のように、ずっと好きでい続けることはある。

よくある。

かつて愛した絵本やお人形。

お母さんの焼いた玉子焼き。

少女時代に熱中した漫画や音楽。

女友達。

男の子たち。

いま身近にいる家族。

何かきっかけがあったわけではなくても、大人になった、時が経った、物理的にタイミング的に離れた(もしくはやがて離れる)。

けっして嫌いになったわけではない。

ずっと好きだよ。

胸の奥で。

今も。

多分明日も明後日も。

あなたたちに会えてよかったと、死ぬ間際まで思える。

今そう仮定して、想像してみた。

死ぬ間際には言えないかもしれないから。

いま言っておこう。


遠く離れてもわたしはあなたを好きです。
好きの形は昔とすこし変わったかもしれないけれど、考えてみたらやっぱり好きだったから。

伝えたからね。




ありがとうございますサポートくださると喜んで次の作品を頑張ります!多分。