成田美名子原画展

『エイリアン通り』連載開始40周年及び『CHIPHER』完結30周年を記念して成田美名子原画展が10月23日(金)〜11月9日(月)まで有楽町マルイで開催されていたので、最終日の11月9日に行ってきました。

成田美名子先生と言えば私は『CHIPHER』で知ったのですが（当時「花とゆめ」を買っていたので、花ゆめに同じ白泉社の「LaLa」の漫画の宣伝が入ってくるので、それで興味を持った作品は単行本で買ったり、LaLaを立ち読みしたり……しました。小学生〜中学生のお小遣いでは両方は買えないので単行本も厳選して少しずつしか買えなかった）

やがて遡って『エイリアン通り』も全部集めて、他にも集められる範囲で購入しました。まだインターネットも無い時代でしたけども、本屋で見かける度に一冊ずつ。

『CHIPHER』の方は当時カレンダーやポストカードや色んなグッズを集めました。近くで売ってなかったので、電車でわざわざ出かけて行ってグッズを買ったり（土浦だったかな〜忘れた）しました。それくらい夢中だったのだと思います。

『CHIPHER』という作品の魅力は絵も勿論そうなのですが、やはり登場人物がそれぞれ抱えている問題（過去のトラウマ）にどう向かって行き、それを克服していくのか、そして他人と折り合って生きていくのかという部分だと思っていて、それはどの成田作品でも、国や舞台が違っていても共通なのだと思います。

そして今も『花よりも花の如く』をずっと集めています。「メロディ」で連載されていますが、単行本のペースがゆっくり目で私にとっては追いかけやすいですが、話もゆっくりと流れているので、主人公がビックリするくらいいつまでも若いですね（笑）そしてまた悩んでる……（←いつもの）。

さて。今回の原画展はカラーイラストのみという事で、漫画の原稿の原画展ではなかったのですが、成田先生のカラーの美しさが半端ない事はもう40年前から知ってましたので、それでも、それが生で見たい！！とるんるんした気持ちで行きました。前置きが長くなりましたが、そんな訳で11時のオープンに間に合うように行きました。子どもが小学校から帰るまでには帰宅したかったので。

あんまりデパートなどのオープン前に開くのを待って並ぶなんてした事ないから人が開店前に店の前に待っている光景はなんだか面白かったです。

8階まで行くとそこにも列が。入口で熱を測られて、消毒していざ！

年齢層的に私と近い40代〜50代くらいの人が多い感じ。もちろんもう少し若い世代のカップルとか、もっと年上の方もいらして、女性の方が多いけれど男性もそれなりにいらっしゃってて、皆さん上品というか、落ち着いた大人な印象の方が多かったです（私もそう見られたかなぁ？）

どの絵も懐かしかったけど、最初にこの絵が目に飛び込んできた時には一気に記憶が蘇りました。ああこの絵、覚えてる！！あ、写真撮るのは全部オッケーなので、全部撮ってきました。無料で展示されているのが勿体ないくらい。今度は漫画原稿も入れて有料でやるって言っても絶対見に行くので、是非お願いしたいくらいでした。

1982年のシャール君のイラストボード。シャープペンシルとカラーインクです。シャープペンシルが普通に画材なのですけど、なんて美しいのでしょう。

私の影が写ってしまい、撮っていいと言われても、撮影はめちゃくちゃ難しかったです。CHIPHERを追いかけながら少しずつエイリアン通りを集めてたから、集め出したのは多分中学生だったと思うのですが、セレムは私の憧れの人でした。

出た！疲れるシリーズ。この後沢山ありました。疲れるシリーズ。疲れる疲れると言いながら作者の粘着的なまでの緻密で細密な絵は続きます……（変態的）。

車を描くのが昔から好きだそうです。照り、反射もそうですが、細部まで丁寧で無駄がない。まさに「神は細部に宿る」です。ため息が出ます。小物やパッチワーク、服のシワなんかは作者も大好きみたいで、この辺の絵は「疲れるシリーズ」ではないみたいでした。

この辺は「疲れるシリーズ」だったみたいです（笑）「疲れるならやらなきゃいいのに、やり始めて気づくのかな？」と私の前にいた若いカップルの男性の方が笑いながら仰ってました。そして後戻りは出来ないので、結局最後まで丹念にひたすら描いていく……という修行僧スタイルですね。達成感すごそう。

この水の表現。
上の絵の方にも書いてありますが、ジーンズを描くのもお好きだそうで、私も成田先生といえばジーンズ、と思ってました。カラーで描かれたジーンズの陰影、シワ、たまりません。

後半は『花よりも花の如く』ですが、もはや絹色紙に水干絵具と岩絵具とか……金箔とか。日本画です。漫画の表現を超えています。

いくつになっても挑戦し続ける成田美名子先生にとにかく元気と潤いをいただきました。これでまた明日から頑張れる〜〜。

申し訳ないので、これだけ。自分へのお土産として購入しました。マスクケース（素敵！）とポストカードです。ポストカードはだいぶ売り切れてました。

素晴らしい企画展示に感謝感激。最終日に間に合って本当に良かったです。