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あそこんちのシェルティ

(このお話は私のツイッターの鍵アカで以前、連投で呟いた内容を再構成しています)。

仕事で行くお客様の家で飼われているワンコ(多分シェットランドシープドッグ)が可愛くて、思い出してニンマリする。

その子は一戸建てのお家の庭で放し飼いにされてるのだけれど、駐車場のアコーディオン扉が閉まっているから、その範囲内で庭と駐車場を自由に行き来していて、外に勝手に出てきたりはしない。

私のバイクの音がすると、喜んでぴょんぴょんとあっちこっちに走って時々「わんっ!」て嬉しそうに尻尾フリフリ飛んでくるのだが、その様子が本当に可愛らしい。

バイクを止めて呼び鈴を押すと、先にワンコと目が合うので話しかけてみる。

「おはよう」「ご機嫌だね」「ご主人様は今日はお留守かい?」……など。

まぁ柵越しだし、撫でたりしないし、向こうも飛びかかってきたりはしない……そんな距離感なのだ。お互い好きだけど少し離れてる感じだ。

そこんちのお父さんとワンコがお散歩している時に道端で会って嬉しそうに尻尾振って多少ぴょんぴょんして寄ってこようとする事もあった。それでも、飛びかかっては来ない。お利口さんの犬なのだ。

ある時、そのワンちゃんちにいつものようにお届けに行って、お父さんにお品物をお渡しして、ワンちゃんにはバイバイして数軒先のお客様の所に行った。

そしたら私の背後2m位の所までひとりでトコトコと歩いて来てたから私もビックリ。

とりあえず「あれれなんで外に出てるのかなぁ?おうちに戻るよ〜」と言いながら、ワンコのおうちまで歩いて10m位誘導して行ったら、その日はワンコちゃんちに職人さんが入っててアコーディオン扉が全開だったのだ。あーそれでか!(開いてたらやっぱり出てきちゃうんだね)

ってなって、「ほらおうちにお入り」と言ったらちゃんと大人しく入ったんだけど、「じゃあね」と離れようとすると、またトコトコとついてくるので困ったなぁ……と思いながら、また戻し、してると、奥から職人さんとお父さんが出てきて、開けっ放しのアコーディオン扉に気づいて慌てて締めてくれた。

前に強風でアコーディオン扉が勝手に開いてきちゃう時も少し出かかってたことがあったから「入ってなね、危ないからね」と締め直してあげたらワンコ自身がもうそれ以上は出てこないようにしてる雰囲気のお利口さんだったんだけど、今回は遊びたすぎてつい出てきちゃったみたい。

でも流石にいつもみたくぴょんぴょんとギャロップしながら道路に出る感じじゃなくて、おそるおそるトコトコ……みたいな感じで、顔も「えへっ……出てきてみちゃった」みたいな顔だったから、もうそれがたまらなく可愛くて、「もう〜ダメだよ〜」なんて言いながらこっちだってニコニコしてしまうではないか。

その時のことを思い出して今、真夜中に目が覚めてついニヤニヤしてしまった私がいるのです。あー思い出し可愛い。寝るか。おやすみなさい。

(以上がツイート内容でした)。

追記

後日、またそこの家のお父さんと話す機会があって、お父さん曰く「この子ね、あなたの事好きみたいよ」……だって。

なんと!
嬉しくてやや興奮気味に

「じゃ、もし良かったらワンちゃんのお名前教えてもらってもいいですか?」

と恐る恐る尋ねてみると、お父さんは照れたように笑って、

「エヘヘへ……ラッシーって言うんですよ」

と仰った。

「おお〜!名犬ラッシーですね!」

と言うと、

「えっ、お若いのによくご存知で!ま、あっちはコリーでしたけれどね」

「あはは、若くないですよ。この子はシェットランドシープドッグですよね!」

「え?それもよくご存知で!お好きなんですか?」

「ええ、昔うちのご近所の方で飼ってる方がいらして……その子もとても可愛くて賢かったんですよ」

……なんて話も弾んで、お名前も分かって、その日はもうウキウキしながらセンターに戻ったのだった。

以来、そのお宅に行くといつも「ラッシー!おはよう!」と話しかけている。


#エッセイ
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#シェルティ
#名犬ラッシー

ありがとうございますサポートくださると喜んで次の作品を頑張ります!多分。