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10年10万kmストーリー 第67回 アルピナD5リムジン(2013年型) 8年16万8400km

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 初めて運転したクルマが想像をはるかに超えていたら、どうしても手に入れたくなるだろう。ハードルを乗り越えて入手できたら、それ以上の幸せはない。
 そんな幸せを2度続け、2013年型のアルピナD5 リムジンに8年16万8400km乗り続けている人を神奈川県に訪ねた。
 最初の幸せは、それまで乗っていたスバル・レガシィ 3.0RからBMW530iに乗り換えた時のことだった。
 セダンが好きで、18歳で運転免許を取得して最初に買った日産ローレルを、C31型から始まりC32、C33と3台乗り継いだ。日産セドリック、トヨタ・クラウンと続き、レガシィがボクサーエンジンと4輪駆動をずっと採用し続けているエンジニアリング思想に惹かれて、乗り換えた。さらに、スバルとBMWは航空機用エンジンを製造していた点で共通することもあって、BMW330iを試乗するべく、ディーラーを訪れた。
「長距離を走って、330iの実力を体感してみたいのですが?」
「ぜひ、走ってみて下さい。長距離でしたら、530iはいかがですか?」
 なんと、ディーラーは3日間も530iを貸してくれるという。神奈川県の自宅から山梨県を抜け、長野県の白樺湖ビーナスラインを走ってきた。
「レガシィや、それまで乗ってきたクルマなどと、ぜんぜん違っていました。ボディ剛性がしっかりとしているから、ハンドルを切れば、切っただけ曲がっていきました」
 今までの自分のクルマだと、そこまで剛性はないから、ハンドルを切ってもボディがホンのちょっとよじれる感じがして、ワンテンポ遅れてから曲がっていった。他にも、エンジン回転のキメ細かさ、パワーの高まり方などから始まり、シートや各スイッチ類の配置などまで何から何まで違っていて、同じ“クルマ”といってもまったく違う世界があることを初めて知った。
「レガシィに乗り続けていたら、この違いを知ることはなかったでしょう」
 ローレル、セドリック、クラウン、レガシィなどの間にも、違いはそれぞれにあった。しかし、530iから受けた違いほど大きくはなかった。


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