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Modern Classic Car Owners

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イギリス『TopGear』誌の香港&中国&台湾版に寄稿した日本のモダンクラシックカーオーナーの記事の日本語オリジナル版。
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#日産

オースチンの流儀やアメリカ車からの影響を日本人なりに消化した、日産セドリック・ワゴン

オースチンの流儀やアメリカ車からの影響を日本人なりに消化した、日産セドリック・ワゴン

 日本の自動車産業が1960年代から急激に発展していった背景として、その直前までのヨーロッパメーカーとの提携の影響を無視できないだろう。
 日産はイギリスのオースチンと、いすゞもイギリスのヒルマンと、日野はフランスのルノーと提携し、既存の乗用車を日本でノックダウンやライセンス生産し販売していた。
 トヨタやスバルは単独で自力開発を進め、ホンダやマツダは後発組だから、ようやく4輪車開発に着手し始める

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箱スカGT-Rを25年間1ミリも動かさなかった理由

箱スカGT-Rを25年間1ミリも動かさなかった理由

日産スカイラインGT-R(1971年型)Nissan Skyline GT-R(1971)

 東北地方のイベントに怖ろしく程度の良い箱スカGT-Rが現れたという噂は、2016年秋頃から耳にしていた。
 箱スカとは、ご存知の通り、日産スカイラインの通称だ。まるで箱のように四角く見えることから、“箱のようなスカイライン”が縮められ、親しみを込めて呼ばれるようになった。今では、英語圏のマニアの間でも“

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炎の中から蘇った狼

炎の中から蘇った狼

 日産GT-Rが、現代の日本を代表するスポーツカーであることは間違いない。だが、その前身である日産スカイラインGT-Rは少数の例外を除いて日本国内だけでしか販売されていなかった。

 初代の日産スカイラインGT-Rは、1969年に発売された。スカイラインGTという中型4ドアセダンに、日産R380という純粋のレーシングカーに搭載されていた2リッター直列6気筒DOHCエンジンをディチューンして積み、サ

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