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災害列島

 この前、福島で震度6強の地震があった。大きな被害はないが、停電でライフラインが止まった。オール電化の家では何もできなくなる。だから太陽光の自家発電をするためのパネルを買い、蓄電池を買えということか。電化やPCの利用と言っても、停電になると何もできない。
 ネットの地震情報をよく見るが、毎日どこかで地震が起きている。テレビの地震速報もよくピピピッと出てくる。海洋プレートと大陸プレートの境界にあるのが日本だ。日本という国は地震の上にできていることを忘れてはならない。

 日本は火山も多い火山列島だ。環太平洋火山帯にある。
 富士山も火山であり、日本にある110の活火山のうちの一つだ。そろそろマグマがたまり噴火する頃だ。富士山は、阿蘇山などと同じ、噴火する山なのだ。
 竹取物語にも、不死(ふし)の薬を火口に投げ込んだので富士(ふじ)と名付けたというダジャレが書かれている。その火口からは噴煙が上っているのだ。昔から富士は火山として有名だった。次の噴火がどの程度のものかはわからないが、いつ噴火してもおかしくない火山であることはまちがいない。

 兵どもあまた具して山へ登りけるよりなむ、その山を「富士の山」とは名づけける。その煙、いまだ雲の中へ立ち昇るとぞ、言ひ伝へたる。  (竹取物語)

 日本は地震の多い地震列島であることを常に忘れない。非常時にどうなるかを考えなければならない。地震も噴火も発生を防ぐことはできない。日本は島国で、周りは海。地震があれば津波が起こる。津波対策で防潮堤を作ることよりも、津波が来たらどうするかを考えなければならない。
 また、日本は台風のコースに当たっている。台風の暴風や大雨もある。四季があるために、梅雨には大雨が降り、冬には大雪がある。日本列島の中央には大きな山があるので、雨が降れば土砂災害がある。災害のバーゲンセールだ。


 天災と違い、コロナは人の手によって防ぐことができる。
 コロナを防ぐのは簡単だ。マスク、手洗い、ソーシャルディスタンス。これだけ。……でも、この簡単なことが、ヒトはなかなかできない。


 非常時にはスマホは使えなくなる。そう思っていなければだめだ。
 充電器や発電機を買えといわれても、それを使い続けるのか。避難所でどう使う。周りに人があふれている場所でどう発電するのか。その前に、発電機を持って避難する余裕が緊急時にあるのか。基地局に被害があれば電波が届かない。電波が届かなければ、いくらスマホに充電しても役に立たない。

 かつての災害時にラジオは役に立った。電池のいらないゲルマニウムラジオならなおいい。でも、ずっとラジオを聞き続けるわけにもいかない。すべきことが多くある。のんびりラジオを聞いている余裕はない。


 震災時に役に立ったのは、紙に書いた連絡だ。
 避難場所で、紙に書かれた情報がどれだけ役に立つか。避難所にやってきて、ラジオを聞きながら情報を集めるわけにはいかない。誰かに聞こうにも、みんな忙しそうに動いている。パッと目に入るのは、アナログの紙に書いた文字だ。こんな単純なものが一番役に立つ。

 災害時に水洗トイレは使えず、シャワートイレなんて全く役に立たない。穴を掘っただけのボットン便所しか使えない。今の子は使えるか?


 リモート授業にしても、のど元過ぎればで、今どうなっているか。PCをそろえただけではないか。リモートを試験的にでもやっている小中学校、高校はどれだけあるのか。もちろん停電となればリモートは役に立たない。
 教師が直接足を運ぶ。家庭や避難所へ行くのだ。生徒が直接連絡を受け取る方法を考える。それが、誰にでもすぐにできることだ。

 今までの災害で学んだことはどこへいったのか。津波に遭う場所、雪崩の起こる場所、それが過去から伝わっていたのに活用されない。自然には勝てない。

 西洋の自然に敵対する考えではなく、東洋の自然の中で生きる思想が今必要ではないか。

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