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aiboのヒット分析 (羽藤ゼミ4期生2年次)

流通科学大学羽藤ゼミ4期生の2年後期での研究成果についての発表です。3年次の社会連携と比較して、成長を感じていただければと思います。

今回私たちチーム「あいみょん」は、犬型ロボットaiboについて、なぜ昨年 (2018) ヒットしたのかを分析したので、以下にまとめていきたいと思います。

商品コンセプト

aiboの商品コンセプトは『「ロボット」の枠を超えた家族としての存在』。これが意味することは、aiboのようなロボットペットを、本物のペットと同様に家族としてみるということです。aiboは何ができるかといった機能的価値よりも感性的価値を追求しています。ロボットっぽくないロボットというのは他の商品には無いこの商品の特徴になります。人の支えになるもの、機能性や利便性だけを追い求めずに感性価値の視点からを見てもらうことを重視し、aiboを開発されました。

先代との違い

昨年発売されたaiboは以前SONYが開発した商品の新型です。上記スライドを見てもらえば分かるように、フォルムが全く違います。先代aiboは関節部分がむき出しになっていて、全体が少し角ばっておりロボットの主張が激しい。一方で新型aiboは生命観に満ち溢れていてつい触りたくなるようなフォルムをしています。そして依然と大きく違うところは視覚的にはわかりにくい、好奇心という点にあります。新型aiboはとても好奇心旺盛でオーナーからの呼びかけに反応するだけではなく、能動的に働きかけます。優しい声や笑顔まで認識し、オーナーが喜んでくれることを学習します。新旧aiboの共通点は「家族としての存在」です。

SWOT分析

SWOT分析です。機会と強みはペットを飼いたいがペットを飼えない環境にある人、多忙で一切の世話ができない人などにとってaiboはとても魅力的です。衛生的で騒音も抑えられ、基本的な世話が不要。これらはペットが飼えなくて困難な人たちの解決になるとしました。脅威と強みは機械と強みと似た結果になりました。aiboの脅威は同じペットロボットではなく、本物の動物と考えました。生物である以上食事やメンタルケア排泄などが必要になります。病気にもかかるかもしれず医療費などもかかります。しかしaiboはそれらが不要でとても所有しやすくなっています。

機会と弱さでは、aiboは大量生産されておらず、価格もかなり高額に設定されており、気軽に手に入るものではありません。そのためaiboを所有していると飼い主は自己表現の強みとなると考えました。脅威と弱み、ハムスターや亀など比較的費用の掛からず手軽に買えるペットを飼いaiboが必要ではない、最近は犬カフェや猫カフェなどが増えそこで満足して買うに至らないなどの問題があります。

SWOT分析の結果、aiboはSOを軸にしているのではないかと分析します。サイトのaiboの説明を見ていても触りたくなるフォルム・つぶらな瞳・感情変化・好奇心など本物の犬にとても寄せていることからターゲットは買いたくても買えない人ではないかと考えました。

ポジショニングマップ

次にポジショニングマップです。aiboはほかのロボットと違い本物の動物と似て能動的に働きかけています。これは、商品コンセプトである愛情の対象となる存在になるためとても重要な機能になります。ペッパー君は体が大きく場所を取る一方で、aiboは小型犬程度の大きさで邪魔にならないくらいのサイズとなっています

4P

最後に4Pです。製品はペットロボット、比較的競争が激しくない市場です。似たような製品でペッパー君がありますが用途は全く異なります。価格は約20万円と高額に設定されています。販売促進方法ではサイトによる顧客の意見・感想募集や製品説明が主に行われているためネットストアにしました。流通ではSONYが取り扱っており、ほかでの正規での入手は基本的にはできません。

ポジショニングマップでもわかるように、動物と比べて手間や費用がかからないことがメリットとして多くを締めています。aiboのデメリットを見てもらうと外向けに開発されたものではないことが分かります。動物のように幅広いスキンシップができないことができない点は、世話ができずペットのために時間が作れない方にはメリットかもしれません。

結論

分析の結果、aiboは消費者の環境に配慮しており、世話ができない人などをターゲットにした製品だということが分かりました。日常生活でaiboがいるとかわいらしさに癒されたり日々の成長で新たな芸を覚えたりと様々な事柄が起こります。オーナーがそれをSNSなど動画サイトにあげることにより反響を呼びヒット商品になったのではないかと結論づけました。ネットの記事などを見ていると過去のaiboを愛用していた方たちの購入も目立っていました。

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