見出し画像

成長の過程を愛することができるようになれば、いつか好きな自分に到達できる

電子書籍で新刊の小説が出た。TLと呼ばれる女子向け恋愛エロありライトノベル。amazon他の複数の電子書店で売られております。7万字の長編です。

発売されるといつものことだけど、売上やランキングやレビューが気になってしまう。どれだけ自分なりにいいものができたと思っても、手厳しいレビューをもらったり、ランキングがすぐに下がってしまったりするので、みるみる自信を失ってしまう。面白かったって言ってくれる人もいるのに。そうして次を書くのが恐くなってしまう。

最近、自分の悪い思考の癖に気づいた。わたしは無意識に、100点満点とれないならやりたくないと考えていた。でも、そうじゃないはず。たとえ50点でもマイナスじゃなければ、仕事先に50点分貢献できて自分も50点分成長できている。やらなければ0のままで0をいくら積み重ねても成長はしない。

今回も決して100点じゃないけど、0点じゃない。お仕事として商業小説の依頼をもらえた。スケジュールをうまくやりくりして7万字書けた。自分では納得のいく物語になった。編集者さんと何度かやりとりして納得してもらえるクオリティの小説になった。素敵なイラストを描いてもらえた。電子書店に並んで大勢の読者が手に取れる環境に置いてもらえた。友達に面白かったと言ってもらえた。

ここまでで何点だろう。ランキング上位をキープして売上で出版社に貢献してレビューは☆5ばかりで、となれば100点だとしても、60点くらいは自分にあげたいと思う。100か0ではない。

100か0かという思考に陥ってしまわないよう、最近わたしは「60点でOK」と自分に言い聞かせている。落ちこむときや自信を失ってもうやりたくないと思ったときは、100か0になってないか、と疑ってみる。

結構これが応用範囲が広くて、ダイエットにも応用できたりする、と昨日気づいた。あすけんという食事記録アプリをつけているのに、任天堂SWITCHで運動しているのに、体重が全く減らない。体脂肪率も変わらない。その事実を突きつけられるたびに落ちこんで自信を失って全部やめてしまいたくなる。でも、どう考えても、まったく運動せずに食事内容も気にせずに過ごしているよりは、今の方が健康的なわけで、その積み上げの先にしか体型変化はないわけで。毎日運動している自分なんて、1年前には考えられなかったわけで。せっせと続けているわたしに80点くらいあげてもいいかもしれない。体重が減って体脂肪が減るという結果が出れば100点だけども、80点が意味がないわけではない。てか、80点、すごいじゃない。

小説家という肩書のイメージにも応用できる。一般文芸からも本を出せて、書店に本がいつも並んでいて、文芸誌に作品が載って、ベストセラーになって、誰からも名前を知られていて、賞もとって……と理想のイメージを挙げればきりがない。全然到達していないわたしはいつも、自分が小説家であることに自信がない。でもその理想には届いてなくても、自分を認めてあげられる部分もあるはず。

点数だとちょっと違う感じがする。目指すゴールの途中過程をこつこつ歩いている感じ。小説家に関しては5合目くらいかな。6合目に上がるには、何度も5合目まで上がって足腰を鍛えないといけないかもしれない。何か突破口になる道を見つけないといけないのかもしれない。でもきっと5合目から6合目にあがろうとしてがんばる過程も楽しいはず。それどころか、頑張って登った5合目の景色もとても美しいはず。

きいっ、一気に頂上にたどり着かんかったじゃないか、もう登るのやめたる!!…って下山してしまったこと、人生にたくさんあるなあ。そうやっていつまでも憧れの山を地上から眺めているくらいなら、登り始めてみたい。そして、1合目でも2合目でも登れた自分をほめそやして、いっぱい自信つけて、先へ進ませたい。

5合目まで登れたわたしを、頂上に登れていないからって馬鹿にして自信失わせて下山させるのも、5合目まで登れてすごいってほめて自信つけて頂上へ向かわせるのも、わたし次第だ。

※トップ写真は2011年。9年前ですな。成長したわ。いろんな意味で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?