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植物リスペクト

貸家の敷地内に勝手に生えた南天が白い可愛い花をつけている。南天は難を転じるということで縁起のいい木だし、窓の目隠しになるし、まあいいかと思ってそのままにしているけれど、どこまで大きくなるのか心配ではある。わたしの背丈よりも高くなってしまった。

さらに敷地のすぐ外のコンクリの溝の中から生えている雑草が日に日に大きくなって存在感を増していくので、最近お気に入りのアプリ「GreenSnap」で名前を聞いてみた。植物好きのSNSアプリで写真をアップすると誰かが教えてくれる。すると「アカメガシワ」という名だとわかった。草ではなく木だった。大きくなると10メートルにもなるのだそうだ。わああ、それ放置したらダメなやつ…!

漢方の材料にもなるそうだが、そんな技術もないし、申し訳ないが駆除させていただく。家庭用ノコギリで根元から切った。でもこの状態だとまた来年、切ったとこから芽が出てくるらしい。除草剤を買ってきて切り口に塗らなくてはいけない。

そんなこんなでマンションに暮らしているよりも植物と縁が深い毎日。

南天が勝手に生えるなんて知らなかった。南天を植えている家は多いけれど、もしかして植えたんじゃなくて鳥が運んで勝手に生えたのかもしれないなと思いながら人の庭を見るようになった。

アカメガシワという名を知ったら、ほかにもコンクリの隙間から生えているのを見つけられるようになった。放っといたら10メートルになるはずだけど、道路の真ん中からそんな木が生えているのを見たことがないから、管理している誰かが整備してくれているのだと思う。

人がいなくなったら、この世界は、あっという間に植物たちに取り戻されるのだろう。そう思うと痛快な気持ちになる。

虫がつくと嫌なので、ベランダではなく日当たりのいい出窓でローズマリーを育てている。挿し木したローズマリーは新芽を出して元気いっぱいだ。ミントを育てている人に枝の先をいくつかもらったので、それも水に挿して根が出るのを待ってプランタに植えてみようともくろんでいる。

切り取っても生きていて、植えたら根が出て増える。植物の柔軟さよ。見習いたい。コンクリから出てくるアカメガシワも、こんなところに生えなくてもと思うけど、植物にとって快適な野山では植物同士の生存競争に負けちゃうのだろう。たくさん種まいて生き残れるところで生き残ろう。

いつも買い物に行くところの途中のコンクリの隙間から生えていて、去年は白い可愛い花をつけて気になっていた植物も、GreenSnapでもらったヒントをもとに調べていたら「バライチゴ」だと分かった。京都府の絶滅危惧種カテゴリーに入っている貴重な日本固有種らしい。こんなとこに生えてていいのか?

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雑草としか認識していなかったいろいろな植物の名前を知ると、世界が広がってわくわくする。鳥の名前を知るのも好き。どの生物もほんとに関心するような性質を持っている。生存競争の勝ち組だからね。リスペクト。

山を歩いていろんな生物に出会いたいなあ。まったく運動していないからなあ。

とはいえ、7月頭まではブックライティングの仕事で予備校仕事以外はずっとデスクに貼りつきっぱなしですよ。

明日はオンラインで大学の2日間集中講義。オンラインの良さを生かして、楽しく授業できたらいいな。

7月12日に大阪で対面講座します。感染対策を行いながらやる予定です。よかったらぜひ。→「自分の心を見つめるためのエッセイ講座


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