SNS中毒を治す方法

わたしは、いわゆる典型的なSNS中毒だ。少しでも隙があればツイッターかフェイスブックを覗いてしまう。執筆中でパソコンから離れられないときなら、唯一の息抜きと思えば仕方がない。窓の外から雑踏を眺めるようなものだ。でも外を歩いていて頻繁にスマホでチェックするのはいったい何なのか。朝起きて一番に開いてだらだら眺めることから始まって、気がつけば見ている。
誰かの文章を熱心に読んでいるというわけではない。書いた日記やつぶやきに反応があれば、ピコンッとテンションが上がって気持ちよくなるので、わたしは反応されてるかどうかを見ているだけだ。
こんなことは本当にやめたい、と思い続けてもう何年経っただろう。もちろんメリットもたくさんあるけど、そのメリットは10分に1回の頻度で見なくても充分得られる。

SNS中毒対策として最近始めたことは、アウトライン表記ができるアプリ(workflowy)を使った考えごとメモ。スマホをどうせいじってしまうなら、少しでも有意義なことをしようと思ったのである。

何言ってるかわからないだろうから順番に説明すると、アウトラインというのは階層化して箇条書きで表記する方法で、たとえば、

◾️やりたいこと
・・◾️noteの更新
・・・・◾️読書の記録
・・・・◾️ちょうどよいふたり
・・◾️運動
・・・・◾️走る
・・・・◾️筋トレ

◾️考えたいこと
・・◾️どうしたらSNS 中毒脱出できるか

のように書いていく。項目は自由に移動できるので分類が間違ってたら移動していく。書いて移動して階層化していくのが、わたしの場合は一番思考が整理されるらしい。
頭の中を全部文章で書き出す方法も試してみたこともあったけど、文章すらすら書くと、なかなか深くまでいけないみたい。うまいことまとめられちゃうから。
枝葉のように分かれ道を増やして連想ゲームのように思いついたことを書いていく、いわゆるマインドマップというものも試してみたけれど、これも合わなかった。
人それぞれ、脳のくせがあるのだと思う。

というわけで、SNS中毒を脱出する方法を考えてみた。スマホに触らない、一度ログアウトするなどなど考えてみたものの、そもそもわたしがなぜそんなにSNS にかじりついているのかを解明するのが先だと気付いた。
デメリットは山ほどある。中毒の時間がなくなったらもっと本が読めるし映画も観れるし仕事もできるし頭を休めることもできる。メリットは人とのつながりや情報入手などだけど、1日に2回くらいチェックしたら充分そのメリットは得られる。

なんでそんなにかじりついているのか。さみしいのだろうか。さみしいのなら仲のいい友達はいくらでも相手してくれる。でも別に友達と頻繁に会いたいわけではない。逆に誘いが多くて一人の時間が持てないと憂鬱になってストレスが溜まる。
ひとりになりたいのか、構って欲しいのか。
人から褒められたいのか。結構みんな褒めてくれるじゃないか。足りないのか。誰に褒められたら満足なのか。結局自分が自分を認められないから、常に評価に渇望していて、それでいて仲のいい友人たちや応援してくれる人たちの声だけでは満足できない。
なんで自分を認められないのか。結構がんばってると思うのだけどなあ。

…と考えていってたどり着いた結論は、小説家としてしょぼいから、ということだった。作品の質がどうこうではなく、わたしは2冊しか紙の本を出せていない自分を一人前の小説家としては認められていない。電子書籍だって官能だって出版以外の仕事だって、小説家の意義ある仕事だと日記では吠えているのに。

自分で自分を認められないから、人に構ってもらうことで代用しようとして、でもどれだけたくさんもらっても、本を出せてないという事実は変わらないから、満たされることはなくて、もらってももらっても飢えている。作品のランキングを気にしたり、誰か感想を書いていないか検索したりして、よいことが書いてあったら少し満たされるけど、一時的なものでしかない。

逆に自分で自分を認められたら、人の評価なんて気にならなくなる。

一人前の小説家ではないという負い目があるから卑屈な部分があって、ときどきそれが思わぬところで噴出する。

これはデビュー前と同じ状態ではないか。小説家になりたいのに長編小説を書くことから逃げて、アマチュア投稿サイトやmixiに書き散らして構ってちゃんをしていた10年前とまったく同じことをしている。

ああ、もう、これは、メジャーな小説雑誌の賞を取るしかないよね。そうしないと自分で自分を認められないのだから。もちろんそれでもまだ認めないかもしれないけど、とりあえずそれは、取ってみてから考えればいいし。

SNS中毒を治す方法は、わたしの場合は、自分で自分を認められるようになることだった。認められない原因を見つけてそれを解決すること、すなわち文学賞に応募して勝ち取ることだった。

きっとSNS中毒の原因は人それぞれなのだと思うけど、SNSでどんなメリットが得られているのかを書き出して、本当にそれはこの頻度で必要なことかと考えて、必要じゃないと思えたら、なんのためにそれをやっているのだろう…と自分を分析すれば原因が見えてくるかもしれない。
見えてきた原因にフタをするか向き合うかは、自分次第。

#コラム

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