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毎日夢をかなえていく

コロナ禍自粛期間、サナギ化していたわたしは、サナギの中でどろどろに溶けて再生して、地を這う青虫から蝶になったのでした。この大変化の過程は、マガジンをさかのぼって読んでもらえばわかるけれど。ともあれ、わたしの今年の夢は「文学界新人賞を受賞する」から「毎日心地よくご機嫌に暮らす」になったわけで。

青虫だったわたしから見れば、これはもう大いなる堕落である。人生なめてんの? そんなこと言ってて将来困っても知らないよ? という感じである。しかし、羽根を手に入れて3次元の移動と視点が可能になった蝶が考え出したこの夢は、人生なめてるどころか、もうすべてを見通した最強の夢なのである。

今だけご機嫌に暮らすのではない。毎日ご機嫌に暮らせるためには、その日をご機嫌に暮らしつつ、未来もご機嫌が続くような投資もしておかなくてはいけない。今日のごはんだけあっても、「毎日ご機嫌に暮らす」は達成できない。

毎日ご機嫌に暮らすためには、お金がないと困る。だから働く。ご機嫌に暮らすためには、病気になってはダメだ。だから健康に気をつける。誰かの役にたって喜ばれたら嬉しくてご機嫌になるから、自分の能力も磨いていく。小説を書くのはしんどいけど人に読んでもらうのは楽しくてご機嫌になるので書く。それが大勢の人に受け入れられるか、商業ベースに乗るかどうかを気にしすぎると心地よくなくなるのでとりあえずそれは置いといて、でも、賞を獲るとか目標があったら腕を磨き続けられるので楽しめる範囲で挑戦する。

ご機嫌に暮らすためには、信頼できて心を許せる人たちが必要だ。ご機嫌に暮らすためには賢くないといけない。誰かに不当に扱われないように。自分の頭で考えて軌道修正できるように。世界が広がって自分に合う生き方が見つかるために。そして、不当な扱いに苦しんでいる人がいると、自分だけ快適でも、ご機嫌度は下がるから、微力でも何かできることを探したい。

これらは青虫のときの理想とほとんど変わらない。でも青虫のときはそこでまでしか見えていなかったけれど、蝶になったわたしはその先にある目的を言語化できた。「自分がご機嫌に暮らすために」。

幸せおとりよせ手帳のスケジュール欄には、夢への行動というチェック欄がある。

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文学賞受賞という夢をぶち上げてたときは、ここに「文芸誌を読む」とか「書き始める」とか、そういう目標を書いては全然達成できずにしょんぼりしていたけれど、今は「台湾料理を食べる」とか「部屋をきれいにする」とか「noteを書く」とか「舞鶴旅行を楽しむ」とか書いては、達成のチェックを入れて、毎日小さく満足している。

毎日夢をかなえていて、わたしすごい。

心地よくご機嫌に暮らすレベルが少しずつ上がっていく。

ちなみに手帳は、見開きで1か月がわかるページ+縦型の週間予定欄があるパターンが好き。こちらには何時から何時まで仕事で、何時から何時までどの原稿をやるか、矢印を引いて見える化する。忙しいときは記入なしが続いてしまうけれど、そんなときは後から日誌代わりに書いていく。空白の日が埋まっていくと、無我夢中で走り抜けた1週間の中に、実はいろんな仕事をしてたり、面白いことがちょくちょくあったことを思い出す。仕事しかしてないと思ったのに、結構ちゃっかり息抜きしていたり。書き込みながらなくしていた自分を取り戻していく。これもまた、心地よくご機嫌に暮らす術のひとつ。

毎日、わたしに耳を澄まし、わたしが心地よいことは何かを探求していく。10年も経てば達人になるんじゃないか。自分を心地よくする達人。いやはや、この夢、オールマイティーすぎて最強だと思うんだけどな。真似していいですよ。

先週の土日は、大学の授業で、エッセイの2日間集中講義をした。全時間オンライン授業。ネットをつないで、家で、パソコンに向かってしゃべる、そんな不思議な時間。でも受講者さんの映像や声から実際に会ってるような気持ちになったし、何より、文章からそれぞれの人の個性が出てきて、本当に面白かった。

7月12日はOBPアカデミアさんで対面講座をします。そして、9月5-6日の藝術学舎が中止になったので、同じ日時でOBPアカデミアさんでやらせてもらうことになりました。こちらも対面講座(申し込みページは少々お待ちを)。対面には対面の良さがあると思う。両方やってみたらわかることがありそう。またオンライン講座もやりたいなと思っています。原稿の締切が終わったら……。

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