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【書評】新卒のときの自分に教えたいマーケの練習法/「マーケティング思考力トレーニング」

もう今年の夏で32歳になる。

新卒で仕事をはじめてから、9年が経過する。この9年間、「ああ、知っていればもっとはやく仕事うまくなれたのに...」と思うことが山程ある。

たとえば、「仕事はインプットとアウトプットをセットにすると、上達速度が速い」。ほぼ間違いない。

何事も、知るだけでできるひとなんていない。やってみるとか、練習してみることではじめて理解ができる。野球におけるキレイなスイングも、教則本を読むだけではできない。素振りして、打席に立ってはじめてわかる。

今日ご紹介したいのは、マーケティング分野で着実にうまくなるための練習法だ。もし新卒のときに出会って、毎週1本でも練習していれば全然違う現在があったろう。

マーケやPR、営業でもなんでも、集客に携わる仕事をしていて、今ひとつ伸びを感じられないひとは全員読んで実践してみることをおすすめしたい。

マーケターの筋トレ、マーケティングトレース

本書では、マーケターにとっての筋トレと称して、マーケティングトレースという方法論を提唱している。(Twitterやnoteでは、#マーケティングトレースというハッシュタグがある)

マーケティングは学ぼうと思えば、いくらでも学べる。関連書籍は多く出版されているし、Webにもたくさん材料は落ちている。でも、なんだか実務に落とし込みがむずかしい。読んだだけでは、よくわからない。ぼくもその悩みを抱えたことがあった。

そんな人にとってうってつけの練習法なのだ。

優良企業のマーケティング戦略をトレースする(なぞる、真似る、模倣する)、つまり、自分なりに言語化・フレームワークを活用して図解することで、成果につながるマーケティング戦略・戦術を自分のものにすることを狙いとしています。

優れたアイデアを抽象化して、エッセンスを抽出し、自分の仕事に活かそう。このことは、いままであらゆる分野で言われてきたことだ。

広告クリエイター的なひとにとっては、「超ノート術」(佐藤ねじ著)がそうだ。ピンと来たアイデアをノートにメモして、要素分解し、企画を作る手法だ。

別の例では、「メモの魔力」(前田裕二著)もそうだ。日常のあらゆることを抽象化して、エッセンスを仕事に活かそうというコンセプトだ。

どれも素晴らしい本だ。しかし、いままでマーケティングという分野においては、具体的にどう練習すればいいのか、だれも言及してこなかった。

本書は、はじめての「マーケターにとっての教則本」ではないだろうか。

本書のガイドライン通りに、一度トレースをやってみるといい。わからない用語は適宜、一般のマーケティングの本を参照してどうにか進めてみる。そのことで、マーケターとしての思考法が身に染み付いてくる。

ジブンゴトになると、インプット効率が上がり、アウトプットに使えるようになる

実際にマーケティングトレースをやってみると、苦戦する人のほうが多いはずだ。これをスラスラできてしまう人には、もはやトレースは必要ないのかもしれない。本気でやると、それくらいの難易度がある。

しかし、それがいいのだ。アウトプットしてみて、はじめて自分の足りないインプットに気づける。

たとえば、今日は実家のオカンがよく口に出すスーパー「サンディ」をマーケティングトレースしてみた。京阪神エリアにお住まいの方はご存知かもしれない。そうでない方は例外なくご存知ないだろう。

※著者のnoteで配布されていた簡易版のフォーマットを利用しています。

サンディは、京阪神を中心に展開するディスカウントスーパーだ。実家の近所のサンディは、いつも混んでいて、今日なんて入場制限をしていた。

オカンによると、イオンをはじめとする他のスーパーの30~40%くらい安いらしい。何それすごい。そら入れ食いなわけだ。なるほどこれは秘密を知りたい、とおもった。

なんとかやってみた。まず自身の外部環境分析の不十分さに気づいた。マーケの教科書と名高い、グロービスMBAマーケティングを思わず読み返した。統計局の資料を読んで、世帯あたり所得推移や、物価指数を見てみたりした。

それに、「自分がその企業のCMOだったら?」という問いかけも秀逸だ。もし自分がサンディのCMOだったら...。チラシは自社サイトに掲載するWebチラシのみらしい。意識して広告費を出していない可能性がある。実際、出店すれば集客に困らないのだろう。

だったら、京阪神に限るのではなく、もっと他の地方都市に展開すればいいんじゃないか、などと考えてみた。

ところで、小売の利益率っていくらだっけ...。そんなにガンガン出店するほどのキャッシュはあるのか?京阪神で100店以上出してるが、それでいくらほど儲かるものなのだろうか...

ジブンゴトになるだけでめちゃくちゃ頭を使うし、調べるし、頭にも入る。

そういえば、くまモンやおくりびとで有名な小山薫堂さんは、「勝手にテコ入れ」と称して、脳内で広告や企画のテコ入れを習慣にしているらしい。

やってみると、また他の事例を見たときに「〇〇と比べてどうだろうか?」など思考の棚ができてくる。本書でも述べられているが、4P施策の事例などはいくらあってもいい。

だったら、自分の携わる商品に当てはめてみると?とか、競合他社だと?とどんどん思考が展開できるようになる。

最後に

イメージとして、まずトレースを数本やるだけでも全然違う。慣れてきたら10本、いけるなら週に1本などやってみるといい。いままで目の前を素通りしてきたサービスや、広告クリエイティブ、キャンペーンがすべて自分の仕事に活きる材料に見えてくる。

集客、いわば営業やマーケその他領域に関わる人達は、基本的に忙しい日々を送っているだろう。目の前の成果が出ずに悩むことも少なくないはずだ。

しかし、そういうときほど、世の中の素晴らしいマーケティングアイデアから学ぶことで打開できることもあるだろう。

ゴールデンウィーク、お暇なかたはぜひトライしてほしい。ぼくも、できれば1日1本ずつくらいトレースを重ねていきたい。

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ゴスペラーズなら酒井さんが推し。
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教育系事業会社のマーケター。思考整理がてら”昨日より今日、今日より明日、よりよく生きるための気付き”を書きます。20代はインドネシアやフィリピンで仕事をしていた海外キャリア。15年来のゴスペラーズファン(サカイスト)。高級文房具とA4コピー用紙を往復するだけの文房具狂。
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