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”ゴスペラーズ酒井雄二という才能”について語ろう。 #ゴスマニ

ゴスペラーズが好きだ。

...そんななかでも、ゴスペラーズの酒井雄二さんというメンバーが好きだ。

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(出典元:旅の途中で出合ったパンを発信、その魅力とは?|パンの語り部たち Vol.2 ゴスペラーズ 酒井雄二さん【前編】

※↑パンがお好きらしい。かわいい。

彼の才能は、彼らの25年間の道程のなかで衰えることを知らないどころか、近年ますます進化している。

ゴスペラーズは5人全員が楽曲を作り、作詞し、リードボーカルをとる。全員が才能あるミュージシャンというとんでもないグループだ。

そんな中で尖った個性と才能を突き出しているのが酒井雄二さん。

酒井さんを表現するなら、「既成概念を打ち破る」「挑戦的」だろう。

一般的なゴスペラーズのイメージを持つ人にとって、彼のスタイルは驚くべきものだとおもう。

今日は、ゴスペラーズビギナー、他メンバー推しのゴスマニに酒井さんの素晴らしさを伝えると共に、全国に散らばるサカイストへのエールとしたい。

(※記事末尾に酒井さんが大活躍している曲のプレイリストを載せています。そちらもぜひ!)

「Get me on」で大人の階段への入口を垣間見た、15歳の夏

高校一年の夏休みももう終わりが見え、蝉が命ある限り最後の声をあげているなか、ゴスペラーズと出会った。ラジオから流れる「ひとり」を聴いて虜にされた当時の話は、別記事を参考にしてほしい。

その後、学友たちが学校の帰り道にあるコロッケ屋で買い食いをしてるのを横目にみつつ、レンタルCDショップ・ゲオに寄り道してはゴスペラーズのアルバムを漁っていた。

そこでひときわ目を引いたアルバム・ジャケットがあった。「Frenzy」というアルバムだ。「Frenzy」という英単語は、「熱狂、狂乱」と訳されるらしい。

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※残念ながら、Frenzyという単語は受験英語ではなかったので、当時は意味さえ知らなかった。

ただ、「ひとり」や「永遠に」でイメージしていたゴスペラーズと違う...!と率直に感じた。

革ジャン、気だるそうな表情、真っ赤なソファと黒のストライプ...まだ入り口なのに、こんなコアな感じのやつ借りていいんだろうか?という戸惑いと、漂う男らしさをセットに感じた。

ゲオの5枚1000円のキャンペーンを使って、他のアルバムも含んだ袋をチャリの前カゴに入れて飛ぶように家に帰った。オカンが晩ごはんを知らせる声に適当な返事をし、CDラジカセに装填した。

1曲めの「Frenzy」、アルバムタイトルにもなっているこの曲をまず聴いた。5人全員がユニゾンで歌うメロにメロメロになった。特に2メロの歌詞だ。

「傍観者なき時代、決定は自分次第、駆けるぜ」

この曲を聴いたときのぼくは、義務教育を卒業したばかりの高校一年生。家の意向で決まっていた進路を覆し、大学進学という選択肢を両親に頼み込むことになったのは、この一節が発端かもしれない。

誰もが自分の人生の舵取りをしなければならない。ぼうっとしていると、傍観者になっちゃうぜ、といわんばかりの熱量を感じた。

そして、運命の曲と出会う。それが、2曲めの「Get me on」だった。

(※せっかくなので上のsportifyでアルバムの2曲目を流していただくか、以下の動画を見てみてください。)

ゴスの酒井雄二さんが作曲した本曲。メインリードも酒井さんが務める。

...「Baby, Get me on」のハモりから始まり、酒井さんの歌い出し部分まででもう完全に打ちのめされてしまった。なんだこれ、俺の知ってるゴスペラーズと全然違う。

「カタチの違う身体と愛でOh Baby Get me on」

...なんて言われても、一介の男子高校生にはその意味は皆目見当がつかなかった。(知らなくていい)でもなんだか、大人の入り口が開かれてしまったようで、どこか心の奥底でドキドキしている自分がいた。

透き通るようなクリアボイス、編み込みでファンクなその髪型、間奏部分のビートボックス...聴いたこともないようなその音楽に釘付けだった。気がつけば、酒井さんの虜になっていた。

以下より、ゴスペラーズ酒井さんの魅力について朗々と語りたい。しばらくお付き合いください。

まっすぐに伸びる透明感のある歌声は、曲調ごとに違った顔を見せる

別の記事でも触れたが、ここでも触れないわけにはいかない。酒井さんの一番の魅力は、その歌声だ。

そして、彼の歌声は大別して3つの曲調で魅力を発揮する。

・字ハモ・ロングトーン多めのバラード
・スウィートでメロウな大人の恋愛を歌う曲
・アップテンポな曲

まず以下の曲を聞いていただきたい。「こういう曲調好き」という曲。

↑ジャケットも良い。「星屑の街」のシングルCDのB面が本曲だった。酒井さんの髪型は、このときがすごいかっこいい。(語彙力)

ドゥーワップ調、分厚いコーラス、そして目が覚めるような透き通るリードが印象的だ。

思うに、酒井さんの歌声のすばらしさのひとつは、字ハモやロングトーンのコーラスラインにおいて立脚する確かな存在感だ。

ゴスペラーズのコーラスは分厚い。5人の全然違う声質、強烈な個性が集まった結果のハーモニーとしての説得力だ。特に字ハモ(コーラスもリードも同じ言葉を歌うこと)やロングトーンのときに、その厚さを感じる。

そして、そんな大雨のように降り注ぐコーラスのなかを、一閃の瞬きのごとくスーッと抜けていく酒井さんの歌声に、いつもハッとさせられる。

どちらかというと強くて固そうな声質のほかの4人の声に対して、酒井さんの歌声は”クリスタルボイス”との呼び声も多い。

一方、アップテンポな楽曲を歌うときの歌声もまたいい。「一筋の軌跡」という曲を聴いてほしい。

↑ライブ映像のほうが臨場感伝わってくるのでどうぞ!

ポジティブなメッセージと共に跳ねるようなリズムのこの曲では、酒井さんがメインリードをとっている。(ここまで曲を聴いてくると、皆様も声が判別できるようになってきているんじゃないだろうか。)

キレイな歌声だからバラードが似合いそうだなー、なんて安直な感想は全体の中のほんの一部分だったと思い知らされる。

酒井さんによるアップテンポな楽曲はいつも楽しそうだ。弾けていて、ライブ映像を見ても飛び回っている。そんな酒井さんを見て、心が和んでいるのはサカイスト(酒井さん推しの総称)の性なのかもしれない。

...もう少しだけ歌声について語らせてほしい。

酒井さんの歌声は、スウィートでメロウな曲でもその威力を遺憾なく発揮する。酒井さん作曲の「Love Vertigo」を聴いてみてほしい。

酒井さんのエロいファルセット(裏声)から始まる。良い...。ゴスペラーズのファルセットといえばリーダー村上てつや氏(「ひとり」のリードでお馴染み)なイメージだ。しかし、酒井さんのファルセットもエロい。

「なにもかもを与えてはいけない なにもかもを奪ってはいけない また心が傾いてゆく理由を 探しながら揺れているだけ」

惹きつけられる恋、すれ違う手と手。恋をしようとしても過去を思い出してためらってしまう、それでも止められない...という揺れる大人の恋心のリアルを歌った曲。

酒井さんの歌声は、スウィートでメロウな曲調にまた合う。恋の悩ましさが滲み出る。

「ハモるってこういうもの」という既成概念を打ち砕く曲作り

2つ目の魅力は、彼の挑戦的といえる詩曲づくりだ。自分なりにまとめると3つの特徴がある。

・韻を踏んだお洒落リリック
・アカペラなのにハモろうとしないコーラスライン、スキャット
・ルーパー、トークボックスといったエフェクターを活用

彼らの25周年を記念するシングル「Voxers」は、酒井雄二というミュージシャンの25年の境地でもある。「喧嘩アカペラ」という新ジャンルだといわれている。

喧嘩アカペラとは、5人の個性がそれぞれ打ち出されたアグレッシブなスタイルの曲だ。

酒井 5人がバラバラなことをやっているっているのが、実はゴスペラーズのアイデンティティなのかもしれないというのがあったんですよ。「ハモるって、合わせることでしょ」っていう常識に対するアンチテーゼを、ゴスペラーズは最初から唱えてた。声質も違って、うるさいグループで、なんていうかな、きれいじゃないというか。
-ゴスペラーズ 進化した“ケンカ・アカペラ”。デビュー当時からの彼らのアイデンティティを具現化した新作の凄さとは。

5人で調和し、ハーモニーを作ることが重要なのではなくて、5人それぞれの持つ強烈な個性を前面に押し出すこと。その結果、新しい音楽が生まれていること、と解釈している。

酒井さんは、ゴスペラーズのなかでは挑戦的な楽曲作りを幾度となくやってきた。

「いろは」という曲も彼が作詞作曲を担当した「喧嘩アカペラ」曲だ。以下はいろはの現職とは別verで、バンドをバックに迎えたジャジーな「いろは」。

ただでさえエッジィな原曲なのに、それをJazzアレンジにするという発想がもはや常軌を逸している。ライブで是非聴きたい一曲。

* * *

彼が作った楽曲を聴いていると、従来のヴォーカル・グループ、アカペラといった枠を乗り越えようという心意気の息遣いが伝わってくる。

酒井さんのそれは、スキルでも音楽性でもあるだろうし、スタンスだ。

ヴォーカルグループのパイオニア、ゴスペラーズ総体として、去年で25周年を迎えた。日本の音楽シーンにおいてはゴスペラーズというのは新ジャンルだったわけだが、それでも長く活躍し続けるというのは生半可なものではないだろう。

25年の会社員人生で、自身の変革を起こし続けられるビジネスマンはこの世の中にどれほどいるのだろうか?

まだ社会人になって8年しか経過していない自分であっても、「このままじゃいかん」と思い直すことがある。せっかくの新しいアイデアを、「そんなのなんか違うじゃん」と一蹴してしまうこともある。

先の「Voxers」についてのインタビューで、黒沢氏はこう語る。

黒沢 (中略)出来上がってきたものの中で「Voxers」が、「これは今まで聴いたことがないね。今、ゴスペラーズがやるのにふさわしいね」っていうことになって、決まっていったんですよ。

聴いたことがない、挑戦的、既成概念を打ち破る。これが彼らのパイオニア精神なのだ。

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ゴスペラーズ酒井さんが大活躍する至高のSportifyプレイリストを作りました。今日紹介しきれていない曲も入れました。よろしければどうぞ!(個人的なBGMプレイリストです)

ゴスペラーズ全体への愛を綴った以下の記事も是非ご覧ください。

北山さんリスペクトの記事はコチラ。


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Marketer/マーケター。インドネシアで海外営業→フィリピンでマーケ・新規事業→日本のオンライン教育サービスでマーケ(現在)。マーケティングと文化人類学に興味があります。A4コピー用紙狂、ゴスマニ。noteは思考と体験のアーカイブ。