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たぶんネアンデルタール人からクロマニョン人に移行するくらいの大きな変化ーなぜいま出口治明さんに『知識からの自由』の話を聞きたいのか。

いや、みんなその言葉を聞きたがるから本が次々とベストセラーになっているのだけども。今回、出口治明さんをお迎えする自由人博覧会のテーマは、『知識からの自由』。実はこのテーマの裏側には、「知の巨人だからこそ」と「いまの時代だからこそ」という思いが、すごくあるのです。……というお話です。すまねえ、よかったら読んでおくれ。

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▶ネアンデルタール人の方が、クロマニョン人より脳は大きかった。

うろ覚えですが、ネアンデルタール人とクロマニョン人の決定的な違いのひとつが、脳の構造だそう。ネアンデルタール人では脳内の各小部屋に格納されていた神経(ニューロン)が、クロマニョン人になると越境して他の領域とつながるようになった。いわばネットワーク化されるようになったのが、私たちクロマニョン人(元ネタは中沢新一さんによる「流動的知性」の話です)。

そのおかげで、クロマニョン人は「あれとこれは似ている」とか「これって、まるであれのようだ」とかの比喩とか象徴とかを使えるようになる。で、言語能力が一気に上がり、狩りも上手にできるようになって、結果的に生き延びることができた。

たしかに、狩りのときに毎回「わ、ヘラジカだ! よし、タロウとジロウは風下で待機、サブローは風上から追い込め、シローとゴローで両サイド展開!」と言うよりも、「男子はみんな(←抽象化したぜ)、前回のように(←比喩か?)動け。蛇みたいに(←比喩)頭を下げて静かにいくんだぞ。さぁ、狩りに成功したら俺たちはサバンナの神として女子にモテモテだ!(←象徴も入れてみた)」とかの方が、ヘラジカ倒せそうだ。うん。


▶「この国の教育システムが生み出す最高の人材は、テレビ番組でクイズ王になる」(『シン・ニホン』)

んで、この「ネアンデルタール人」と「クロマニョン人」の話って、めちゃめちゃ「コンピュータ」と「インターネット」の話だと思うのです。旧来型の独立型コンピュータにおいて優秀とされるのは”クイズ王”みたいに「どれだけ内部にトリヴィアルな知識を蓄えているか」。でも、インターネット型で求められるのは、「どうやったら外部の知識にアクセスして、自分なりの編集をできるか」。

……と思っていたら、ちょうど読んでいた『シン・ニホン』(安宅和人著)に、上記のフレーズが出てきたのでした。これからの時代の価値創出を語る章、従来の日本型人材育成モデルがゴール設定を間違っていた例として、このクイズ王のくだりが出ます。おお、まさに。

ちなみに、『シン・ニホン』のテーマは「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」。脳神経科学で博士号ももつ著者は、「(現在言われる)AI=機械知性は、イミを実感あるものとしては何も理解していない」という。だからこそ、そこに、「人間のやること」の可能性や希望を見出していけるのだ、と。


▶これからの時代に、人間のやることは?

機械やインターネットのおかげで、知識は外部に置いておけるようになった。そしてAIのおかげで、「『情報の識別』『予測』『目的が明確な活動の実行過程』はことごとく自動化していく」時代になった(『シン・ニホン』P23 )。サンキュー、キカイ!

こうして、人間のやることから「知識を覚えること」や「単純な情報処理」がどんどんなくなっていく時代に、私たちはいる。いわば、ネアンデルタール人からクロマニョン人への移行くらい、ものすごい場面にいるのだと思う。

こうして、より自由になる私たち。この先、どこに行けばいいのだろう? 「知の巨人」と言われる出口さんだからこそ、「知識」や「情報処理」の先の脳の使い方、人間らしい生き方について、大きなヒントをくれるような気がするのです。


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▶ちなみに私は、「少ししか覚えられない」「永遠の素人」です。

えっと、自己紹介でもあるのですが、私は、平安時代と鎌倉時代と室町時代が覚えられません。もう彼らと格闘して35年くらいになるか……。だいたい、鎌倉って関西にあると思っていたもんね、18歳で上京して八景島シーパラダイスに行こうとして神奈川県方面の路線図見るまで。(奈良の大仏のことを鎌倉の大仏と言うのだと思ってたよ……)

誰かを紹介するときも「湯川さんは必ず2割はプロフィール間違えて覚えてるよね」とか言われる。なんというか「少ししか覚えられない人」なのです。いわば「永遠の素人」。いや、残念。

だけど、それが恥ずかしくないので、「わからない」と伝えます。今回の出口治明さんのトークイベントは、みなさんの質問で進めます。私がかわりに「素人」として、みなさんの質問を伝えますからねーん。どぞ、安心してください!


■みんなの質問を出口治明さんにぶつけるのだ! 《2020年8月8日》「知識」からの自由。/自由人博覧会


<日時> 2020年8月8日(土) 15:00~17:00  ※オンライン開催
<参加費> 2,200円(税込)
<お申し込み・質問受付>  https://coubic.com/lgaku/434327
<詳細> http://lgaku.com/index.php/event/20200808jiyujin/

■お問い合わせ:
一般社団法人リベルタ学舎 info@lgaku.com /  078-599-9381






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