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クリーン・ビューティーを買いたいニューヨーカー

ヴィーガン、クルエルティフリー、オーガニック、サステイナブル…。NYのビューティー業界ではこんなキーワードが話題だ。 これらはクリーン・ビューティーと呼ばれている。

クリーン・ビューティーとはなにか

クリーン・ビューティーに明確な定義はないので、大雑把にまとめる。

「自分、他人(動物実験されるうさぎ)、環境に配慮した製品」=「思いやりコスメ」

この思いやりムーブメントは一部のニッチなブランドだけのものだったというのは昔の話。

クラランスはヴィーガンスキンケアラインをスタート、DiorのHydra Lifeシリーズはサステイナブル・パッケージを採用し、リーフレットなどを敢えて入れない方針だ。34カ国で2600以上の店舗を展開するコスメ専門店Sephoraでは、パラベンや硫酸塩などの化学物質を含まないコスメブランドを"Clean at Sephora"として打ち出している。

最初からクリーン・ビューティーを掲げるGlossierやMilk Makeupといったブランドはもはやマイナーではなく、シャネルやトムフォード同様に支持されている。

「クリーン・ビューティー」はもはやメインストリームになろうとしている。


私とクリーン・ビューティー

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Photo courtesy: Molly Matalon for The New York Times

私が「クリーン・ビューティー」に関心を持ったのは、クロエ・セヴィニーのインタビュー記事を読んだことがきっかけだった。ニューヨークタイムズ"Skin Deep"というコーナーで、彼女のお気に入りのスキンケアやヘアケアアイテムを紹介している記事だ。

「ビューティープロダクツを選ぶ時に最も苦心しているのはプラスチック容器ではないものを見つけることなのよ」

私が最も苦心しているのは「自分の肌がきれいになること」と「パッケージのデザインがいいこと」だった。どこまでも自己中の塊。自分が商品を使うことが及ぼす環境への影響などこれまで考えたことはなかったのだが、この記事を読んで「そういう視点で美容を選ぶこともできるんだ」と妙に心を動かされた。それから私の「ゆるクリーン・ビューティー」が始まった。

血まみれウサギのぬいぐるみと一緒にデモに参加したり、今あるシャネルのハイライターを捨てたりするわけではない。これから買うものはクルエルティフリーの商品を選び、選択肢がある場合にはヴィーガンのコスメを買おうというのが私の方針である。


クリーン・ビューティーを買いたいニューヨーカー

こうした「ゆるクリーン・ビューティー」に移行しているニューヨーカーは意外と結構いると思う。

「アメリカ人は自分を持っているからトレンドにれ流されたりしない」というのは大嘘である。クリーン・ビューティーは世相を反映したトレンド以外のなにものでもない。では、トレンドはどこからくるのか?

マンハッタンを歩いていると、1ブロックに5人くらいホームレスがいる。まさにゴッサムシティ。このゴッサムシティにはバッドマンもジョーカーもいない。地下鉄でその日を生きるためにグミを売る子どもを見た後に、1回$2000のフェイシャルエステを受けるインスタグラマーを目の当たりにして、私はなんとも言えない複雑な気持ちになった。

みんな少なからずこの矛盾に気付きながら、でも心のどこかであのホームレスが自分でなくてよかったと思っている。そんな中にあって「なにかしていると思いたい」気持ちが生まれたところに、「これを買えばいいんですよ」とわかりやすい形で示してくれるのが「思いやりコスメ」というビューティー商品なのだ。




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30歳でNYのParsons School of Designに留学。卒業後はNYの現地企業に就職し、美容業界でグラフィックデザイナー。留学から現地就職、デザイン、美容ウェルネスのトレンドをnoteにまとめています。
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